#不思議系小説 更新してます

可愛いヒロイン、#あぶくちゃん 登場回第2弾!
何気に重要キャラである眼鏡、太っちょ、オタクの「サンガネ君」も出てきます。盛りだくさんな
#不思議系小説 第120回「粘膜サンシャイン22.」
を、是非読んでみてください

以下ためし読み↓

悪魔のように美しく、悪夢のように遠ざかる、妖しい、やらしい、あぶくちゃん……。
また、会いたいな
そう思うと居ても立っても居られない。気が付くと夕暮れのニッポンバシオタロードに佇んでいた

 カサっと手に持ったフライヤーをピンク色の街灯で照らして読んでみる。可愛い文字とイラスト、それに地図はすこぶる分かりづらくて、今自分が何処に居て、何処を目指せばいいのかサッパリわからなかった。こういう時は……。

「なあ、アンちゃん!」
「ええ!? あ、はい?」
 僕は、今まさに僕の目の前をササっと通り過ぎようとした、大柄で太り気味で、眼鏡をかけた気の良さそうな青年に声をかけた。青白い顔色をして、黒くモッサリした頭髪とチェックのシャツに色褪せたジーパン。彼はビクっと跳ねて、観念したように振り向いて僕から目をそらした。
 西暦で言うと1990年代から頻出するオタク仕草という奴だ。

「このお店、知ってるかな。あぶくちゃんを探してるんだ」
「あー……ッスー(歯の隙間から息を吸い込む音)」

 太っちょ眼鏡君はレンズの汚れた眼鏡をクイクイしながら地図を眺めて、スイっと顔を上げると、人差し指をピンと立てて少しトーンの上がった声で答えた。
「このお店なら、もうすぐですね」
「そうなのか、有難うよ」


#不思議系小説 第120回「粘膜サンシャイン22.」
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