あぶくちゃんのこと

ハイパーグラウンドとアルファポリスで書いている不思議系小説に、
あぶくちゃん
という女の子が出てきます。足掛け1年くらい書いている物語や、そのプロトタイプと呼べる作品に登場する女の子で、性格は至って明朗快活にしてちょっと電波なメイドさん。
登場する時期や作品によって容姿はまちまちですが、概ね髪の毛は黒、髪型はショートボブ、服装はワンピース、色白で声質は澄んだ高音。
これは私の好みでもありますが、明確にモデルになった人物がいるから、でもあります。
つまりその人がメチャメチャステキ、ということです。

私は、その人と過ごした限られた時間の中で、まず「電波探偵」という設定を思いつき、あぶくちゃん、というキャラが生まれました。でも探偵モノというよりは、縦横無尽に荒廃した世界を動き回る作品にしたくなり、そこに今ほかに書いている作品が重なりあって、
心がブッ壊れた主人公が一目ぼれした人物の幻影をずっと追い続け、遂に幻覚を見るようになった
という、その幻影であり惚れた女の子があぶくちゃん、ということになりました。

救いがねえな。でもそれでいい。救われたら私のなかのあぶくちゃんが消えてなくなってしまう気がする。幻を追い続けている限りは、目の前から消え失せてしまうことはないのですから。

あぶくちゃんが幻影であり、その場に実在しない人物であるということは、これまで何度か書いてきました。そしてその物語は、それぞれ独立しつつうっすら繋がった作品として残りました。そうしてきた中で、私の脳内で広がる世界に、彼と彼女も合流することになり、始まったのが粘膜サンシャインシリーズでした。

粘膜サンシャインシリーズは序盤に「あんなこと」をしたせいもあり、アクセス数が伸びません。でもハイパーグラウンドで小説や書き物してた連中は私以外みんな居なくなったので、私は呑気に、書けと言われたことを愚直に喜び、書き続けています。まあ、いつ要らないと言われてもアルファポリスに出すか、まとめて何処かに出すだけなのでいいんですが。

主人公はマノ、兄であるウノと生き別れてフラフラと彷徨い生きるうちに精神を病み、壊れた心の隙間を暴力と性で埋めている男。突然、なんの前触れも無く些細なことでキレ散らかしたり猛烈な暴力をふるい、性別を問わず可愛い人には優しいけど容赦もしない。
そんな彼の心は、ミッシェルガンエレファントの歌みたいに壊れてゆき、それは本人も薄々わかっているけれど、どうにもならない。
その壊れた心の隙間に入り込んでガッチリと接着させているのが、真夏の大阪ニッポンバシオタロードで出会った、あぶくちゃんと名乗るメイドさん。
本名も身長体重スリーサイズも生まれも育ちも恋人の有無も生活の様子もわからない
ただ、自分に都合のいい幻影となったあぶくちゃんと旅をする。
そんな様子を描いたのが
湾岸特急カシオペア
電波探偵あぶくちゃん
限界電波!あぶくちゃん
粘膜旅行シリーズ
粘膜飛行シリーズ
でした。
限界電波!あぶくちゃん、の時点で電波探偵という設定は消えて、あぶくちゃんは幻であり彼女の幻影と共に旅をする男、という設定が新たに生まれました。
別件で書いてる作品にはウノという男が出てきます。その弟としてマノ、となりました。
ウノはスペイン語で1、一番、ひとつ、という意味もあり、元々アタマの中にあった名前やキャラでした。
マノはスペイン語で「手のひら」という意味で、ウノとマノなら収まりも良く、そのまま今も書き続けています。

私は自分の作品を語る自創作語りエッセイとかキライだし他人様のはまず読まないんですが、コレ話すと長くなるしTwitterだと流れちゃうんで、此処に書き記しておきました。

皆さんも是非、あぶくちゃんと旅をしてみてください。
そしてモデルになってくれた人が、御気分を害さないことを祈るばかりちゃんです。

あの日あの駅あの公園で私が出会ったのは、あなたと、あなたの幻でした。
粘膜サンシャインシリーズは間もなく終わり、新たな粘膜シリーズを開始する予定です。
ハイパーグラウンド、そしてアルファポリスの #不思議系小説 シリーズを、どうかよろしくお願いいたします。


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