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祈る、ただ祈る【海に眠るダイヤモンド感想】
日曜劇場の感想置き場みたいになってきた。
毎回面白すぎるんだよな。
現代パートから始まる
会社の役員会議的な場でレオを紹介するいづみさん。
まさかの第二秘書兼次期社長候補に。
なぜかと問われるとあなた達(子供たち)がついでもどうせ潰れるからとキッパリ!
そんな正面で言っちゃうの!?と思ったが、子供たちはまったく真に受けていないぽかった。
レオの紹介の時、フランクな口調を注意しているのを見るといづみさんのこの行動はレオの為でもあるのかな。
そしてレオ=いづみさんの孫説が浮上。
視聴者も予想してた人多そう。一話のリナが抱いていた赤ちゃん説もありそう。
いづみさんには20年前に亡くなった夫がいて、もしかしたらして以前に関係を持った男性との孫かも…とそれは鉄平なのか、はたまた全然関係ないのか。
レオの両親についても明らかに。
母親は蒸発、父親はまったく知らない。
前回のムカつく発言から察せられるところもあったが、家庭環境は厳しかったようだ。
秘書さんから教えてもらった鉄平のノートを盗み見るレオ。
いづみさんに見つかった時、てっきり怒られると思ったがけど精霊船の読み方について教えてあげたり、もう少し前から読んでみなさいと言ってあげたり。
やはりそれは鉄平とレオに何かしらの繋がりがあるからなのかな。
端島パート
鉄平と賢将の恋バナ。
朝子が可愛く見えると賢将に話す鉄平。
いやもう両片思いじゃん!朝子も鉄平のこと好きなんだって!鈍感!
賢将も朝子の想いには気づいているが、教えてやらねーというプライドが…
「幸せ者」本当だよ鉄平!
浦上天主堂。
二話での百合子の「浦上にもピカは落ちたんだよ」というセリフを覚えていると、百合子の母親と百合子姉妹の会話がとても切ない。これは後にも繋がってくるのでまた後書く。
語られる百合子と朝子の確執。
あの時の朝子の言葉が、百合子の運命をまるっきり変えてしまったのかもしれない。
そしてそのことを朝子だけが知らない。言えない。朝子のことを想って。みんなが口をつぐむ。
百合子のあの態度はただ朝子が嫌いなんじゃなくて、朝子を憎み切れない百合子の優しさでもあったんだね。
もちろん、実際に朝子のせいではない。あの場の誰もが、長崎があんなことになるなんて全く思ってもみなかった。
そのことを分かって百合子も朝子を責めなかったんだろうし。それでも、やり場のない怒りは朝子に向けるしかなかった。
あの子が幸せだとムカつく。それはもう、誰もどうしようもできないことだ。
リナの秘密を進平が見てしまう。
大量のお金に拳銃。いったいリナは何者?
先週変わっていた炭鉱長。彼の子供は誰も戦争で死んでいない。
それでも何か後ろ暗いものを抱えているように見える。彼は何を考えているのだろう。
戦争の残した禍根。
荒木家では空襲で姉二人が、戦地で兄が亡くなっている。あの時手放さなければ、あの時止めていれば。
尽きない後悔。
時が止まった兄姉と、生きてる鉄平。もうとうに彼らの年齢を越していた。
百合子の母親が遂に亡くなってしまう。原爆の後遺症による白血病。
百合子は賢将に語る。
ようやく解放された。悲しくないんだ。
お姉ちゃんは一等よかった。あの場で死ねたから。苦しまなくて済んだから。
母親は後遺症を患い、子の死と放射線に取り憑かれ、苦しみ抜いて死んだ。
百合子は小さい頃から信じていた神への懐疑、原爆で引き裂かれた家族の幸せ、段々と死んでいく母の姿に苦しんだ。
火葬の煙を見た朝子が鉄平に誰かが死んだのかと聞く。鉄平は真実を言えない。
百合子を嫌いだと思ってしまう自分が嫌いだと語る朝子。
百合子の態度は事情があるとはいえ朝子が嫌になるのもしょうがないことなのに。二人とも優しすぎる…
こんな優しい子に事実は言えないよな。言ったらきっと自分を責めてしまう。
だから百合子は憎くても絶対言わない。
和尚の元を訪れる百合子。
行き場のない怒り、苦しみ。
キリスト教では辛いことは神からの試練とされる。
長崎原爆の犠牲者は七万人、内キリスト教徒は八千人。他の人たちはおまけだったの?
