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色々変わるし移ろう日記

 洋書を読んでいる作家は多い印象がある。たまたま図書館で見つけた「一か月で洋書を読み切るだけの英語スキルを作る!」というテーマの本に、精読しようとするから敷居が高いのであって、まずは意味が分からなくても通読することを目標にしようとあった。TOEIC高得点者の推定語彙数ですら、ネイティブの1/4程度しかないのだから、最初からばっちり意味が分かるなんて無理だと。

 それもそうかもしれないと思い、洋書を読むためにkindleについに手を出すか……! と思ったが、思っただけでまだ買えていない。kindleを買うか、タブレットにするかで迷って、そのままなのだ。
 kindleなら、読書に集中できるし、辞書機能がタブレットのアプリより読書に特化していて使い勝手がいいらしい。他方タブレットを買えば、色々アプリが入れられるし、キーボードと組み合わせて執筆もできる。タブレットはピンキリだけれど、kindleに少しプラスするだけでタブレットにできるなら、という思いもある。
 私は今執筆するのに大きめのPCかポメラを主に使っているが、ちょっと古いポメラなのでネットにアップしたりPCにデータを飛ばすのが少し手間なのだ。環境を変えたいのだけれど、何か賞にひっかかってからとか、少なくともX次選考まで行ってからじゃないのという気持ちもあってぐずぐずしている。

 話が逸れた。とりあえずアプリでも、なんならブラウザでも青空文庫所収の英字文は読めるので、なんとなく話の筋を知っていて、でもしっかりとは読んだことがない作品を、日本語訳と英語で並行して読もうと、村岡花子訳の「赤毛のアン」を借りてきた。少年少女文庫のようなものでは読んだことがあったけれど、原文にあたったことがなかったのだ。「アンの青春」など多数の続刊があるのがなんとなく憂鬱だったし、なにより男の子にも負けないきかん気の、人参頭の女の子に魅力をあまり感じなかったのである。

 アンが最初に島に到着して、マシュウが口下手なのをいいことに、息をする暇もないほどに話し続ける様は、文章としては美しいのだけれど、こんな子私はちょっと嫌だと思った。マシュウとマリラの要望を取り違えて女の子を連れてきたスペンサーさんが、「(あなたは)もう千回も訊いているわよ(だからちょっと黙ってて)」と言う気持ちがとてもよくわかる。しかし子供とはこういうものだ。本当にうんざりするほど色んなことを、何度も訊く。

 そんな風にうざったくも美しい世界に身を横たえていたのだけれど、アンが街路や池に大仰な名前を付け始めたくだりになって、私はある漫画作品を唐突に思い出した。「かってに改蔵」である。

 かってに改蔵は、最初は普通の(?)下ネタ漫画だったが、段々と時事問題を絡めながら、ティーンエージャーの陥りやすい色々な傾向を揶揄するギャグ漫画に変貌した。アン・シャーリーが登場するのは、確か中二病の一つの形態として、少年少女がアンのように、日常にきらびやかすぎる二つ名を与えるようになるというような回だった。

 往来をいく禿頭の人を指して、濁りの無い目で「艶やかな丸き輝き!」とか言っちゃうので、そのおじさんは「ひどい!」と泣きながら逃げていくのだ。

 せっかく「洋書を読もう!」という高尚な目標を掲げたところなのに、薄汚れた記憶が湧き出てきてしまった自分を残念に思う。いや、かってに改蔵大好きだったし、よくそんな小ネタ覚えていたなって思ったけど。



 仕事が増えて、役割を果たす場所が複数できたことと、余裕がなくなったせいで、以前より更に、この名義でライターとして稼ぐという意欲がなくなっている。

 それでも、文章を読ませるポータルサイトにいけば、「ライター募集してないかな」と確認してしまう。けれど、自分から手を挙げて「ライター一覧」に並ぼうとするのはもういいかなあという気持ちになっている。

 焦りがなくなっただけ、それはいい変化なのだと思う。

 何か書いて下さいって向こうから言ってくるくらいじゃなきゃ引き受けないという気持ちでいよう。ライターで食べていくなら営業は必要だと思うし、自分を売り込むのは大変なことだと思う。それをできる人は強いんだろう。でも、私は文章ではそれを当面やらないのだと、当面のスタンスを決められたのはいいことだと思う。ホルモンバランスの狂う月初になれば、また思い悩むのかもしれないけれど、今のところは、一本筋を通していよう。


 先日、私がまだ占いを楽しんでいるという話をした。石井ゆかりさんのサイトは、何故だか「筋トレ」という名前になっている。彼女が無名の時代から運営してきたサイトだから、「(占いの)筋トレ」という意味で付けたのだと勝手に思っている。

 この筋トレというサイト、本来の筋トレと意味がまるで違うのに、グーグル検索すると大抵トップに表示される。私がよく筋トレと検索しているからそうなのか、そのワードでのSEO対策(って名前は知ってるけど実際何?)をしているのか、サイト名と合わせて疑問に思う。

 その筋トレが、このところ二番目か三番目にしか表示されない。と思ったら、なんとこのサイトは順次閉鎖し、別のサイトに移行することになったらしい。このサイト内の週間占い(週報)をクリックすると、彼女のnoteに飛び、私達はnoteで占いを読むという仕組みになっているのだけれど、noteでの週報も今週が最後なのだそうだ。

 私も世の中も。移り行く六月は、もうあと数日を残すのみ。

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