マイ・ファースト・ジョリジョリ腋

私って、なんで腋フェチになったんだろう。
それも毛があってもなくても、ツルツルに剃ってても脱毛してても、ジョリジョリの剃り残しや生えかけがあってもぜーんぜん構わない。
美人でボーボーなのも勿論大好きだ。
素敵だな、と思う人の体の一部、その人を構成するパーツの中でかなり好きだなと思うのが腋って部分、なのか。

ケーキが好きな人はモンブランだろうがチーズケーキだろうが森の木イチゴと妖精さんの手作りプリンのタルト、とかでも全部基本的に好きじゃん。木イチゴ云々はイケ好かねえけど。それと一緒じゃねえかな。
今までお付き合いして頂いたり、相手してくれた人の中にもいろんな腋の持ち主がいた。
すっごい今どきの美人さんでキャバ嬢とかイベントコンパニオンとかやってる子だけどすっごいワキガでアチコチの毛も濃い目でお手入れが雑なので下はボーボーの腋はジョリジョリっていうのが史上最高だったかなあ。
腋毛もじゃもじゃでモチ肌で、とっても可愛らしい子もいた。その子は性格も優しくて大人しいけど、それゆえに凄く我慢させてしまったし傷つけてしまったな…と今更ながら、こんなところで反省してみる。
反省したところで今日は腋毛の話なのでまあ説得力の薄いこと。サガミオリジナルぐらい薄い。けど丈夫。

なんか好きなんだよな腋。腋っていいじゃん。
もう理屈じゃなくて、ホントにわけもなくドキっとしちゃうんだよ。
けど何かしらの切っ掛けはあったハズ。
そう思って記憶や体験のフタに乗せてあった大きめの石をどけてみる。
すると一つはすぐに出た。

私は小学生のころ母親が離婚して、けどその別れたほうの男の家にも週末だけ泊まりに行かされてる時期が長らくあった。私の大暗黒時代だ。潰れる寸前の新日本プロレスみたいな状況だった。
そのころ散々、その男からアトピー肌や体臭のことを、面白半分にしつこくなじられた。好きで泊まりに行ってるわけでもないのに、逃げ場のないガキを実に楽しそうに、自分のヤニと歯槽膿漏だらけでドブ沼みてえな口臭もお構いなしに人を散々なじり倒して、挙句逆らえばテニスラケットでもコタツテーブルでも手近なものを持ち出してボッコボコにやられる。
そんなんで自分の体臭を自覚すると同時に強烈なコンプレックスが植え付けられたものとみられる。
むしろコレで何もゆがまずに育つんなら育ってみたかった。
とまあこれが負の要因のひとつ。
あと柔道とかやってるとアトピーで息が臭い奴は腋も臭かったし、そう言う奴はフツーに柔道も強かった。私が中学3年のとき、県大会の2回戦で負けた相手がそんな奴で、そいつは決勝までだったか準決勝ぐらいまで勝ち進んでいた。
私は幾ら強くても、そういうところで弱みがあるのが嫌だったし、それがまたひどく怖かった。最後のところでカッコつけてるから勝てなかったから、そこまで強くなれなかったんだとも思う。元々の資質とか根性のなさもさることながら。
だから幾ら顧問の先生に言われてもデオドラントスプレーとかブレスケアみたいなのだけは欠かさなかったし、通学前には必ずスプレーして学校にも持参して使ってた。もちろん試合や練習の前後にも。

でもっと全然違うベクトルからのアプローチもあった。
コンプレックスを拗らせた結果の、その反動の産物ではなく。もっと直接的なフェチズムに結び付く出来事を久しぶりに思い出した。
それは私が小学校3年か4年の時の、町内会の遠足での出来事だった。
愛知の山の方にある県民の森だったかなんかそんな施設にいったときのこと。近所の子供っていっても人数なんか知れてて、だからなのか面倒を見てくれるつもりだったのか当時この辺りに住んでたと思われる高校生ぐらいのお姉さんも一緒に来ていた。明るくて、美人というよりは可愛い系の顔でスタイルも良かった。私も他のみんなも彼女にとても懐いていたし溶け込んでいた。優しい人だった。
そのお姉さんも一緒に、みんなで施設のプールに入ることにした。
お姉さんは学校で使ってるらしい紺色の、いわゆるスクール水着を着てきた。黒い髪の毛、濃い眉、いつも笑顔で口角の上がった唇。
胸も結構大きかったと思う。
そのお姉さんとみんなで遊んでて、たぶん誰かが持ってきたビニールを膨らませたビーチボールか何かをキャッチしようとして、お姉さんが両手を上げた。
無防備になった両腋に結構な濃さの剃り残しがあるのがハッキリくっきり見えてしまった。いま思い出してても、記憶の中でその瞬間の視界だけキャプチャー画像の解像度が異様に跳ね上がっているくらいだ。
お姉さんは気付かずにそのままみんなで楽しそうに遊んでいたけど、私だけは彼女の顔をまっすぐ見れなくなってしまっていた。
こんだけ仲良くしてくれたお姉さんで、しかも町内のイベントに来てるってことはホントに結構身近な人だったはずなのに、どこに住んでる誰なのか名前も何もわからない。
その後にどこぞで見かけることもあまりなかったので、きっと高校卒業してどっかよそで暮らしてるんだと思う。
元気かな。

あのお姉さんの腋が、マイ・ファースト・ジョリジョリ腋だったんだ

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