てんこ盛り 教えてもらったツアー
※大ボリュームです
2023年5月6日
待ち合わせは午後だったので、午前は寄り道をしようと決めていた。
御茶ノ水
【その1】おりがみ会館
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教えてもらった1つ目。
2日前に行ったお店で、紙好きと私を紹介してもらったところ、居合わせたお客さんから教えてもらった場所だ。
御茶ノ水駅で降りて徒歩7分。
神田明神でお祭りか何かをやっていたらしく、賑やかだった。
まず入ると、1F、中2Fは季節の展示らしく、精巧なうさぎなどが飾られていた。
折り紙教室もあるらしく、ちょっとこれは行ってみたい。
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さてさて、展示を見たあとは早速お目当ての3F 売り場へ!
フロアに着くと、左右に部屋が1つずつあり、どちらにも紙屋さん?!と思うほどの紙がずらり!
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館長さん?がその場で実演折り紙をされていたようで、見学の方もそこそこいた。
通りすがりの聞きかじりによると、見学者が少ないときは体験もさせてもらえるらしい。
ここでは紙を2つ購入。
葉っぱが埋め込まれている紙と、
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手染めらしき紙。
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この紙で豆本を作りたい。
4Fでは紙染めが見られるらしかったが、12:00-13:00は受付時間外だったので、諦めてまたの機会に。
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おりがみ会館
〒113-0034 東京都文京区湯島1-7-14
営業時間: 9:30~16:30(ギャラリー: 9:30~16:30)
定休日: 日曜・祝日・夏期休暇・年末年始
田原町
待ち合わせしていたAさんと無事に合流し、前日の深夜に決まった行き先へ向かう。
【その2】Readin’ Writin’ BOOK STORE
私がこのお店を知ったのは、おりがみ会館を教えてもらったお店のマスター。
だいぶ前に教えて貰って、少し前に1度尋ねて、買った本を積んでいるのでそろそろ熟成されている。
ここではZINEを1冊購入。
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『真夜中のお菓子 2』
1も持っていないけれど、1も置いてあったけれど、形が違くてこちらにした。
真っ黒な表紙にツヤツヤのタイトル。
正方形なところがレコードみたいでまたかわいい。
・中身の紙
ページも黒い紙で、白地の印刷だった。
そして多分片面用の紙なのか、片方がザラザラで片方がツルツル。それが中綴じみたいになっている。
つまり、右と左でページの触り心地が違うのだ!
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ざらざらの方はわら半紙みたいな触り心地で、ツヤツヤの方は紙袋みたいな触り心地。
ツヤツヤの方が光が反射して、文字もすこし細めに、お上品にも見える。
こんな作り方もあるのかあ〜!
・中身
冒頭を読んで思ったのは、お腹が空いているときに読んではいけない、ということ。
読み終わって思ったのは、装丁に違わないダークさだということ。
「お菓子」という言葉から通常連想されるような、甘さとか明るさとかを想像して読み始めたが、だんだん雲行きが怪しくなり、最後にはどろどろの真っ暗な気持ちになって、慌ててページを閉じた。そんな本だった。
文章は読みやすくてきれいで、そこがまた不穏さを引き立てているような気がした。
Readin’ Writin’ BOOK STORE
〒111-0042 東京都台東区寿2-4-7
営業時間:12:00 – 17:00(火金)
17:30(水木)
18:00(土日)(※店休日:月曜日)
中目黒
【その3】only free paper TOKYO
この日、一緒に行動していたAさん(この方、私にとっては師匠とも友達とも先輩とも違うので、なんと呼んだらいいのやら…強いて言うなら、憧れの人)
に教えていただいた場所。
その名の通り、フリーペーパーを置いているお店らしい。
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ここ、3つのエリアが合体しているらしい。
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ひとまず、フリーペーパーのところでわんさか素敵なフリーペーパーやらを漁った。
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いくつかご紹介。
『ちい告 #8』
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後から気付いたがなんと8冊目らしい。
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開いてみると、名刺みたいなカードが8枚。
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表のテーマについて裏に書かれている。
ちまちま好きには堪らない、詰め込まれた1冊(綴じてないから"冊"ではない?)だった。
『路地裏の、本棚。』
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大福書林さんを取材したペーパー、で合ってるのかな。
この中にあった好きな言葉。
カバーをめくった表紙、表紙と本文をつなぐ見返しなどに凝るのは、江戸時代の羽裏(着物の裏地に凝る)のような感覚と近いですよね。
着物!!!
