見出し画像

"わたし"を取り戻すための1日。身体とアート、表現の力で内観する

こんにちは!
-あなたと共に、未来を描く- Draw your Future のごとうえりかです。

2022年ごろから「自ら表現し、気づき、学び、変わっていくプロセス」に関心を持ち、絵画やダンス、ライティングなどさまざまな表現技法を組み合わる芸術療法「表現アートセラピー」を学びはじめました。
現在も継続して、ファシリテーターのトレーニングを受けています。

今回、ひょんな機会から「表現アート」の技法を使って内観をしたい!というリクエストが続き、クローズドなワークショップを実施しました。


◆場所の力

今回、開催場所として協力いただいたのは、名古屋市内にある「穏静庵」さん。
築100年を迎える数寄屋造りの古民家で、庭に木々が溢れ、室内には和の空間が広がります。

美しいロゴの看板と、緑溢れるお庭でお出迎え

こういった場を企画するときに、下支えするのは「場所の力」。
どういった環境で取り組むのか?
は、居心地のよい場づくりに大きく影響すると考えています。

この場所で開催できる、と決まった瞬間に、きっとこの場はよい時間になるだろう。と予感を持つことができましたし、その通りになりました。


◆取り組む仲間たち

もう1点、どういったメンバーと共に取り組むのか?も場に大きく影響します。

今回、参加したメンバーは、教育や多文化共生などの社会課題解決のフィールドで活動する30代〜40代の女性たち。
専門やキャリアパスは違えど、私の大切な友人であり、仲間です。

昼休憩のお散歩中の様子

それぞれ個別でのつながりの中で、季節なのか時流の影響なのか、同じような悩みを何度も耳にしました。
わたし自身の内面に沸き起こるものも含めて、です。

  • 目の前のやるべきことへの忙しさに振り回されて、本当に取り組みたいことに取り組めていない虚しさがある。本当に取り組みたいことに力を注ぐために、どうすれば良いのか考えたい。

  • 仕事や環境が変わり、新しく選び直さなければならないとき。改めて自分自身はどのような道を歩みたいのか、棚卸しをして確かめたい。

  • パートナーシップなどのプライベートの関係性や家族の中での自分の役割に対して、どのように向き合っていけばよいのか探究したい。

  • とにかく癒されたい。自分を大切にするという感覚を取り戻す時間を取りたい。

参加のニーズとして聞こえてきたものを、私の解釈で記述してみます。
(実際の参加者の表現とは異なります。)

チェックインでは、どんな1日を過ごしたいか?書き出し、タイムスケジュールを作りました

◆目に見えないけれど確かに「ある」もの。アートや身体で表現し、つながる

食べる瞑想やお散歩の時間なども交えつつ、終日を通してアートや身体を通した内観のワークショップを実施しました。

「アート」を使ってワークをします、とお伝えすると「私は絵を描くのが苦手です」「上手に描かなくては、という気持ちになります」という言葉をよく耳にします。

教育課程で、「上手な絵/下手な絵」を比較され、「正しく描くこと」「上手く描くこと」を目的としたトレーニングを受ける中で、自分には表現できない、と刷り込まれてしまっている人が多い印象です。

この場では「上手な絵を描くこと」は重要ではありません。
あなた自身の内面にあるものを、普段とは違う形で表出してみること。
そのツールとして「描く」という方法を選択しています。

午前のワークの様子。「チェックイン」「いまのわたし」をクレパスで表現し、身体を動かします

子どもの頃に描いたいたずら書きのように、無心で紙に手を動かし、ぐちゃぐちゃとした抽象的で意味のなさげな絵にこそ、大切なメッセージが詰まっています。

絵を描いた後は、絵の中で起きていることを身体でなぞるように表現し、ジャーナリング(詩や散文など形式は問わず、思い浮かぶことを文章しておくこと)、その後全体で体験の感想を共有します。

