【試合観戦記】7/12西武2-3楽天:ドラ1独走を止めた1点差の攻防劇
武内を沈めた浅村の7号決勝ソロ
楽天は○5/3M1-12E(楽天モバイル)から9戦連続QS中の早川隆久。
西武は3球団競合ドラ1で開幕10登板5勝負けなしの武内夏暉。
いずれも左腕による初のマッチアップは、両者ともにテンポの良い好投が際立ち、2時間24分は今季の楽天戦では最短試合に(2試合あった降雨コールドを除く)、西武側も今季2番目の最短ゲームになった。
時計の針がちょうど19時を指したそのとき、5回表・西武の攻撃が始まる直前。それほど試合進行がスムーズに流れた西武13回戦だった。
結果は1点差を巡る終盤の攻防を楽天がL2-3Eで制し、3カード連続でカード頭を奪取。
これで1点差成績は12勝11敗とし、新人王へ突き進むドラ1独走(※)に待ったをかけるゲームになった。
戦況は6回裏に2点先制したものの、直後の7回表に追いつかれてしまう展開。延長戦も視野にちらつき始めたなか、今季最多36得点をあげているラッキーセブンに主砲のバットが咆哮した。
結果球は武内のチェンジアップ。
低めに入ったところを完璧にひろい上げて、理想の角度で舞い上がった弾道が左翼スタンドへ消える、14試合ぶりの7号ソロだった。
初球はカーブ、2球目もカーブでカウントは1-1。
3球目が結果球になった。
配球論でよくカーブの後のチェンジアップは効くと言われている。
緩急演出のため打者も次は真っ直ぐだと容易に想像できるから、その裏をかいて同じ軌道から抜いてあげると、打ち損じ、空振りを誘発できるという算段だ。
武内&炭谷のバッテリーは、左飛に退けた浅村の2打席目でも、似た配球を実施していた。
初球をカーブで入り、1-0からの2球目を低めに沈めるツーシームでファウルを打たせ、最後は内角を厳しく突いたストレートでイージーフライに打ち取る場面があった。
二匹目のドジョウを狙ったのかもしれないが、浅村も百戦錬磨である。
過去2打席の配球を踏まえて、3打席目に臨んでいたはずだ。
武内は降板後「同点に追いついた裏に、先頭打者に痛打されたことは、自分の失投でした」と振り返ったが、低めには制球していた。できれば低めのストライクからボールに変化するところに投げきりたかったと思うが、あの場面は浅村の技あり!
よくぞあの低めストライクゾーンの勝負球を──試合前時点で当該球の被打率は.108、Whiff%は40.3%もあった!──理想の角度をつけてすくい上げたと思う。
じつは、先日気になる記事を読んだ。(続く)
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