長いながい糸
私の五体には
南の島の豊かな自然と、喧騒の摩天楼が共存している。
穏やかな潮の香りと、通り過ぎるメトロの轟音
平原を走る馬の背で触れた風と、雨を反射する通りの光
それと少しの、貴方の言葉。
それら全てが 貴方を惑わせてしまうでしょうか
分かりやすい人が お好きなのでしょうが
生憎 私は、ゼロで生まれた時から
笑えるくらいややこしい。
貴方が名前を呼んでくれる
その 唯一の欠点は
貴方と私が 遠く離れた存在だと
分かってしまうことです。
自分を美しいと 逞しいと
疑いなく歌う事は 得意だったのに
貴方を美しいと 愛おしいと
迷いなく 歌う事が出来ない
貴方には、
異邦の言葉に聞こえる気がして
勇気が裏目に出る気がして
それでも、
それでも歌うので、高らかに、穏やかに、
四肢を広げて、心を広げて。
褒めて欲しい訳ではなくて、
私は貴方に、届いて欲しいのです。
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