【試合観戦記】 7/6楽天4-0ソフトバンク:楽天ベンチが“1年10ヵ月ぶり”に封印を解いた終盤の勝負手
僕を唸らせた、今江監督が切った継投カード
終盤、ぼくら楽天ファンは今江監督が勝負手の采配カードを切る珍しい瞬間を目撃した。
4点リードした8回裏の守備の場面のことである。
先発・古謝6回無失点、7回は渡辺がゼロに抑えたマウンドだ。
今江監督が三番手で送り込んだのは、前日3者連続3Kと圧巻の内容だった左腕・鈴木翔天だった。
彼にとって今季5度目の2連投だった。
2連投は珍しいことではない。勝ちパターンのリリーバーならよくある起用になる。
しかし、前日夜から翌日昼の“ナイトデー”での連投となると、話は変わってくる。
前日夜から翌日夜の連投よりもリカバリー時間が短くなるナイトデー連投は、投手に過剰な負担をかけ、パフォーマンス劣化のリスクを招く。
豊富なスピン量を誇る快速球が最大武器の185cm左腕は、じつはその典型例だった。
56番のサウスポーは、試合前時点で通算131登板。
そのうちデーゲームは44登板で33.6%を占める。
しかし、ナイトデー連投となると、キャリアでたった2.3%の3登板だけだった。
下記表のとおり、その成績も3登板で防御率27.01、1.2回4安打1三振6四球。
黒星も2個ついており、そのうち1つは暴投に押し出し四球も絡んだプロ初黒星だった。
当時の石井監督はこれに相当懲りたのか、翌2023年、鈴木翔にナイトデー連投を全くさせなかった。
昨年といえば鈴木翔がパリーグ最多61登板とフル回転した年になる。デーゲームも18登板あった。そのうち4登板はナイトデーだった。しかしナイトデーでの連投は1度もなかった。
12球団最年少指揮官は、前政権によって封じられた鈴木翔のナイトデー連投の封印を1年10ヵ月ぶりに解く采配カードを切ってきたというわけなのだ。
8回裏、ソフトバンクの攻撃は2番・今宮から始まる上位中軸だった。
若鷹軍団といえば・・・(続く)
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