【試合感想文】 3/3広島3-2楽天「初の開幕1軍めざせ!」ひときわ印象的な167cm右腕2Kの好投
元楽天・内間拓馬の自滅劇
「投打ともに、しっかりやっていかないと勝てないなってつくづく思うような試合だった」
チーム再建を託された12球団最年少指揮官の試行錯誤は、始まったばかりだ。
8回表まで投手戦でスコアレスで進んだ倉敷3連戦の3日目。
青空が球場を覆ったものの、風はあいかわらず強かった。
茂木栄五郎、渡辺翔太のパーソナルトレーナーを務める木村匠汰さんが、スタンドからSNSに「今日も岡山は寒いです」と書き込むほどの気象条件だったようだ。
試合が動いたのは8回裏、楽天が2点を先制した。
しかし、これは広島四番手で昨年までイーグルスに在籍した内間拓馬による、なかば自滅のかたち。
1安打3四球が絡み、1点目は2死3,1塁からのワイルドピッチ。
2点目は2死満塁、伊藤裕季也が火消しに入った塹江敦哉からストレートの押し出し四球を頂戴した。
2点リードの9回表は、宮森智志が今季4度目のマウンドへ。
前回2/23糸満では7失点。雪辱を期す25歳右腕が、この日も冴えなかった。
味方得点直後の守備回で・・・
味方得点直後の守備回だ。
その先頭打者はセオリーとして必ず抑えなければならない。
四球を出すことなく、打者と勝負できた点は良かった。
カウントも真っ直ぐ、真っ直ぐで0-2と追い込み、投手有利の状況を作ることができたところも良かったのだが。
しかし、2-2から勝負しにいった変化球が中途半端なゾーンに収まったところを、宇草孔基に上手く拾われ、中前へ運ばれてしまう。
後続を空三振に退けた後の1死1塁、今度は守備にもつれが発生した。
3番・久保修を5-4-3併殺コースのサード正面ゴロに。
ところが、途中からホットコーナーの守備に就いていた背番号39が2塁へ悪送球。これで事態は1死3,1塁と一変し、続く2者に長短タイムリーを浴びてしまったワケだ。
1死3,1塁、内野前進守備を敷いた1死3,2塁、どちらもゴロを打たせなければならない場面だった。
しかし、いずれも変化球がこれまた中途半端な高さに入り、2本ともライナーで応戦された。
1死3,2塁で髙木翔斗に浴びた左安は、詰まったライナーが内外野アンツーカーの外野かなり浅めゾーンに着弾したもの。
もし内野が通常の守備隊形なら、ショートが背走からのジャンピングキャッチで追いついていたかもしれず、その点では不運とも言えた。
宮森3.1回10失点
正直、宮森には球の切れがない。
ここぞの要所で投げきる胆力もないように感じる。
これで実戦4登板を終えて、3.1回6安打1被弾、1三振6四死球、10失点(自責9)という内容だ。
代わりに誰を上げるかはさておき、ファームでしっかり再調整させるべきでは?と感じた。
逆転負けを喫した楽天は実戦成績2勝9敗1分、オープン戦は2勝3敗の7位になった。
吉川雄大の“隠れた才能”?!
この日、最も良かったと感じたのは、三番手の吉川雄大だ。
社会人のJFE西日本時代にこの球場をよく使用していたという167cm右腕が、7回1イニングを1安打2Kでゼロに抑えた。
バッテリーを組んだのが広陵高でもコンビだった太田光という気心知れた部分も手伝ったのかもしれない。
23球のうち65.2%を低めへと集める丁寧な投球が印象的だった。
変化球で空振り4球を奪取できた点も好材料。
じつは本戦入れて4.1回6安打2失点の吉川だが、ここまで空振りを多数記録、三振も6個を数えるほどなのだ。
ここまで合計84球を投げて打者に32球スイングされ・・・(続く)
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