経済活動を心理学で読み解く
溢れる情報に対し、WEBマーケターとして何を視点にすれば、あるいは何を根拠として判断をすれば良いのか?最もわかりやすいものは「数字」であるということは過去の投稿でも紹介しました。
ところがその数字は「過去のもの」であるということには注意が必要です。これから起こりうることが、全て「過去」をもとに判断されていいものか?大事な要素であることに変わりはありませんが、それは良い判断であろうはずはありません。それでは「数字」の代わりとなりうる要素とは何か。
それは「人間の心理」です。「ある状況になれば、人はこのような行動をとる」という仮説が成り立つならば、その「ある状況」を意図的に作り出せば良いわけです。
例えば、人には「現状維持」を選択する傾向があると言われます。サブスクが一般化しているのでイメージしやすいかと思います。登録したにもかかわらず、ほとんど利用していない。でも「いつか使うかもしれないから」と解約をせずに1年・・・。なんてことも多いはずです。そう、人は失うことに対する耐性が乏しいのです。
ネットでの割引セールも同様です。「先着○○名」「数量限定」「残りわずか」という言葉を見るなり、クリックを押してしまう。そんな経験はありませんか?
このように、人間というのは傾向が想像以上にはっきりしています。これも結局は「数字」の話ではないかと思われるかもしれませんが、漠然とした数字を見ていては気づかないものです。厳密には「人間の行動心理を数値化する」ことに大きなヒントがあるということになります。そして、もし経済活動の活性化を狙う市場があるのならば、人間心理の傾向が明確に出ているシチュエーションに購買装置を投じれば良いということになります。
このことはかえって我々の生活を見直すことにも繋がるかもしれません。あまりにも「物に縛られすぎている」ということが言えるのです。固定観念を切り捨てることは難しいとは言いながらも、切り捨てられないから苦しんでいることもあるかもしれないということです。
人生で本当に必要なものは何なのか。
豊な人生とは何なのか。
数字と向き合いながらの生活の中で、人間にしか許されない「考える」という贅沢を「行動経済学」を通して考えてみました。