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noranekopochi
伍助と芳一
芳一は激怒した。必ずあの邪智暴虐の代官を除かねばならぬと決意した。芳一はのそのそ代官所にはいって行き、半刻後にはもう耳を切られて、通りに放り出されていた。人々は芳一の愚かさを嘲笑い、芳一は松の木に首をくくって死んだ。#耳なし芳一
— 耳なし芳一bot (@bot78741637) January 15, 2022
伍助は「困ったことになった」と思った。夜になると、代官所の周りには耳なし芳一が出るのだ。彼は昔、年貢を払えなかった罰で、耳をそがれて殺され妖怪となった。月のない夜に代官所のまわりをとぼとぼと歩いていて、出会った人間の耳をもぎ取るという。もうすっかり夜だ。#耳なし芳一
— 耳なし芳一bot (@bot78741637) December 6, 2022
伍助は耳を守るために濃い藍の手ぬぐいで頬被りをした。そして懐に匕首を偲ばせて、夜の巷に出た。耳なし芳一を警戒して油断なく四方に気を配っていたが、突然冷たい風が吹くのを感じて、地を蹴って飛んだ。代官所の庭から延びた松に、逆さにぶら下がる黒い影。これがあの耳なし芳一か。 #耳なし芳一
— 耳なし芳一bot (@bot78741637) January 14, 2022
伍助は暗い空でヒラヒラと飛ぶ白いものに向かって火縄銃をぶっ放した。白いものはパタッと落ちた。それは一対の人の耳だった。持ち帰って伏せた籠の中に閉じ込めると、中でパタパタと動いていた。次の雨の晩、戸を叩く者があった「すいません、こちらに私の耳が来てませんか?」#耳なし芳一
— 耳なし芳一bot (@bot78741637) July 18, 2022