英国のナチュラルライフ:自然療法編
こんにちは、英国ホメオパスのMadokaです。
今回のテーマは、私の得意分野である英国の自然療法についてお話しします。
ハーブやアロマ、ホメオパシーなど西洋医学と並んで、オルタナティブ・セラピー(代替療法)が普通のヨーロッパの国々の中で私が住んでいたイギリスの2001年からの8年半、様々な医療に携わり、体験し、医療は自分で選ぶ時代がやってきているのだと感じました。
あなたはどんな医療を選んでいますか?
健康へと戻るための手段とは?
英国に住んで病院へ行く際に驚いたことが2つあります。
1つ目は、予約が取れないこと、そして取れたとしても一回で専門医に診てもらうことが不可能で、やっと診てもらえることになった専門医のいる病院が遠いこと!
2つ目は、専門医の中にオステオパスやホメオパスも含まれていて、自分で選ぶことはできなかったけど、代替療法という選択肢があったこと。(私が住んでいた「2001−2009年当時は」の話です)
イギリスの国民保険制度の中に、「患者の嗜好に沿って組織を超えて統合的に連携を働く」という憲章の項目があります。
まさに私たち一人一人が、代替療法も含めた治療に関する選択肢を持っているということでもあります。
家族医と診療所、そして専門医と病院
私が住んでいたのは毎回、田舎の村のことが多かったせいもあり、サージェリー(surgery)と呼ばれるGPのいる診療所に行くのに車やバスで近くの町へ行かなくてはならないことがほとんどでした。
GPとはジェネラル・プラクティショナー(General Practitioner)の略で、家族医やかかりつけ医とも表現される診療所にいる担当医のことを言います。
ある地域に住み始めるとき、診療所に行き、担当医師を選び、患者として登録をします。
ジェネラル=一般というだけあって、イギリスでは予約がすぐ取れることは難しいのですが、病気になるとまずはGPの診察を受けます。
風邪など簡単な症状についてはそこでお薬など処方してもらうだけのこともあるのですが、例えば、GPでは手に負えない症状だと、リファー(Refer)といってGPが適切と思う目の症状なら眼科や喉の症状なら咽頭科などといったコンサルタント(Consultant)と呼ばれる専門医を紹介されます。
私の場合、会いたい専門医に会うまでに2ヶ月、3ヶ月先になることはしばしばでした。
数ヶ月後、やっと医師と約束を取り付け、向かう先の病院が県を1つ2つまたいだところにあるということも!?
そんな時は1日かがりの通院になります。
私の友達は子供の治療のために、3時間の道のりを何度も通ってうんざりしていたのを思い出します。
私は健康な病人だったので良かったのですが、もし待っている間に悪化してしまったり、通院が辛いような方だったらどうするのか?とハテナがいっぱいでした。
これなら少しくらいお金がかかっても、早く信頼できる誰かに見てもらいたい!って思うのも頷けますし、大病にかかる前になんとかしたいとも思うのではないでしょうか?
イギリスで自然療法が盛んな理由はここにあるかもしれないとも思っています。
自然療法の方が早いし、安全!?
NHSとは別に、ある程度の収入のある人たちはプライベートで民間の健康保険に加入していることが多くあります。
健康保険は保険会社ごとに異なる様々なサービスを提供しています。
上記のなかなか順番の回ってこないNHSの医療にビックリした私は、何かあったときも、民間の病院や自分の信頼できる治療家のいるところに行けるように保険に入ることにしました。
選ぶ時は、病院だけでなくホメオパシーやオステオパシー、リフレクソロジーなどの代替療法もをカバーする保険です。
受けたい治療にすぐアクセスできるし、保険に加入することで、お財布を心配することもなく、自由な医療の選択が可能となりました。
日本でもいつになったらこのような保険がはじまるのかと、色々なところで提案しているのですが、なかなか形になりません…(涙)
どんな選択肢があるの?
