【みちらん40】熊野古道アナザーロード ~赤木越~
熊野古道は熊野本宮大社へ向かう参詣路。元来修験者が歩いた修行の険しい道でしたが、平安から鎌倉時代に歴代上皇が参詣して以降、江戸時代には熊野詣がブームとなり庶民も歩くようになって、現代では世界遺産の道になっています。
ちなみに、道が世界遺産に登録されることは世界的にも珍しく、「紀伊山地の霊場と参詣道」以外に、「サンチャゴ・デ・コンポステーラ巡礼路(スペイン/フランス)」しかないそうです。
その一つ中辺路は、和歌山県田辺市~熊野本宮大社~熊野速玉大社の約21里の「ゴールデンルート」ともいえる道です。その中辺路と船玉大社で分かれ、湯の峰温泉経由で熊野本宮大社へ向かう道が赤木越です。
赤木越は一部急な区間もあるものの、概ね歩きやすい緩やかな坂道です(そのツケはその先の大日越でタップリ払うことになりますが)。
途中、手入れの行き届いた杉林を落ち葉のクッションも心地よく歩くことが出来ます。ただ雨天の時は滑りやすいので注意が必要です。
尾根道ということあって、途中の見晴らしから展望できる熊野の山並みの景色は、思わずカメラに収めたくなります。
湯の峰温泉にあるつぼ湯は日本最古の共同浴場と言われ、熊野詣の湯垢離場として世界遺産に登録されています。貸切で利用できる(←順番待ち)小さな露天風呂といった佇まいですが、人によっては熱く感じるかもしれません。
湯の峰温泉から熊野本宮大社までは険しい大日越が待っていますが、もし不安な方は並行する道路に路線バスが走っているので利用するのもよいと思います。
和歌山県田辺市
距離:8km 船玉神社~湯の峰温泉(~熊野本宮大社)
[星の数] ★★(遠回りしてでも訪れる価値のある、道歩きが好きな人向けのみち)
【今回のお弁当】めはりずし