れすゼミ11時間目_レストラン×テック(前編)
れすゼミ11時間目初級編の総まとめです!
今回は前後編でお送りいたします。
FLAROを今まで学んできましたが、どのようにすればFLAROの数字をリアルタイムで把握し、実践出来るのかというところまで総括として考えていきたいと思います。
FLAROの復習
これまで学んできた通り、固定費であるR(家賃)から、お客さんが何名来たらいいのかという損益分岐点客数を求め、A(広告費)に掛ける費用を把握し、F(食材費)とL(人件費)をいかに上手く使いながらやっていくか、というのがFLAROの考え方でした。
FLAROの今まで
今までの飲食店は、FLAROのF(食材費)、L(人件費)とR(家賃)である場所が一体となってサービスを提供していました。
出来るだけいい場所で、たくさんお客様を呼ぶことが重要となります。
そうすると、多少家賃が高くても仕方がない、広告費が高くても仕方がない、という考え方になってしまいます。
Paidメディアに広告費を払うことで集客している飲食店も多くあります。
その結果、いかにFLコストを削減するかという考えになります。
FLを下げると「顧客満足度」もなかなか上がらない、従業員の「やりがい」も損ねるなど、負の連鎖が起こってしまいます。
FLAROの未来
では、これからの飲食店はどうなっていくでしょうか。
固定費としてR(家賃)は発生するにせよ、テイクアウトやデリバリーも増加し、お客様がお店に来店しなくても売り上げが上がり、利益が出るという仕組みができました。
飲食店で価値のあるもの、例えばキッチン価値を最大限に利用して利益を生み出すことが出来てきています。
つまりレシピ、調理、シェフという1つの要素を簡略化、仕組み化し活用することで、お客様がお店に来なくても利益が出るということが可能になりました。
コンテンツの活用
このFLAROという考え方も、今後は変わっていくと思います。
レシピをコンテンツ化してnoteで共有したり、調理の動画を作ってYouTubeやインスタライブ、TikTokで公開するようになってきています。
シェフも派遣してケータリングを行ったり、他の会社のシェフに料理を教育してもらったり、シェフの技術(=価値)を最大限に使えるようなマッチングプラットフォームも台頭してきました。
場の切り離しとPF(プラットフォーマー)の登場
R(家賃)についてはワークシェアやキッチンシェア、ゴーストキッチンが新しく台頭してきました。
使ってない時間や場所を有効活用して、飲食店が今まで一体であったF(食材)、L(人件費)、R(家賃)の中で、R(家賃)=「場」の切り離しが起き、様々なPF(プラットフォーマー)が登場してきました。
例えば、Uber Eatsや出前館、PICKSなどのサービスが挙げられます。
「場」の価値拡張
その結果、「場」の価値がより拡張し、前述したコンテンツの活用もとても重要になってきました。
今までの飲食店は、売り上げは客数×客単価と分解して、どのようにお客様を呼んでどのように客単価を上げようか、ということを考えてきたと思います。
しかしワークシェアやキッチンシェア、レシピのコンテンツ化などさまざまなものが出てくると、結局何を追えば良いのか分からず、飲食店の方々は迷われているのではないでしょうか。
飲食店の経営者、店長は、POS(売上)やF(購買)、L(勤怠管理)から、様々な意思決定をリアルタイムでスピード重視で行う必要があります。
例えばサブスクで言うと、MRR(Monthly Recruiting Revenue=月次経常収益)やLTV(Life Time Value=顧客生涯価値)などがあります。
今までの客数×客単価だけではなく、月額の固定の収益をどのように継続して、会員のお客様を離れさせないようにするにはどうすればいいのか、そのような問いを立てて経営していることになると思います。
新しくサブスクをやるだけでも、追うものが変わってくるのです。
結論として、何を追えば良いのかというと、これを追えば良いという答えはないと思います。
大切なのは今の状態であり、リアルタイムで数字を把握出来るかということです。その上でサブスクをやるのか、テイクアウトやデリバリーをやるのか、今このお店で課題は何なのかを特定しなければいけません。
つまり、まずは日次決算をリアルタイムでやっていくことが必要です。
リアルタイムで数字を把握する為には
リアルタイムで日次決算をやるには、人がExcelで作るというのは非効率です。
システムを活用して、数字を早く把握するということが大事になってきます。
こちらはれすゼミ10時間目でお伝えしたシステムの関連図です。
各店舗の予約管理システムと売上【POS】を連携させて、売上データを本社の売上管理や勤怠管理のシステムと連携させます。
例えば、MAツール(Google My Businessなど)からマーケティングデータを把握し、入退社手続きはSmart HR、発注・仕入管理はインフォマートで行う。
さらに給与管理、会計システム、経費精算はfreeeで、それぞれが連携していきます。
このように繋がっていくことで、情報の伝達をリアルタイムで行うことができます。
緑色の枠内にあるこの一つ一つが手入力だったりCSVだったりすると、日次決算の遅れになっていきます。
このシステムデザインをどのように描くかということがとても重要になってくると思います。
黄緑色のこのデータベース(組織マスタ、人事マスタ、取引先マスタ)は、それぞれのシステムにあります。
飲食店では新店のオープンや閉店に伴い人の異動や店舗名が変わると、全てのシステムデータを変えなければいけません。
例えば新しく誰かが入社/退社した際には、人事データベースに入っているデータをそれぞれ変えていく手間があります。
その為、この組織マスタ、人事マスタ、取引先マスタを一元管理して、一つ変えると全て変わるようなスキームをどのように組むかが、飲食店でリアルタイムに数字を出すには重要であると思います。
FLAROもそれぞれのシステムから集まりますが、最後は真ん中の売上管理システム、勤怠管理システムに集約されます。
そうすることで、昨日のFLAROがどうであったのか、売上はいくらだったのかを把握し、今日どうするかという意思決定を行うことが出来ます。
その為、データが自動で流れる仕組みを作ることが大切です。
これは現場と経理部門の距離をいかに縮められるか、とも言えます。
現場スタッフが作成している日報と、店舗の損益を管理している店舗PL、経理が作っている財務諸表(PL、BS、CF)のデータの流れが一気通貫である必要があります。
途中で手入力やCSVのやり取りはなく、可能な限り現場と経理のデータの流れが自動で行われるように仕組み化することが重要となります。
レストラン×テック後編へ続く!
れすゼミ11時間目初級編の総まとめレストラン×テック前編は以上になります。
後編をお楽しみに!
■11時間目 配信URL(YouTube)
■11時間目 資料(Speaker Deck)
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