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『卒業』
来週はついに入試本番。
私の担当する中でも、
特に気にかけている生徒の授業数が、
残すところ、あと2回“しか”ないことに気付いた。
過去に担当してきた中で、
1番思い入れがあるのは、この生徒だと思う。
期間は短かったけれど、1番成績が伸びたと思うし、
なにより、本人の勉強に対する気持ちが
成長したと感じている。
この生徒とのエピソードを振り返ると、
小さなことからいろいろなことがあったなぁ、
としみじみ感じる。
まず、私が休職後、塾に行ったときに、
「先生の授業だ!やった!」
って言ってくれたことが、今でも記憶に残っている。
嬉しかったのはもちろんだが、
たまにしか、関わっていなかった生徒だったから
驚いたのもある。
これは、私にとって活力になったし、
私が「生徒のためになにかしたい」
と思ったきっかけでもあった。
12月から、この生徒の英語の授業を担当した。
はじめは正直、受験期でこれはまずい…というレベルで、
右も左も分からない状態だった。
ただ、この生徒、「向上心」だけはあった。
そう思ったのは、「質問力」があったからだ。
少しでも気になることがあれば、絶対に聞いてくる。
「質問が出る」ということは、「学んでいる証」だし、
「興味がある」から疑問が出てくる。
だからこの生徒なら伸びる、と確信したのだった。
それに応えるように、私も講師として真剣に向き合い、
できる限りの事を尽くした。
参考書を後で見返したときに分かるように説明を書き加えたり…その生徒専用のプリントを作成したり…。
私が向き合ったことで、生徒からも発信があった。
集中力がなく、「自習」が難しかった生徒だったのだが、
勉強の仕方を学び、1人で勉強できるようになったり、
宿題を決めるとき、
「ここまでやってこれます!」と
自分から範囲を増やすようになったり、
そうやって日々、成長していたのを感じていた。
毎回の授業で、濃い時間を過ごしたからこそ、
いざ、送り出す時期になると寂しくなってくる。
そう思えるのって、講師として、
その生徒に全力を尽くしたからだと思う。
でも本音をいうと、
夏期講習から担当したかったし、
夏からみていたら、
もっと伸びたに違いないと思っている。
ということで、これから授業にいってきます。
今日の授業を終えたら、ラスト1回です。