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ゆり根補完計画

 クリスマス明けに、おせちの食材を買いにスーパーに行ったら、先週98円で売っていたゆり根が298円に値上がりしていた。

 うちの子供らはゆり根が好物なので、一つでは足りない。二つ買うとゆり根だけで600円は超えてしまう。足元見やがって……と俯いた私の足元に、植木鉢があった。そうだ、一月にゆり根を土に埋めていたのだった。

 このゆりは、夏場二本の茎を伸ばし、花を咲かせようとつぼみを沢山つけた。しかし、ゆり根を取るつもりだったので、本懐を遂げたのはほんの一、二輪で、後は青いつぼみのまま切り取られてしまったのであった。

 ちなみに当時はWebライターとして文章の研鑽をしつつ作家につなげる、なんてことを考えていて、ゆり根の栽培日誌で一つ記事を書くつもりで、取引のあったサイトと水面下で交渉すらしていた。結局Webライターは恐ろしく向いていないと結論付けて、今に至るわけだけれど(……いや、Webライターに限らずどんな仕事も、向いている向いていないというよりは、仕事に自分を合わせていく必要があるのだろうとは思うのだけれど、この仕事に合わせて自分を改変するのは文章技術もさることながら、心情的にどうにも苦しくてできないと思ったのである)。

 掘り起こした所、植えた時一株であったゆり根は、二株サイズに成長していた。すごい!

 さっそく調理したが、ゆり根ってこんなに甘かったっけ? というくらい、これまで買ったどんなゆり根よりもおいしかった。そうか、取れたてだからかと考えて、私は少ししょんぼりした。養豚業者が、ついさっきまで可愛がっていた豚を屠殺して食べているような、複雑な心境になったのだ。

 しかし、これはすごくいい経験だったので、今年もお正月フィーバーが過ぎたスーパーで、底値のゆり根を買い、二匹目のどじょうを狙いたいところだ。



 今日からしばらくの間、たまっている下書きを整理、推敲して放出します。続編書くと言ってそのままになってる小説も、できれば終わらせたいところです。

 今日はおせちに飽きて、ミートドリア、塩豚とキャベツ・大根のスープにしました。明日の朝はおせちで残ったきんぴらごぼうを入れたちぎりパンです。パンやお菓子のレシピって、「バターなしでこれだけ美味しい」と謳うものが多いけれど、バターの代わりにサラダ油やマーガリンを使うくらいなら、バターを使ってリッチに仕上げた方が美味しいし、健康にも良いと思うのだけど、皆、前世でバターに親類でも殺されたのかしら(意訳:ちぎりパンのレシピを改変し、バターマシマシで焼いたら思わず味見しちゃうくらいとてもいい匂いでおいしかった)。

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紅茶と蜂蜜
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