Miyuji's Sunday Brunch Piano
金子三勇士さんのインスタライブ。配信からだいぶ経ち、記事を書く予定もないものだったのですが、アーカイブを観るたびに曲目をメモしておきたくなり、備忘録を残すことにしました。
セットリスト
バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第1番 ハ長調 プレリュード
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第8番 「悲愴」 第2楽章
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第14番 「月光」 第1楽章
ドビュッシー:ベルガマスク組曲「月の光」
ショパン:夜想曲 第20番 嬰ハ短調「遺作」
バッハ:インヴェンション 第1番 ハ長調
シューマン:子供の情景「トロイメライ」
リスト:コンソレーション 第3番 「慰め」
バルトーク:「チェルゲーの踊り」
モーツァルト:ピアノソナタ ハ長調 K330より 第1楽章
<アンコール>
シューマン=リスト:「献呈」
開催日:2021年5月2日(日)
アーカイブはまだ観ることができます!こちら、サムネイルが渋いですが(笑)クリックするとインスタライブの画面に飛びます。場合によってはログインが必要かもしれません。
今回はいつものコンサートに比べてカジュアルということで、”プログラム”→”セットリスト”、”公演日”→”開催日”など表現を変えてみました。
音楽宅配便
ちょうど1年ほど前、緊急事態宣言期間中にスタートした三勇士さんの「音楽宅配便」。外出がままらならない中、”音楽を自宅までデリバリーする”という企画を作り、ステイホームしながら楽しめるたくさんの演奏動画を公式YouTubeに上げてくださいました(今も続いています!)三勇士さんも仰っていましたが、まさか1年後も同じように緊急事態宣言が発令され、コンサートは中止/延期が相次ぎ、再びステイホームを強いられるとは思いませんでしたね。今やその動画もすごい数になっています。
今回はインスタライブという新しいかたちで、コンサートまるごと10曲も(!)ほかほかのオンタイムで宅配してくださいました。
おうちからインスタライブ
「Miyuji's Sunday Brunch Piano」と題したインスタライブが開催されたのは日曜日の午前11:30。東京はすっきりとした快晴(たしか全国的に晴れ)。うららかな春の1日にバッハの平均律クラヴィーア曲集・プレリュードから始まったライブ配信は、その明るい空気にとても似合っていて、とびきり爽やかな日曜の昼を演出してくれました。セットリストも穏やかなものを中心に、あまり激しいものはインスタライブでは音が割れてしまったりする配慮もあったようでした。そして三勇士さんがカジュアルにご自宅から配信されているということが加算され、いつにも増して演奏はとても穏やかで温かく、心がほっこりする音でした。
度々思うのですが、三勇士さんは晴れ男な予感がしますね。ちなみに晴れ男って日本独自の表現かもしれないですよね?筆者がカナダ人の友人に言うと「なにそれ?」と不思議顔でしたし、興味もなさそうで軽く流されました(笑)ハンガリーにはこういう独特な風習はあるのでしょうか。
話が脱線しました(笑)
今回はピアノ越しに三勇士さんが真正面になるカメラアングルだったのですが、とても良いですね。ピアノに手をかけてトークをされる様子も、とても話しかけられている感があるというか、まずそのポーズがイケメン度増し増しです(笑)そしてピアノの中が見えるアングルでもあります。筆者はこの角度からピアノを見たことがないため興味深く、ハンマー?が弦を叩く(ジェンガのピースくらいの大きさのこれは何と呼ぶのでしょう)のをずっと目で追っていて、その上がり方が深くなったり浅くなったり、あれ、いま音が鳴った時に上がっていなかったような?など、かなり見入っていました。どうやら筆者は音楽を「見る」ことが大好きなようだと気づく今日この頃です。
「月光」からの「月の光」に思うこと
4曲目の流れは、ベートーヴェン 「月光」から続くドビュッシーの「月の光」。この2曲が並んだことで気になりだしたことがあります。
ベートーヴェンの「月光」(Moonlight)に対してドビュッシーは「月の光」(Clair de Lune)。同じものを指しているのに言語が違うという。母国語ではない英語のタイトルになったベートーヴェンに対して、ドビュッシーは例えば英語の説明文の中でもタイトルだけはフランス語が貫かれています。なぜだろうと考えていました。出版社が世界中に売り出しやすいように英語化したのでしょうか。そうだとすると、すでに英語は世界共通語という時代だったのか?それならばドビュッシーは大衆ウケを狙わなくて良かったのか?まさか外国語がどことなくかっこいいというファッション要素なのか?他にも同じようにタイトルが元々の言語と思われるものを貫いている作品をいくつか見た記憶がありますが、気になるところです。
実はそれより気になるのが日本語になったときの送り仮名「の」。ドビュッシーは日本語訳にまで指示はしなかったと想像しますし、同じものなのになぜドビュッシーにだけ入れたのでしょう。ベートーヴェンと”かぶってしまうから”でしょうか。
ためしに書いてみます。
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番 「月の光」 第1楽章
なんだかあの荒々しいベートーヴェンのキャラには似つかわしくない、柔らかいイメージになりました(笑)
予定になかったバルトークとリスト
セットリストに入れる予定ではなかったというバルトークを、その場のチャットからリクエストを拾って演奏されました。リクエストはとても楽しいものですし、コメントを拾ってくださるのは今まさにリアルタイムで繋がっているという実感がわいてテンションが上がります。カメラの向こう側は大変ですね!三勇士さんはピアノ越しに、2.0ほどだという視力(!)を活かしてコメントを追っていらっしゃいました。
ちなみに”チェルゲー”とはハンガリーの伝統の踊りで使われるタンバリンに似た楽器のことなのだそうです。筆者はバルトークをあまり聴きこんでいなかったのですが、この曲のかっこよさにハッとしました。筆者にはダンスや伝統文化を想像させるものというより、宇宙のイメージが浮かびました。いつも通り、バルトークが伝えたかったことと全く違ったりして?(笑)今度はバルトークについて調べなくては!
