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Photo by
bantya_teitoku
耳なしホーチェ
耳なしホーチェは、領主ブラド公に対する叛乱を指導した村の司祭である。生け捕りにされ「神の言う事を聞けぬ者に耳は要らない」と耳を切り落とされ、串刺しにされ、城壁の上に晒された。ある日死体は忽然と消え、帝国のあちこちで耳のないホーチェの姿を見た、という噂が囁かれた。 #耳なし芳一
— 耳なし芳一bot (@bot78741637) November 18, 2022
ブラド公が目覚めると、大勢の男に取り囲まれていた。鬚と髪がないのか、首から上が涼しい。「お前ら何者だ」一同は「ホーチェだ」と答えた。彼らは皆耳がなかった。一人がナイフを手に進み出た。「殿下にもホーチェになって頂きます。身柄は今晩中に代官所にお送り致します。」#耳なし芳一
— 耳なし芳一bot (@bot78741637) January 15, 2023
この日を境に男爵夫人は、毎晩夢でうなされるようになったが、その夢について夫に語ろうとしなかった。夢に出てくる耳の無い男は、私の先祖に殺された耳なしホーチェに違いない。先祖は主人であるブラド公の仇をとって爵位を賜ったのだ。それが何故今になって私の夢に現れるのか。#耳なし芳一
— 耳なし芳一bot (@bot78741637) March 21, 2023
フロイト博士は言った。「奥様、夢に出てくるその耳のない男はご先祖の仇でも亡霊でも何でもありません。奥様の無意識に抑圧されたリピドーの現れにすぎないのです」その晩、耳なし男はまた夢に現れた。「おれは無意識に抑圧された何とかなどではない。朝起きたら、枕の下を見てみろ。」#耳なし芳一
— 耳なし芳一bot (@bot78741637) April 6, 2023