【アクショントレースを取り入れる】
今日は
『アクショントレースを取り入れる』
について考察していきます。
先日部屋の片付けをしていると
剣道の試合を撮影したVHSが
出てきました。
ブルーレイレコーダーも
登場していない頃で
時代を象徴しています。
最近はネット環境が発展した為
スマホやタブレットによる
オンライン視聴が
主流になっています。
CD、DVD、VHS等
物理的に触れて
映像を観る機会は
殆ど無くなっているでしょう。
現在は
ブルーレイレコーダーを
使っていますが
その前に
VHSビデオ一体型DVDプレーヤーを
使っていました。
懐かしさも込み上げてきたので
久し振りに自分の剣道の試合を
観る事にしました。
思い返せば
憧れの先輩に追いつきたい一心で
毎日朝から晩まで何度も何度も
繰り返しビデオを観ていました。
試合で勝つ為に研究材料として
ビデオを活用していますが
それよりも先輩をモデリングして
先輩の分身になろうとする想いが
かなり強かったです。
自分の動きと
先輩の動きを比較して
「どうやったら小さい身体を駆使して
相手に余裕で圧勝出来るか」
「どうやったら大きな体格の相手に
素早く踏み込んで打突出来るか」
「どうやったら相手を惹き付けつつ
足さばきを活かしてさばけるか」
etc
先輩の試合内容を
細かく分析していました。
これは
「守破離」で言う
「守」の部分です。
最初は見様見真似で
全部コピーするくらい
忠実にする事が鉄則です。
オリジナルと称して
自分勝手に行動すれば
痛手を被ります。
上手く出来ない人程
独自性と謳って
カッコつけようとします。
私も数回試してみましたが
1度も成功した事はありません。
熟練者であればある程
先代の師匠やメンターの教えを
確実に守っています。
基本が出来ていないのに
応用技が出来る訳がありません。
それだけ基礎の土台は
重要であります。
『全ての土台はプレコンディション』参照。
但し自分が勝った試合ばかり観て
余韻に浸っていると心に隙が出来
あぐらをかいて天狗になります。
すると
「自分は必死に稽古しなくても
試合で勝てるから大丈夫だ」
「自分の強さが証明されているので
周囲も認めてくれている」
「先輩の背中が見えてきたから
そろそろ追いつけるかもしれない」
etc
自惚れと傲慢さが表れてきます。
人生は上手く出来ていて
有頂天になると必ず
厳しい試練がやってきます。
小学5年生の時に
全国大会で優勝した後から
まともに勝てない時期が
半年間位続きました。
全国大会で優勝出来た要因は
キツい稽古を粘り強く
やり遂げた事もありますが
それ以上に
セルフ・エフィカシー(自己効力感)が
習得出来ていた事です。
セルフ・エフィカシー(自己効力感)とは
自分がある状況において
必要な行動をうまく遂行できると
自分の可能性を認知していること
wikipedia
セルフ・エフィカシーが
高まったきっかけは
全国大会に行く1ヵ月前に
道場内の定例試合で
1つ上の強敵の先輩に勝った事です。
憧れの先輩とまでいかなくても
小学生の中ではかなり強いので
勝てた事が驚きであり
内心嬉しかったです。
これを弾みに全国大会を含め
無敗記録を更新して
異様に自信が付いていました。
しかし
そうは問屋が卸さないのが現実です。
全国大会優勝後
鼻が高くなり
調子に乗っていた自分に
大きな天罰が下り始めます。
さほど強敵でもない相手や
勝てるはずの相手に負けて
不振状態が続きました。
心の中で
「対戦相手が強くなっていて驚いている」
「得意の面が小手で打突されると思い怖い」
「面が打突出来るはずなのに相手の動きが違う」
「素早く打突したはずなのに1本にならない」
etc
四戒(驚懼疑惑)に陥り
恐怖心に苛まれていました。
四戒(驚懼疑惑)とは
四病(しびょう)とも呼ばれ
修行中に起こしてはならない戒めです。
それぞれの意味は
下記の通りです。
1.驚(きょう)
相手と対峙したときに
びっくりして心が動揺する事
2.懼(く)
相手に対して怖いと感じる事
3.疑(ぎ)
相手の動きに対して疑いの心が生じ
判断が鈍った状態で
適切な処置が出来ない事
4.惑(わく)
精神が混乱して
素早い動作・判断が出来ない事
負けた試合を直視する事は
正直良い氣はしません。
勝った試合を観ているほうが
自己肯定感や自己効力感が高まり
氣持ちは良いでしょう。
しかし、自分を進化向上させるには
居心地の悪い場所に飛び込み
苦難困難を受け入れて
経験する事です。
原因思考で分析するのではなく
敗因を謙虚に受け止めた上で
目的思考で
「どうやったら思い切って
1本になる打突が出来るか」
「どうやったら自分の得意技を発揮して
渾身の一撃で踏み込めるか」
「どうやったら最速の面打ちを
最高の場面で繰り出せるか」
etc
視点を変えていきます。
過去の出来事を振り返って
ネガティブな状態になる事は
時間の無駄ですが
過去の自分の言動&行動を検証して
改善点、向上点、盲点を洗い出し
次に繋げる振り返りは
非常に望ましい事です。
つまり
アクショントレース
です。
トレース(trace)は、
すでにある物をなぞること。
またはなぞるべき痕跡のこと。
wikipedia
要するに
過去の自分の言動&行動を
ニュートラル状態で観察して
改善点&向上点&盲点を
様々な角度から発見する事です。
または
自分フィードバックとも言えます。
『自分フィードバックを実践する』参照。
重要な観点は
全て記録を付けておく事です。
文面、音声、映像等
オンライン、オフライン問わず
残すようにします。
行動する事に集中し過ぎて
振り返りを怠ると
改善点、向上点、盲点を見落し
大きな飛躍は見込めません。
継続して行動しつつも
仮説検証を実施する事で
別の視野からの考察を
取り入れる事が大切です。
「アクショントレース」の
アプローチを3つにまとめます。
1.過去の自分の言動&行動を振り返り
新しい視点で改善点&向上点&盲点を
見出すようにしていく
2.オンライン、オフライン問わず
全ての媒体で自分の言動&行動の
記録を残しておく
3.週に1回は全体的な振り返りを行い
他の誰か(師匠やメンター等)から
フィードバックをもらう
現実的なアクションとしては
過去に記録している自分の状態を
異なる視点から分析する事です。
ブログや音声&動画配信等を
見直すと新しい発見があります。
自分自身をメタ認知して
バージョンアップさせて
磨きをかけていきましょう。
最後までお読み頂き
ありがとうございます。
追伸
あなたの
「アクショントレース」を
教えてください。