しくじり社長の旅館奮闘記 Vol.43
倒産寸前を何度も繰り返し、しくじりだらけの人生を少しでも教訓として役立てられたらと思いまして、私が学んだことを配信していきます。皆様のお役に立てたら幸いです!
【人的資本経営】
最近、人的資本経営とか、人本主義などといった言葉を聞くようになりました。すでに大手企業ではこういった経営が具体的に進んでいて、人を財産と捉えて決算書に開示していくということが行なわれています。
私もこういった人を中心に捉えて経営をしたいと思い、この言葉を調べてみましたら、意外なことに投資家から出てきた言葉だったのです。
今の時代、大量生産の時代から少量多品種生産になり、ハードを作るよりもソフトを作る時代に変わりました。そうなると、何が重要になるかというと、知恵とか創造性とかになるわけです。そういった中で、投資家がどういう会社に今後投資したらいいかという判断をする指標が決算書にはないわけです。決算書で開示されている情報は、人モノ金のうち、モノと金だけです。人という要素は記されていません。それを決算書に開示しましょうというのが、もともとの始まりなのです。
マネージメントゲームという経営の研修があるのですが、弊社では毎年新入社員からやってもらっています。この研修で大事になるのが、次期繰越なのです。次期繰越をどれだけ人より多く作っておくかといったことが競争優位を作り出すという原点になるのですが、このゲームにおいても、人に関する次期繰越がないのです。しいてあげるなら教育というチップがあり、教育チップを繰り越すことと社員の人数くらいです。
私は研修としてこのゲームを取り入れていながら、社員の質や会社のまとまり、文化などを次期繰越として表せていないので、このゲームでも表せたらいいなと思っていました。
そんな中、人的資本経営という考え方を知ったので、これは自社でもやるしかない!と思い、今期から決算書に開示することにしました。
まだこれからではありますが、ここは自分でオリジナルな指標を作ればいいと思っています。そんな中で一つ興味ある指標がありました。
それは「後継者準備率」です。
次の後継者をどこまで準備しているかという指標でした。これが100%だと、そのポジションの後継者は1人用意できている状態で、200%なら2人用意できているというものです。
この準備率で200%を超えている企業があることに驚きを感じましたが、これからサステナブル、持続可能ということを考えていくと、この後継者準備率はとても重要ではないかと思います。
前回書かせていただきましたが、「経営とは人づくり」だと思っているので、後継者がしっかりと育っていない状態では、経営をしていないのと一緒で、経営者が経営者の仕事をさぼっていることになります。
私の会社では、そもそもまず、私の後継を作っていません。これではダメですね。これに気づかせてもらった以上、ここからはさかえや流の人的資本経営をして、後継者準備率も上げていこうと思います。
「経営者の仕事は後継者を作ること」
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