以前、この記事で、
「インターネットで得られる情報はピンポイントの情報が多い。いわば点の情報なので、時系列をたどって読みたい時、より広いコンテクストの中で読みたい時は、書籍や雑誌などに頼るのがよい」という趣旨のことを書きました。
もう一つ、インターネットで検索していて気になることがあります。それは「情報の粒度」。
どういう意味でこの言葉を使っているかというと、
「詳しすぎたり、おおざっぱすぎたりしていないか?」ということです。
すなわち、全体像を見ると些細に思えることに紙幅が割かれていたり、逆により重要性の高いものにあまり説明がなかったり、ということがあるのです。Wikipediaをいくつかお読みになれば、詳しさのレベルに違いがあることにお気づきいただけるかと思います。
それでは、こういう点を補うために何をするか。
私が通訳学校の受講生だった時代には、「イミダス」などの項目を読み、覚えるように指導されていました。
こういう書籍は、まったく知らない分野の知識を身に着ける上で有用でした。「このくらいのレベルの知識があれば、社会人として会話についていける」という基準が示されていたように思うのです。時事的な話題もカバーされていましたしね。
インターネットではどうでしょうか?「専門家によるキュレーション」というのもかなり行われるようになってきましたが、まだ書籍や雑誌の、「これを読めばこのレベルの情報を身につけられる」というレベルにまでは到達していないのではないかと思います。情報の詳しさのレベルを揃えることも、雑誌や書籍の編集者の大事な仕事の一つだったのでしょう。でも、インターネットでは書き手がより自由に情報発信ができるがゆえに、詳しさのレベルは読者が判断しなければならない、ということなのかもしれません。
なので、インターネット検索をする時は、「情報の粒度」に気をつけるようにしています。