絵→身体→文章→口頭での共有→対話、と異なった表現方法を重ねることで、さまざまな視点で同じテーマを何度も捉え直すことができ、気づきが深まっていきます。


◆「”わたし”の望み」を、あなたは既に知っている。確かめる方法が分からないだけ

以前、とある北米在住のアートセラピストの講義を受けた際、彼女はこんなことをおっしゃっていました。

"Images are words of the soul." (イメージは魂に言葉を与えるもの)

私が表現アートを探究している理由はここにあります。

目には見えないけれど、存在している”何か”。日常生活の中で私たちが感じていること、違和感、本当に大切にしていること。
思考の力だけでは、アクセスできない、壁に阻まれる瞬間があります。

日本語には「腹落ち」という言葉がありますよね。

腹落ちとは、単に頭で理解するだけでなく、心から納得し自分のこととして受け止めること。

頭で考えていても気づけなかったことを、絵や音楽、ダンス、演劇などのアートや身体を通じて表現してみると、すでに「"わたし"の内面に存在する大切な何か」に気づき、取り戻すことができ得るのです。

午後のワークの様子。「わたしのコア」をテーマに表現し、最後はお手紙を書きました

◆わたしのコアからの手紙

チェックアウトとして、粘土で創作した「わたしのコア」から「いまのわたし」へ、お手紙を贈りました。

ワーク内でどんな体験や気づきがあったのかの紹介として、この手紙の文章から引用したいと思います。

「わたしのコア」

蝶になるには、青虫から蛹になり、その殻を破って外に旅立つ時を待ち、たえる必要がある。
時には痛みを伴うこともあるかもしれない。

それでも大地を這い、空を目指すことをあきらめないで。
自由を、真実を、あきらめないで。

何度も殻を脱ぐことになる。より大きく羽ばたくための、羽を得るために。

私をここまで大きくしてくれた試練、仲間、全てのものに感謝して。
旅立ったら、その祝福を周りに振りまいて。

あなたがあなたらしく居ることが、希望の光になる。
どうか忘れないで。
あなたがあなたとしていることが希望だと。

「わたしのコア」から「いまのわたし」への手紙より

最初は玉ねぎの皮のような、火山のような、塊に見えていた粘土。
身体を動かしてみると、何度も何度も皮をはいで進化をしていく、蛹のような体感覚が生まれ、羽ばたいていました。

現在、わたしは「変容」のプロセスを進んでいる自覚がありましたが、手紙ではその自分を象徴してくれるような、鼓舞してくれるようなメッセージを自分から授かったなあと、勇気づけられる体験でした。


◆そしてプロセスは続いていく

あっという間の1日を終えて、最後は作品と共に穏静庵の前で記念撮影!

場を共にしてくれた仲間と共に!

たった数時間の体験で全てが変わる!ということはありませんが、少しずつ、けれども着実に。自分のプロセスを進めていく1つのきっかけになったとしたら嬉しく思います。

みなさんにとって大切な”何か”と繋がり直し、”わたし”を取り戻すような時間になったら幸いです。

ありがとうございました!


◆プロフィール

後藤 恵理香(ごとう えりか/Goto Erika)
Draw your Future 代表
ビジュアル・プラクティショナー(可視化の実践者)

大学卒業後、キャリア教育を推進するNPOに入職。コーディネーターとして、学校・地域・企業など多様な立場の人と協働しキャリア教育プログラムを推進。異なる背景を共有し対話を深める手法として、2016年から対話の可視化の実践をはじめる。
現在、ビジュアル・プラクティショナー(可視化の実践者)として、グラフィック・ファシリテーション/レコーディングなどの技法を活用し、対話の場やプロセスの支援を行う。

プロフィールの詳細はこちら

●ワークショップの企画・運営など、全般のお問い合わせ先はこちら📩

●ソーシャルセクターで働く人々を対象に、表現アートつかったワークショップの企画・運営を行っています🎨

●個人向けセッションのモニター募集中です🙌

いいなと思ったら応援しよう!