原爆を落とした人もキリスト教徒で、神の加護をと出撃した。
ここ本当に百合子の苦しみが伝わってきて辛かった。
神は見守ってくれる。でも母も姉も死んだ。神を信じて死んだ。誰も殺していないのに。何の罪もなかったのに。
神様も仏様も何もしてくれない。何かをするのは全て人間。そして戦争の罪は大人にあると諭す和尚。
お母さんもお姉ちゃんも死んだのは決して朝子でも百合子でも果ては神のせいでもなく、戦争を起こした人間、大人の罪だ。
百合子と和尚の会話を聞いて、息子を戦場に送り出した後悔を語る一平。
あの頃は国民はみんな戦争がいいことだと信じていた。
戦争カルタをする鉄平と進平が映される。それが日常の風景で、母親も微笑ましそうにそれを見守っている。
しかし結局戦争には負け、いいことどころか多くの人を傷つけて狂わせた。
一平はそれに気づけなかった。だからこそ鉄平には賢くなって上に立ってほしい。自分のような間違いは犯さないで欲しい。一平が鉄平を大学に行かせ、端島に残ることを拒絶するのは彼なりの子供を思う気持ちからだった。
そんな一平を和尚は諭す。
元気でそばにいるんだから。
鉄平は生きている。兄姉の年齢をずっと越すほどに。
子と向き合うことはいつでも誰でも難しいことだ。
それでもやっぱり、生きている子供には向き合わなくちゃ。
それにしても和尚、メンタリストすぎる。
百合子がもう無いペンダントをいじる仕草を見て、百合子の捨てたペンダントを彼女に渡す。
あの嵐の中、百合子の手に戻ってきたことはまさに奇跡だ。
それを受け取り堰を切ったように泣き出す百合子。
百合子は純粋に神を信じることはもうできない。でも、キリスト教の教えは母がくれた愛で姉との繋がりなんだよね。
死ぬ前に百合子に神は貴方を守ってくれると伝える母親に、悪い娘でごめんと返す百合子。
神を信じられなくなった百合子をそれでも愛しているから死ぬ前に祝福を伝えたかったのかな。
あのペンダントはきっと信仰の印ではなく、母からの愛のお守りとして百合子を守るものになるのだろう。
百合子の泣き顔を隠すために彼女の正面に立つ賢将。本当にいいやつすぎるよお前は!!
戦争で家族を失わなかった賢将が、戦争で散々家族を奪われた百合子に寄り添う。
素敵なシーンだと思う。
精霊流しの日。
和尚の説教を聞いて吹っ切れた百合子が朝子を盆踊りに誘う。
貴方に許されたいの。貴方が許さなくても、私は許すわ。
百合子の感じた苦しみは、朝子の罪ではない。
戦争は市民にとっては漠然としすぎていて、責任の所在が明確にどこかにあるわけではない。
家族も自分の将来も潰されて煮えるようなこの思いは、誰が引き受けてくれるでもない。
でももう憎むのは辞めようと、そういう百合子の決心がこの四話を通して丁寧に描かれていたと思う。
百合子はペンダントが見つかった奇跡を朝子に神様の?と問われて奇跡は人が起こすものと答える。
きっとペンダントが見つかったのは百合子の家族との絆が起こした奇跡なんじゃないかと思った。
死んだ人は帰ってこない。残された人々は祈るしかない。死者のために。
生者の祈りを乗せて精霊船は流れていく。
リナは進平にこの祭りを最後に端島を去ろうと思っていることを仄めかす。
その晩、進平がリナを集まりに誘う。
昔からの遊び。進平は手に入れたとうもろこしをリナに手渡し、取ったお供物は来年返さなければいけないという約束事を伝える。
来年も一緒にいようという遠回しのメッセージ。
まじで進平にいちゃんイケメンすぎる!!
しかしリナが遂にヤクザに見つかったぽい。
おいおいどうなっちゃうんだ。
ラスト、また現代パートに戻る。
鉄平の日記を食い入るように見つめるレオ。
最後まで読んだのかな?
いづみさんとレオが盆踊りを踊っているのを見て、本当のおばあちゃんと孫みたいと呟く星也。
二人の本当の関係は如何に?
あとがき
今週百合子と朝子が仲直りしてよかった〜と思ったら次回予告崩れる絆て。
3000字も書いてました。これ最終回には10000字超えるかも
このようなまとまりのない長文、もし読んでらっしゃる方がいましたら本当にありがとうございます。