見出し画像

意見をつなぐ学び合いの価値

こんにちは
「意見をつなぐ学び合いセミナー」の取材を教育新聞社から8月21日午後受けました。
セミナーを受講者として参加してくださり、核心をついた記事になっています。
お時間ありましたら ご覧くださいね。

意見をつなぐ学び合いの授業、どうつくる? 田畑栄一氏がセミナー

 意見をつなぐ学び合いの授業を━━。元埼玉県公立小学校校長で、現在は教育コンサルタントとして全国の学校などで講演や研修活動をしている田畑栄一氏がこのほど、「意見をつなぐ学び合い」をテーマとした授業づくりに関するセミナーを東京都内の会場で行った。田畑氏は「学校教育の根幹は、人生の根っこづくりだ。授業を通して『できるかもしれない』という子どもたちのポジティブな心を育てていきたい」と力を込めた。
 田畑氏は、日本の若者たちの課題について「自己肯定感の低さ」と「コミュニケーション能力」を上げ、「これまでの教員が指示を出し、子どもたちを動かしていた学校教育では自己肯定感は高まらない。『先生の話を聞きなさい』『板書しなさい』という授業では、コミュニケーション能力は育たない」と強調した。
 「学校教育の根幹は、人生の根っこづくり。例えば、子どもが『サッカー選手になりたい』と思っても、『でも、どうせ自分には無理』と思うのではなく、『なれるかもしれない』『できるかもしれない』と思えるマインドを育てていく必要がある』と述べた。
 また、田畑氏が考える「意見をつなぐ学び合い」の授業の理念を▽全員思考の活用を生かす授業▽全員発表を目指す授業▽全員完了を目指す授業━━と話し、「全員発表と言っても、強制ではない。子どもたちには生まれたときから発言権がある。それをきちんと説明した上で、発表したくなったら発表してもらう。発言権の平等性・公平性と、相互承認・心理的安全性を大事にしている」と説明した。
 加えて、たくさんいる子どもの意見を整理する方法について、「子どもの思考を整理・グルーピングして、考えやすくすることが大事だ」と強調。似ている意見は「=」、反対意見は「⇔」などのマークを使いながら、みんなの意見をつなげてメモを書いていく方法を指南。「これができるようになると、子どもたちの思考力が高まり、学力も高まる」と話した。
 後半は、参加者が児童役となって、教材「海の命」(立松和平)を使った国語の模擬授業が行われた。「中心人物がガラッと変わった場面」について、それぞれが挙手し、自分の考えを示した上で、田畑氏は「自分とは違う場面だと考えた人は、なぜその場面だと考えたのか?」を発表するように促した。
 田畑氏は意見をつないでいく中で、発表した人と同じ意見をいうことも大事にしており、「同じ意見を繰り返してくれることで、最初に意見を言った子は嬉しい気持ちになる。誰かが自分の意見を肯定してくれることで、嬉しくなる。それを積み重ねたい」と説明した。
 模擬授業の最後に、さまざまな意見を聞いた上で、もう一度「中心人物がガラッと変わった場面」はどこなのかを問うたところ、最初とは違う場面を答えた人もいた。「教室の中で、こうして友達の意見や考えを聞いて、考えが変わったということを大事にしたい」と田畑氏。「何かヒントを持ち帰って、それぞれの教室でやってみてもらえると嬉しい」と締めくくった。
 参加者からは「本質的な学びについて学べた」「普段の授業では、教師が答えを持っていて、どうしてもそちらにもっていこうとしてしまう。そうではなく、こんな授業ができたらいいなと思った」といった感想が上がっていた。
 田畑氏は「子どもたちからはいろいろな意見が出ているのに、一つの方向にもっていこうとしたり、価値観を入れ込もうとしたりすることは、いじめが起きる原因にもなる。フラットな関係性を教室の中につくって、自由に発言できるようにしていけたらいい」とアドバイスを送っていた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?