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「西園寺さんは家事をしない」から見る他人との子育てシェア

ドラマをなかなかリアタイで観ることができない。
しかし、今期楽しみに観ているドラマがある。
「西園寺さんは家事をしない」だ。


大好きなこのドラマ。
書きたいことは山のようにあるが、今回はこのドラマから「他人との子育てシェアするメリット」を考えていきたい。

子育ては大変だ。
とにかく自分の思い通りにならない。

保育園に行く時間や寝る時間など、子どものためを思って作ったタイムスケジュールがあるのに子どもは守ろうとしない。
自分のやりたいことを最優先する。
すぐ汚す。すぐ泣く。すぐ怒る。

このドラマには、楠見というシングルファザーと4歳の女の子ルカちゃんの家族を手助けしたいという気持ちから、会社の同僚である独身の西園寺さんが「偽家族になろう」と提案する。

このドラマを観て感じること。
西園寺さん、うちにも来て〜!!
他人(偽家族)だからこそできる子育てを西園寺さんはしてくれるのだ。

一家に一人いて欲しい、西園寺さん!

西園寺さんは「提案」してくれる

子どもがいうことを聞かない時、親の皆さんはどうやって子どもに接しているだろうか。
私は徐々に声を大きくしていき、最終的に「早くやりなさいっ」と怒鳴っている。
結局ほぼほぼ怒鳴っていて素がこの声だったのではないかと思うことすらある。

しかし、西園寺さんは違う。「提案」してくれるのだ。
例えば第10話で、海水浴に行く日に台風が直撃した時、ルカちゃんは「海水浴行く!」と言って聞かない。
そんな時、西園寺さんがセンペイさんに扮してどこからともなく現れ、部屋をぐるぐる回る。
ルカちゃんは「センペイさん捕まえる〜!」と笑顔で室内遊びに入っていく。
これは言語で伝えてはいないものの「海水浴は難しいから、家の中で遊ぼうよ」という西園寺さんからの提案だ。その提案にルカちゃんが乗ってくれたのである。
親子の関係性では、近くなりすぎて子どもは親がコントロールできると思い込んでしまう。
しかし、西園寺さんのように「提案」することで子どもはご機嫌のまま大人がしてほしい行動をしてくれると西園寺さんは教えてくれている。

西園寺さんはとにかく「可愛い」といってくれる

西園寺さんはいつも新鮮にルカちゃんを可愛いという。
この「可愛い」は、親にとって「可愛い」以上のメッセージとなっている。

親はいつも、子どもが迷惑をかけないか心配だ。
子どもの言動に必要以上に責任を感じて生きている。
「可愛い」という言葉に対し、親は「この子に対してプラスの感情を持っている」「私はこの子を迷惑だと思っていない」というメッセージを受け取る。
だから「可愛い」といってもらえると安心するのだ。

また、別の意味でも、「可愛い」は嬉しい。
自分の子どもは、当たり前に可愛い。けれども日常の中にいるとその感情をしみじみと感じることが少なくなってしまう。
だから他者に言われると、思い出せるのだ。
自分の子どもがいかに可愛いか。自分が子どもをいかに愛おしいと思っているか。

西園寺さんは全力で楽しんでくれる

子育ての大変なところ、その1つに、家事、子育ての両立が挙げられる。
限られた時間の中、料理、洗濯、掃除をする。
その途中で「ママ〜!」と寄ってくる子どもに対応する。
これが結構難しい。
結局、全ての家事が半端な状態で母のモヤモヤが溜まるのだ。

西園寺さんは「したくないことをしないことをしたい」がモットーだ。
そのため、西園寺さんは家事(したくない)をしない。
だからなのか、ルカちゃんとの時間に全力で向き合ってくれる。
「今家事やっちゃわないといけないのにな〜」というモヤモヤを抱えることなく、子どもに全力で向き合っているのだ。

偽家族になる前の西園寺さんは家事ゼロ生活を実現していた。
掃除はルンバに、洗濯は乾燥まで全自動、ご飯は惣菜だ。
偽家族となってからは料理とそれに付随する片付けは楠見くんが行ってくれている。
「親に家事まで行わせるのか」と思われるかもしれないが、子どもを見てもらって家事に専念できるというのは、親にとって嬉しい時間だ。

他人との子育てシェアがもっと広まってほしい

偽家族になる前の楠見くんで、印象的なシーンがある。
楠見宅に洗濯機がないため、夜中に寝ているルカちゃんを抱っこ紐で抱っこし、コインランドリーに行っていたシーンだ。
西園寺さん目線で客観的に見ると「何無茶なことをしてるの?!」と思う。
けど、私も楠見くんだったら同じことしてたと思う。
他人の力を借りずにやるにはこれしか方法がないし、当事者になると決して無茶だと思わないからだ。しかも若さゆえなのか、できてしまうのだ。

親としては、子どもの面倒を一緒にしてもらうなんて…と思う。
実際に、偽家族になる前の楠見くんも「西園寺さんにそこまで迷惑はかけられません」といつも言っていた。

しかし、果たして本当にそうなのだろうか。
他人は親ではない。子どもが多少言うことを聞かなくても、正直「子どもらしくて可愛いな」くらいしか思わない。実際保育園で他の子どもを見るとそう思う。

このドラマのように偽家族まではできないかもしれない。
しかし、数時間預かり合う、お迎えだけお願いするような関係性がもっと広がると子育ての負担って、大きく減るように思う。
子育てシェアが広まって、子どもが育てやすい日本になりますように。

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