【虎に翼】第15週(ネタバレあり)7月8〜12日感想
おはようございます。
『虎に翼』、今週も面白かったな〜。
忘れないうちに感想を書こう書こうと思っていたんだけど、なかなか考えがまとまらなくて、そんなことしているうちにまた次の日の虎に翼が始まっちゃって、っていうのを何日か繰り返していたらあっという間に1週間が経ってしまいました。
今週、第15週の『虎に翼』では、序盤で寅子が一人で空回りしている感を出しつつ、中盤で自分の置かれている状況に初めて気づき、終盤では皆との和解を試みる、という構成でした。
序盤、寅子が空回りしているあたりの話は、どうにも心がざわざわしてしまって、見ているのがしんどかったです。本人がまったく無自覚なのがまた……。
花江ちゃんが画面に映るたびに、つらい気持ちやこみ上げる怒り、なんとも言い出せないモヤモヤとした気持ちなど、さまざまな感情が私の中にも渦巻いて、寅子のことが嫌いになりそうでした。
アメリカ帰りの寅子が多少浮かれてしまうのは仕方がないことかもしれない(寅子の性格を考えたら尚更)。
だけど花江ちゃんや子どもたちに買ってきたお土産を見た瞬間、うへーってなってしまった。皆んなが皆んな、自分と同じだと思うなよ、と。寅子はもっと、人の気持ちが考えられる優しい娘だったはずなのに、と。
その後、家族の意見も聞く前に勝手に取材の話を決めてきてしまった寅子。
「ここは私の家なんだからいいでしょ」って感じがして嫌だった。
周りの皆んなが困惑しているのに、そんなのお構いなしで
「このままでいいのよ」
なんて無神経なことを言えてしまう寅子が嫌だった。
寅子はそれで良くても、皆んなはそうはいかないのに。
「このままでいいのよ(いつも通りでいいのよ)」と言っていたはずの寅子が、取材時には普段手伝いもしない家事を「いつもやってる」風にしていたことも嫌だった。しかも片付けもせずに散らかしっぱなしで放置してある残骸を見たときには本当に寅子が嫌なヤツに見えた。
福田夫妻の離婚調停での寅子も嫌だった。
もちろん悪いのは不貞行為をした福田瞳なんだけど、しかも勝手に女の味方をしてもらえると勘違いしたあたりもひどいんだけど。
でも、瞳に対して「もう少し相手の立場になって……」みたいな話をしている寅子は、他人のことはそういう正論が言えるのに、自分のことはまったく見えていないんだなと思った。
女学生たちと竹もとで話しているときの寅子も嫌だった。
アメリカの視察での出来事を話すのはいいとして、その話し方はまるで寅子と女学生たちの間には大きな壁があって、乗り越えられるはずもないような言い方だった、ように聞こえた。この子たちと「共に頑張ろう」という気持ちは微塵もないんだなと思った。
しかも女学生から見たら、寅子の存在は目指している場所の人(憧れ)ではなかったのだから余計におかしな空気が漂った。
ここまでは、寅子が本当に嫌だった。
なんだろう、本人の悪気の無さが余計に気持ち悪くて、絶対に友だちにはなりたくないタイプの無神経な人だった。
のに、花江ちゃんにブチ切れられて以降の寅子は本当に可哀想な人に見えた。(それにしても花江ちゃんはなんて出来た人間なんだ。)
突然、今まで自分が見ていたものが全部ひっくり返ったような感覚は如何ばかりだっただろう。相手のためにと良かれと思ってやってきたこと、親切のつもりで言っていた言葉が、まさか全部そうではなかったなんて。皆んなに気を遣わせてしまうような立場になってしまっていたなんて。よく見ていたつもりが何も見えていなかったなんて。
先週、穂高先生に「君もいつか古くなる」と言われていたけれど、こんなにも早くその時がやってくるなんて思いもしなかった。
「現状に甘んじず、常に自分のことに疑問を持ち続けなさいよ」と言われてたじゃないか。この状況を穂高先生が見たらなんて言うだろう。
そんな中、それでも優未のことは新潟へ連れて行くなんて言い出すから、もうなんか、「信じられない」という感想しか出てこなかった。ぽかーんとしてしまって。だって親子2人だけで新潟へ行ったら、寅子が仕事しているあいだ優未はどうしたって一人ぼっちになるんでしょ?あり得ない。あり得ないあり得ない。
ただでさえ知らない土地に引っ越して、知り合いも1人もいないような状況で、優未に寂しい思いをさせないわけがない。前作の『ブギウギ』のスズ子のように家政婦さんでも雇うつもりなのかな。スズ子のところの大野さんみたいな、優しいおばあちゃんみたいな人ならまだいいけど、そうでなかったら地獄だよなあとか思ったり。
「お母さん頑張るから」なんて、そんな簡単な言葉でどうにかなるような事柄ではないだろうに……。
とにかく優未があまりに物分かりよく「はい」なんて返事するから余計に心配になっちゃって。返事したあとの意味深な表情も私にはどっちなのか読み取れなかった。優未、まだ寅子に本心なんて言えてないよね?家族会議で皆んなが次々と寅子に不満を述べているときも、優未は黙っていたものね。(直明が「お姉ちゃんがもう僕に関心を持ってくれなくて寂しい!」って言ったのは、優未にも自分の素直な気持ちを言わせるための振りなのかな?と思ったけどそうではなく直明の本心だったのね。)
寅子の壮行会では、ヒャンちゃんとやっときちんと話ができた。その点だけは良かったなと思ってる。
あとは今週は小橋がめちゃくちゃ好きになった週だったなあ。
すっかり寅子と出会った当初の嫌な感じの小橋ではなくなって。(まあ何年もの時が経って大人になった部分もあるのだろうけど)
福田瞳に刺されそうになった寅子を心配したり、皆んなに愛されてる寅子を見て「うらやましい」って思わず言えちゃうくらいに、職場の人間関係は良好なんだなと思ったし、それに応える多岐川さんや同僚たちの姿も良かった。
来週、やっぱり心配なのは優未ちゃん。
寅子と2人きりで大丈夫なんだろうか。
これ以上優未につらい思いをさせないでほしい。
ただそれだけ。