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希望の歌。

今日、JUJU さんが歌うスキマスイッチの「奏」の MV が公開されたよ。ただでさえ、この曲を聴くといつも泣いてしまうのに、朝から見てしまったものだから、今日は涙が止まらなくなってしまって困ったよ。

彼女が歌う歌だから、やっぱりコメント欄には君のことを重ねて聴いた人が多かったみたい。

「癒された」とか「涙には浄化作用がある」なんて、使い古された陳腐な言い回しで好きじゃないけれど、たぶん僕もね、やっとちゃんと本気で向き合って泣けたんじゃないかなと思う。やっぱり、君がいないのは悲しいよ。

あの日、何気なくテレビを見ていたときに速報が流れてきたんだ。それは君の死を知らせるものだった。最初はゲシュタルト崩壊の如く、文字が意味する内容が全く頭に入ってこなくて、何度も読み直してしまったんだ。

少しして思ったのは、「同姓同名の、私の知らない別の年配の俳優さんがいたのかな?」とか、「いやいや、これ、テレビ局が間違って流しちゃったんでしょー。こりゃ、大炎上するぞ?」とかいうことを思ったくらいで。ほら、震災のときにふざけて作ったテロップが流れちゃって大目玉を食らったなんてニュースが以前あったからさ。そのくらいに信じられなかったよ。

ネットニュースでも Twitter でも全然話題になってなかったから、「今見たのは幻だったんじゃないか」なんて思ったくらいだったんだけど、更新ボタンを何度も押しているうちに、あれよあれよと君の名前はトレンドランキングに上がってきて。それでもまだ信じられなかった。どうして、なぜ、って。

初めて君を認識したのは、君が16歳の頃、サーフィンの映画に主演していたときだった。その頃僕は、少し大人になりたくて、一人で映画館に行くようになった頃で、だからなんだかよく覚えてるんだ。「あぁ、この主役の男の子、人気でそうだなぁ。」と、そんなことを思っていたよ。

自分がコンプレックスにも思っていた同じ顎の位置に少し大きなホクロがあって、そんなところにも親近感を持っていたんだ。初めて注目をするようになった年下の俳優だった。

その後の君の活躍は素晴らしかったね。ずっと子供だと思っていた君が、あれよあれよと「イケメンだ」とか「大人の色気がある」なんて言われるようになっていったのには、なんだか不思議でこそばゆい感じでみていたよ。実は「似ている」なんて言ってもらったこともあって、なんだか、ずっと気になっていた存在だったから。

JUJU さんのことも僕はずっと好きだったから、彼女と君が MC として素敵なモノを紹介するっていう番組は、僕にとっては本当に好きなものが集まっている番組だった。毎週録画していたよ。だから、君は本当に、僕にとっては身近な存在だったんだ。

彼女が歌う「奏」の最後はこう歌うんだ。

抑えきれないこの思いをこの声に乗せて
遠く君の街へ届けよう
たとえばそれがこんな歌だったら
僕らは何処にいたとしても繋がっていける

そう、これは悲しい歌ではなくて、希望の歌。

だからね、今日僕は、ちゃんと泣くことを決めたんだ。声を上げて泣いて、その声が君に届くくらいちゃんと泣いて。そしたらきっと、僕らは君と、ちゃんと繋がっていられる、そんな気がするんだ。

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