レストランテック×サブスク×カスタマーサクセス【RT_Meetup#5 イベントレポ】
発足以来、「飲食業界のテクノロジーに特化した情報交換、悩みや問題の共有の場」を提供し、新たな価値観やソリューションを提唱するレストランテックについて、その可能性を探ってきたコミュニティ「RT_Meetup」。
今回は、その第5回となるセミナーイベントのレポートをお届けします!
テーマは、レガシー産業への【サブスク×カスタマーサクセス】のお話です!
登壇者プロフィール
HiCustomer株式会社
カスタマーサクセスマネージャー 高橋 歩(たかはし あゆむ)
新卒で入社したソフトバンク・テクノロジーでWeb分析事業の立ち上げ後、楽天にて分析データを使った意思決定やWebサイトの改善活動を先導。その後スタートアップでその知見を多くの企業に広めた。
これまでの事業運営の中でカスタマーサクセスの重要性を痛感し、自身もカスタマーサクセスに取り組みながら複数のスタートアップの支援も行っている。2018年7月よりHiCustomer第1号社員として、カスタマーサクセスマネージャーの方々と日々伴走中。
インサイトコア株式会社
代表取締役社長 竹村 義輝(たけむら よしてる)
ガラケー時代から10年以上に渡り大手外食・小売流通企業を中心に総14,000店舗以上のデジタルマーケティングを支援。その経験に基づく課題感から、一過性に止まらない店舗の本質的な集客課題を解決するためのソリューションとして、店舗向けサブスクアプリプラットフォーム「Insight Core」、サブスクポータルサービス「MONSTER PASS」をローンチ。
外食・小売流通企業の経営層から現場スタッフの皆様まで幅広く連携し、集客を通じた店舗での利益創出に日々とことんコミットしている。
顧客の声を聴く、だけでは不十分
はじめに、HiCustomer株式会社の高橋氏に、カスタマーサクセスを成功に導くポイントについてお話していただきました。
まず大切なのは、顧客のゴールとプロセスを理解すること。
単に「顧客」といっても、サービスの導入担当者と経営陣、そして実際にサービスを使う人では、それぞれ視点が異なるはずです。
関係者の立場を整理してそれぞれのサクセスを理解しておくのが重要だと、高橋氏は言います。
ではそのうえで、顧客に対するアクションはどうように設計すればよいのか。
レストランテックに限らず、継続的なサービスを提供している会社の窓口には、日々多くのお問い合わせが来ていることでしょう。
それらのお問い合わせに真摯に対応していれば、それで十分なのでしょうか?
1件のお問い合わせの後ろには、わざわざお問い合わせをしなかったたくさんの『あきらめ』があるかもしれません。
お問い合わせがないからと安心していたら、予期せぬ突然の解約なんてことも...
顧客の声に耳を傾けるのはもちろん大切ですが、それだけでは不十分です。
顧客の状態を可視化して、適切なタイミングで適切なアプローチをする必要があるということですね。
そしてそれをサポートするCS管理ツールが、「HiCustomer」なのです!
カスタマーサクセスが事業の価値向上のハブになる
カスタマーサクセスの目的は、顧客のゴール達成の支援によるLTVの向上であり、そしてそれによる成果事例の創出は、新規顧客の獲得にも繋がります。
そのためには徹底的に顧客の視点で考え、時には実際に顧客の立場でやってみて、顧客を深く理解することが大切です。
そうやって「お客様」の解像度を上げていってたものを企画や開発にフィードバックしていけば、プロダクトのさらなる改善に活かすことができます。
こうした循環ができれば「カスタマーサクセス自身がプロダクトや事業の価値向上のハブになる」のだと、高橋氏は語りました。
サブスクアプリ×店舗集客
次に、飲食店向けサブスクアプリを提供するインサイトコア株式会社の竹村氏より、デジタルを活用した飲食店のCS支援についてお話しいただきました。
インサイトコアは、まだガラケーの時代の14年前から店舗×デジタルマーケティングの領域に取り組んできたそうです。
飲食店では、長年クーポンの「ばらまき」が行われてきました。
ここからいかに脱却していくかという中で、はなまるうどんなどで展開されていた紙の定期券をスマホに落とし込んだというのが、サブスクアプリを手掛けるようになった背景とのことです。
紙の特典には期限があるため、思うようには継続されないことも少なくありません。
デジタルであれば、継続も更新も柔軟にコントロールできますし、そして何より、その費用対効果を確実に可視化することができます。
飲食店サブスクの特典設計
「サブスク型お得パス」導入によるメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。
・リピート来店の促進
・固定売上による収益の安定化
・印刷コストなどの販促費削減
一方で、単に「サブスク」といってもその特典体系はさまざまです。
顧客のロイヤリティレベルを考慮したターゲティングと商品設計が、成功の鍵になるのだといいます。
実質的な安売りであるサブスク特典は利益を圧迫してしまうのではとも思いがちですが、得をした分でフードなどによりお金をかける顧客も多く、実際の導入店舗でも客単価の低下は目立たないとのこと。
結局のところ、やはりサブスクも集客の手段のひとつでしかなく、まずはお客さんが「また来たい」と思うようなお店であるということが大前提になるのでしょう。
あくまでも「店舗の集客・マーケティング、そしてその先にある利益を追求し、そのための手段としてデジタルを活用する」のだと竹村氏は言います。
決して、テクノロジーの導入自体がゴールではありません。
おわりに
今回、同じ「食」の繋がりということで、帯広の農家の方も参加されていたのですが、イベントの最後で、飲食業が「農業よりもIT化が進んでいない」ことに衝撃を受けたという感想も。
確かにここ数年で、飲食店向けの画期的なソリューションがいくつも登場していますが、それらはまだほとんど市場に浸透してはいないのが実情です。
会社や業種の垣根を超えたこの「RT_Meetup」コミュニティは、これからどういったムーブメントを起こせるのか。
次回のイベントにも期待が高まりますね。
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