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編集人の京都の朝をぶらぶら◉10月は京都の新しい芸術のまち•崇仁から

朝のお散歩が気持ちいい、七条大橋から鴨川沿いをぶらぶら。ようやく秋らしくなってきた10月は、移転からちょうど1年を迎えた京都市立芸術大学がある崇仁から。

昨年の10月に京都市西京区の沓掛から、京都駅の近くの崇仁に移転した京都市立芸術大学(以下、京都芸大)は、ほぼ同時期に移転した京都市立美術工芸高校のすぐ側に鴨川が流れていて、芸術を学ぶにはアクセスも自然環境にも恵まれた閑静な場所にあります。

ただ、崇仁は被差別という悲しい歴史を持つエリアで、キャンパスの中には今を生きる私たちや後世の人たちに人権の大切さを伝える「柳原銀行」というシンボリックな建物が記念資料館として遺されています。実際に目の前にすると、かなりコンパクトな建物で少しびっくりします。

京都芸大の移転は、計画から昨年の移転開学まで、地域住民との間で何度も対話が重ねられた経緯があり、必ずしも順風満帆ではなかったという話を聞いています。しかし現在、京都芸大の学生たちが、このエリアのものづくりの歴史を伝える「SUJIN CRAFT TOUR」という活動をおこなっていたり、地域のお店などが「地域×若手アーティスト」というテーマで作品発表や演奏の場を提供し、一緒に取り組む様子が京都市発行の広報誌「5TO9(ゴー•トゥ•ナイン)」で掲載されており、新しい未来が少しずつ動いています。

京都芸大は、京都駅から徒歩5分ほど、京阪七条駅からもたいへん近い場所にあります。京都芸大は「テラスのような大学」というように開かれた大学をめざしているようなので、門はなく早朝でもキャンパスに入ることができます。

鴨川からキャンパスを散歩してもいいですし、学生や地域のイベントに参加してみてもいい。歴史的な経緯を踏まえつつ、地域とともに未来に歩む、新しい京都の芸術のまちを、一度訪れてみてはいかがでしょうか。

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