なるほどね、本が着物。
かっこいいかっこいい。
日本人は本当に折るのとか畳むのとかが好きよね。
路地裏の本棚 Space Utility TOKYO HPより
『ワニ博士』
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阪大を紹介するペーパーらしい。
何よりおもしろいのがその形。
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おもしろい形だ!
おもしろいペーパーがたくさん。
紹介したもの以外にも、大きいもの、小さいもの、冊子の形、新聞の形、色々あって、「これがフリー?!」というものがたくさんありました。
『極私的梅毒展』
area03で行われていた企画展、『極私的梅毒展』(5/14まで!)。
通りすがりでしたが、見てみたらあまりにも完成度の高い手作りとは思えないような箱の展示!!
テーマは梅毒なので、苦手な方もいるかもしれませんが、なんというか、保健体育のような気持ちで勉強にもなりました。
そして何よりも箱!
すごいんです!!!
サイトに少し載っていましたが、説明が箱でされているんです!
重箱のようになっていて、その箱の中に、立体でグラフや説明やイラストが詰め込まれていて、それがまたとてもきれいで読みやすい!わかりやすい!
ははー!!という感じでした。本当にすごい。とてもきれい。
写真撮影はOKでしたが、掲載okかわからないので、現地で見てください!!!
『おいしいコケロニー』
上記の展示を見ていたら、お店の方が説明をしてくださり、説明されているうちに買わねば!!となった1冊。
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展示の作者さんが作られた本(ZINE?)ですよ〜、とのこと。
なんとこの表紙、普通の白い紙に印刷で柄をつけたそう。恐るべきこだわり。
・中身
コケロニーってなんだろう?と思っていたら、「コケ」と「コロニー」で「コケロニー」らしい。なるほど。
ロウ引きのやり方が付録的に付いていたので、これはぜひやってみたい。
「轉寫」が読めなかったが、「てんしゃ」らしい。
紙加工8通りのページを見ていると、工作好きの血が騒ぐ。
紙やすりとかやってみたい〜!!!
ロウ引きの封筒や、その中にも紙が入っていて(詳細は実物をご覧ください!)てんこ盛りでとても満足度のある1冊でした。
草は好きだけど、コケも多分似てるな。
コケも探してみよう。
ますます思うことが増えたけれど、本が好きだからと製本だけ見て回るより、ラッピングでもハコ作りでも、とにかく色々見て回ると色んな発見とか応用が知れたりする。
手も動かさねば。
『透明人間さよなら』
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一緒に行った方にも語ったけれど、これ、下に向かってタイトルがはっきりしていってるんですね。
こんなにぼやけてるのに「透明人間」は読めるの、人間の脳の不思議。
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このバチバチに攻めた作りに惚れて買いました。
そしてなんと、中のページは全てトレーシングペーパー!
かっこいい。
クリップを外さないと読めないのですが、恐くて外せない。
透けているので、ぴたっと重なっていると後ろの文字が透けて読みづらいのだが、少し持ち上げると後ろがぼやけて、ページにピントが合う。
その見え方がとても良い。
はじめに、を読んで、まさか最後のページでは透けない紙になってたり…?!と思ったがさすがにそんなことは無かった。
ゲイの方の話らしい。
こちらはまたゆっくり読んでから感想を書きます。
only free paper TOKYO(Space Utility TOKYO)
〒153-0061 東京都目黒区中目黒3-5-3
◎時間:12:00〜19:00 ※日・祝は18時まで
◎営業:水〜日 ※イベントにより変動いたします。
◎休日:月・火 ※祝日でもお休みです。
◎年末年始:最終月曜〜翌年成人の日翌日までお休み
【その4】Under the mat
教えていただいた場所その4。
Aさんが以前来たことがあるらしい。
着いてからわかったが、only free paperでもらってきた名刺のお店のひとつだった。
なんという繋がり!
こちらのお店はカフェで、何よりも内装がすごい。
このお店に無いものは無いんじゃないかと思わされる。
気に入ったのは、置いてあったピアノ(何故か蓋が開きっぱなし)のイスの上に置かれていた、「yes」と書かれたプレート。
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チーズたっぷりながらもペロリと食べられたトースト。生姜の効いた紅茶もとってもおいしかった。
それと、お手洗いが工場みたいになっていた。
入口のドアに、謎の取手かON・OFFのレバーのようなものが付いていて、中には何故かスパナやペンチが並んでいて、水を流すレバーも巨大クリップのようなもので挟まれていた。最高か。
お会計のとき、私が食事が来る前にテーブルで広げていた『おいしいコケロニー』を見ていたらしく、ご主人の苔を見せていただいた!