街を歩いていると代替療法のクリニックを見かけます。
商店街にあることもあれば、住宅街にあることも。
自然食品屋の二階がクリニックになっているところもありました。
一人の療法家が開業していることもあれば、オーナーがいて部屋を時間貸ししているところや仲間で経営しているところなど様々です。
そこには時間や日によって異なる療法家がいました。
ホメオパシー、フラワーエッセンス、アロマセラピー、リフレクソロジー、オステオパシー、鍼灸、スウェディッシュマッサージなどなど、挙げればキリがないほど色々あります。
そして日本で見かけないものとしてはキロポディー(chiropody 足の専門医)やイリドロジー(Iridology 眼の虹彩を見ることで病気を判断)などもありましたし、日本では病院や学校などといった組織に勤めることが多い栄養士さんがダイエティシャンまたはニュートリショニストとして個人の相談に乗っていることもありました。
医療機関や医師、セラピストの役割
色々な療法があり、医療や治療、セルフケアの選択が自由になるということは、医療機関や治療家の役割も違ってきます。
さらには、統合医療ともなると、療法家側のプロフェッショナルな医療とかたを並べられるだけのレベルが必要となります。
その認定方法やスキルついても信頼が必要です。
そして、忘れてはいけないことは、医療でも代替療法でもできることは違うし、得意なことがあるということ。
例えばホメオパシーを選んだとしても、ホメオパスは医師ではないので、触診もできませんし、検査をしたり、レントゲンを撮ったり、数値や画像を見ることはできません。
場合によってはお薬が必要なこともあるでしょう。
そんな時、役に立つのが、チーム医療、統合医療です。
お互いに得意な分野を尊重しあい、患者さんのためにそれぞれの角度から最善を尽くす。
イギリスにはもともと王立のホメオパシー病院だったところが「統合医療のための
王立病院」(Royal Hospital for Integrated Medicine)と名前を変えて今も存在しています。
その人の持つ病気や症状、体質や気質、性格や好みなどによって、その人にあった療法は様々です。
例えば、私がやっているホメオパシーは話すことが苦手で、例えば腰の痛みなど身体症状がメインの場合は整体や鍼といった施術を受けることがあっているのかもしれません。
また、療法家との相性もあるかと思います。
日本で私たちにできること
いつかイギリスみたいになってほしいと願いつつ、日本での代替療法は、セルフケアの延長であり、体調管理をプロと一緒に行っているような感じがまだまだあるようにも思えます。
まずは予防医学の観点での選択肢としてからなのかもしれません。
治療や施術を受ける側としては、選択肢があることを知り、自分で調べて、選び、ぜひ体験してみてほしいと思います。
良いものがあれば困っている人にお伝えしていってほしいと思います。
世の中にはこんなに情報が溢れているのに、普通に生きていると届かない情報がたくさんありますし、情報がありすぎて選べなくなっている方も多いかもしれません。
そんな時、お友達や信頼している方からの情報はとても有難かったり、その時は必要でなくてもどこか頭の片隅に残っているものかもしれません。
セルフケアという観点では、以前の投稿でもドラッグストアや自然食品店で売っている自然療法グッズのことを書きましたが、とにかく商店街やショッピングモールでも手軽に手に入るレメディやハーブなどがたくさんあります。(リンクは本文の後に)
日本でもE3Liveの商品も買える伊勢丹のビューティーアポセカリーさんやBiopleさんなどといったお店がだんだんと増えてきているようですが、まだまだ一般的とは言えません。
でも、スーパーでは食品としてですが、少しずつハーブやスパイス、ハーブティーなど幅が広がり、買えるようにはなってきています!
いつかイギリスや他の国々のように、当たり前に近くのお店で手に取れる日が来ることを夢見て!
みんなで「〇〇はどこにありますか?」「〇〇は入荷していただけませんか?」と商品の取り扱いをリクエストしていくことも大切だと思っています。
医療も同じです。
みんなが欲しいもの、選ぶものが主流になっていくことを忘れずに、より良いものをチョイスしていきたいですね!
私を耕しながらココロとカラダを健康に導き、美しい花を咲かせましょう!
ナチュラルライフガーデナー Madoka
リンク集
以下は以前書いたイギリスの自然療法に関する記事です。
よかったら合わせてお読みください。
ついでにイタリアの自然療法レポートもご紹介させていただきます。