浮気と本気①
先週、中野くんが同棲している彼女にスマホチェックをされて私と会っていることがバレてしまった。激怒した彼女に強い力で腕を掴まれたらしく跡がついていた。
すごい怒りをぶつけられたらしい。その場面を想像し、こんな立場で言うのも何だけれど少し心が痛くなった。中野くんを好きになり一緒に暮らし始めて3年近く経ち、おそらく結婚をしたいと思っていたかもしれない、そんな好きな人に2度も裏切られたという彼女の怒りは当然だと思う。
彼女の怒りの相手は中野くんではなく私なはずで、中野くんが私の代わりになってくれたと思っている。私さえいなければと申し訳ない気持ちになったことは事実。
腕の跡を眺めて考え込んでしまった私に中野くんは「僕と彼女とのことは考えなくて大丈夫だよ」と優しく言ってきた。
デート中に彼女との事を聞きたがる私に対し「知りたいなら聞かれれば答えるけれど、僕と一緒にいる時に彼女の話題はあまりしたくない。2人の時間だからね」と言われてドキッとした事がある。
いわゆる“三角関係”なんだけど、
中野くんは3人の問題だと捉えていない。そこがまた中野くんらしさ。
中野くんにとって私はセックスだけの都合のいい女だと思ってきた。「そうじゃない」と何度言われても心の中では「私に対して愛してるって言うのは都合のいい私をを手放せないから繋ぎ止めるための甘い言葉」だと思い続けて来た。
今日2人で会うことができた。会ってたくさん話をした。身体を交わし本当の気持ちを伝え合った。そして中野くんからは、私に対してただ都合の良い女だと思っていないことが強く伝わってきた。