まさか同じ本を買われていたとは!と、ここでも本日何度目かのご縁を感じた。
コケは青々と立派に育っていて、ご主人の愛情も感じた。
お店を出ると目に入ったのは、「←old young→」と書かれた看板。
oldに進めばエレベーター、youngに進めば階段だった。
アリスのような気分を味わいつつ、迷わずyoungへ。いつからoldへ進むようになるかが気になるところだ。
Under the mat
東京都目黒区中目黒3-6-7 河田ビル 2F
営業時間:火~日 12:00~19:00(月曜日:休)
渋谷
【その5】春のZINE祭り
先程の、only free paperで教えていただいた。
「渋谷のヒカリエでZINE祭りがやっているよ」と。
まるで某パン祭りのような響きだが、これは行くしかない、とそそくさと向かった。
会場に着くと、フリーマーケットみたいな空間にZINEが並んでいた。
順番に見ていって、最初に目に止まったのは、板ボールみたいな表紙のZINE。
しかも、表紙に窓が空いていて、切り口が斜めだった。
しげしげと眺めていると、作者らしきお姉さんが、45度に切れるカッターを使ったのだと教えてくれた。額装と言うらしい。
その上、空押しも自力でしたとのことで、やろうと思えばなんでもできてしまうんだなあと、希望をもらった気持ちになった。
それから、シルクスクリーンのインクがセールになっているのを見たり、リモートで海外と繋がっている画面から聞こえる外国語にグローバルな風を感じたりした。
『本棚の動物たち』
なんで立ち止まったか忘れたが、とある1ブースで手に取って、開いた最初の1ページで、買おうと決めた。
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中身
この方の「かわいい」に対する気持ちのことが初めに少し書いてあり、その後は作者の出原さんの本棚にいるかわいいものたちのイラストが続く。
一言、二言と添えられたコメントがまた良い。
ひとつめの「イヌ」が1番好きかも。
ゆるいイラストにほっこりした。
さくっと読めて、ほっこりする、こういうZINEを私も作りたい!
そして、人が無駄だと思っているものを見ることの楽しさよ。
もちろんそれは無駄なんかじゃなくて、大切なその人の一部だと思う。
必須では無いのかもしれないけれど、それも含めてその人になる。
『TPO ZINE』
カーブした表紙と、蛍光グリーンに一目惚れ。
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服とTPOについて書かれたZINE。
私も、自分が服の好みが数年ごとにコロコロ変わる人間なのだと気付いたばかりだったこともあり、あっちこっちに共感しながら読み進めた。
中身
ものすごく個人的な話だが、ZINEの中で『すてきなヘア&ビューティ』という本が出てきた。
その瞬間、私の中の懐かしい記憶が蘇り、まさか?!と思って調べたら、あった!この本!私の家にも!
そんなにメジャーな本なのかはわからないが、こんなことがあるのかとかなり感動した。
ちなみにめちゃくちゃ読み込んだことも思い出した。
その後出てきた、ソフトな詐欺という単語が好きすぎた。語感が良い。
「TPOを踏まえてこれを着ろ!」という話ではなく、「服って難しいよね〜」とわかるわかる、と寄り添ってくれたZINEだった。
【その6】Shibuya Publishing & Booksellers
こちらも同行者さんに教えていただいた。
が、もともとZINE祭りに行く予定が無かったところを無理やりねじ込み、その上でこのお店にも来たためかなり閉店ぎりぎりだった。
スリリングな旅だ。
お店の壁の中みたいなところに展示ゾーンがあって、不思議な空間の中にぬいぐるみやステッカーが飾られていた。
雑貨もあり、渋谷っぽいおしゃれな本屋さん、と思っていたら、どうやら豊洲の方の店舗はかなりスタイリッシュらしい。行ってみたい。
Shibuya Publishing & Booksellers
〒150-0047 東京都渋谷区神山町17-3 テラス神山1F
営業時間:11:00-21:00 *短縮営業中
不定休(イベント等により変更あり)
"教えてもらったツアー"はここまで。
この後、歩きながらごはんを食べるお店を探して、閉まっていたり、看板を見たりしながら見つけたお店に入った。
何を食べてもおいしいお店だったが、1杯目のお酒で酔いが回って、楽しかったことだけは覚えている。
書ききれないほどのことがあって、忘れたくない、そんな1日。