そしてチャットのアンコールの声に応えて、11曲目となる「献呈」を。この日の演奏がとても素敵で、筆者もリスナーの方たちの流れに乗って最後にチャットでお礼を書こうと準備していたところ、驚きで手が止まりました。一段と優しさと温かさが増したような演奏にグッときました。いや、今もリピートする度「グッ」を楽しんでいます。
演奏の感想はざっくりという予定が、筆者もアンコールで(?)この2曲については書いてしまいました!
人気投票第1位のモーツァルト
インスタライブ後は、人気投票により第1位になった曲をYouTubeに公開するというリモートコンサート企画で、「宅配便」が次々に「配送」されています。このモーツァルトのピアノ・ソナタは、見事ショパンを抑えて第1位!ちなみにこの企画は5月19日現在、Vol.5が発表間近?というところまで来ています!
そのときの投票結果。クリックすると三勇士さんのTwitterに飛びます。
動画リンク集
今回は11曲連続で、プレイリスト(?)かのように音源のリンクを貼ってみます。主に前述のリモートコンサートなどがある三勇士さんのYouTubeチャンネルや、昨年のステイホーム期間中にスタートした三勇士さんのnote記事からお借りしてきました。note記事では三勇士さんの作品説明が入っているのが嬉しいですね。
【1曲目】バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第1番 ハ長調 プレリュード
さっそくテーマが違う記事ではありますが、noteがコロナ禍から始まったということで、あえて記事ごとリンクします。
【2曲目】ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第8番 「悲愴」 第2楽章
昨年の緊急事態宣言1回目のときに三勇士さんが投稿された、コロナ禍に対する素敵なnote記事があるので、あえてそちらの中から宝探しのように見つけていただこうと思います!ヒントはSteinway & Sons Tokyoでのコンサート映像の真ん中です。ほぼ答えを言っています(笑)
【3曲目】ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第14番 「月光」 第1楽章
惜しいことに第3楽章だとあったのですが、第1楽章はiTunes Storeからリンクしてみました。(Spotifyを使っている方が多そうな気はしていますが、サムネイルが大きすぎてついAppleを使ってしまいます…)
【4曲目】ドビュッシー:ベルガマスク組曲「月の光」
【5曲目】ショパン:夜想曲 第20番 嬰ハ短調「遺作」
【6曲目】バッハ:インヴェンション第1番 ハ長調
【7曲目】シューマン:子供の情景 「トロイメライ」
YouTubeやnoteになかったので、らららクラブ公式から昨年8月のコンサートより。
【8曲目】リスト:コンソレーション 第3番 「慰め」
【9曲目】バルトーク:「チェルゲーの踊り」
【10曲目】モーツァルト:ピアノソナタ ハ長調 K330より 第1楽章
【アンコール】シューマン=リスト:「献呈」
最後に
緊急事態宣言は延長され、その範囲は徐々に広がり、なかなか行動範囲を広げられない状態が続きますね。そんなときこそ心を癒し、明るい気持ちやエネルギーを与えてくれる音楽はとてもありがたいものです。またそれをステイホームしながらでも楽しめるように、三勇士さんをはじめたくさんのアーティストやスタッフさんが、その時々に合ったたくさんの企画を発信してくださっています。
たとえコンサートが予定通り開催されていたとしても、そもそもアクセスできない場所である場合は多いですよね。生演奏は叶わないとはいえ、思いがけず向こうからお手頃価格もしくは無料で家までやってくるという、なんともラッキーなことです。これでは家から出られませんね!ステイホームも悪くないと思えますが、無料でこんなに提供していただいて良いものかと申し訳ないような気持ちにもなります。もちろんとびきり嬉しいのですが!世の中が落ち着いたら、どんどんコンサートに行ってこのご恩をお返ししなくては!
そして昨年からホールでのコンサートも含めて、三勇士さんが発信するものには毎回、最前線で私たちを守ってくれている医療従事者の方々への感謝のメッセージが込められています。メッセージを送ることも素晴らしいですが、“送り続ける”というのはなかなかできることではないですね。
そしてインスタライブの中で発表されていましたが、今後noteの有料コンテンツによる医療従事者へのチャリティー企画を準備中とのこと。密かにnoteの有料コンテンツはいつか来るかなと予想をしていたのですが、チャリティーとは!筆者の予想を越えてきました。三勇士さんのお人柄がよくわかりますね。
ちなみに、今後さらにコロナ禍特別企画が増えるかもしれない(?)三勇士さんの所属事務所の「アーティスト・サポート」のリンクも貼っておきます。インスタライブで紹介もありましたが、クラウドファンディングのリターンに近いようなギフトがいただけます♪
クラシック音楽は好奇心をそそられることが次々に出てきて、その長い歴史と奥深さを感じます。相変わらず記事が長くなりがちなため、短く簡潔に書くコツを試行錯誤しております。三勇士さんの文章も簡潔でわかりやすいのでとても読みやすいですし、noteクリエイターのみなさん、凄いです・・・。
最後の最後に、もしこの記事のトップ画像がとある企業のブランドロゴを意識しすぎてまずいだろうという場合は、どなたかぜひお知らせください(笑)
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