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パーソナル修学旅行: 小学生と諏訪
学校の授業で「調べ学習」が始まるようです。そこで子どもが大好きな「逃げ上手の若君」(逃げ若)の舞台である諏訪をテーマに、記念すべき初めての調べ学習に一緒に取組みました。
諏訪神社、一番多い県は?
逃げ若で鎌倉を追われた時行が暮らしていたのは「諏訪大社」ですが、子どもの小学校区に1つ「諏訪神社」があります。祖父母の田舎にも「諏訪神社」がありますが、いずれも長野県ではありません。
そこでフックを都道府県別の諏訪神社の数とし、新全国神社検索(皇學館大学 神社史研究会)を利用し、一覧を住所ごと出力しました。神社データベースは他にもありますが、こちらはExcelで加工しやすかったです。
諏訪神社の数を都道府県別にPIVOTすると、長野県は2位で、なんと長野県の3倍以上を抱える県が。想定外の展開ですが、その背景をChatGPTに質問をしてみたところ、◯県を他の県に書き換えても同じ回答を返すのみ。頼りない感じがしました。
○県に諏訪神社が多い理由には、長野県との地理的・文化的なつながり、水利を祈る農耕信仰の影響、戦国時代の影響、そして信州からの移住者による信仰の拡大といった複合的な要因が絡んでいます。こうした背景により、○県には長野県以上に多くの諏訪神社が存在するようになったと考えられています。
ChatGPTを捨てよ、諏訪へ出よう
いずれにしても、このようにChatGPTで「コタツ記事」を作るのは、小学生の調べ学習とはいえよろしくない。そこで秋の連休に合わせて諏訪旅行を企画したのはいいものの、諏訪神社の謎を仕事中の神職には聞けないし、そもそも神職の守備範囲かも分からない。
そんななか今回頼ったのは諏訪交通。偶然目にしたYahoo! ニュースによると歴史関連の執筆業もされているスペシャルな乗務員さんが、スペシャルなコースを巡ってくれると。こちらなら子どもに教えてくれるかもしれません。
「弓馬の天才にして大祝」の前で疑問氷解
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結論から言うと、このスペシャルで博識な乗務員さんのおかげでツアーの冒頭、諏訪大社下社秋宮にある金刺盛澄像の前で「○県の数」問題は解決。よかった。
ちなみに西日本は総じて諏訪神社が少ないのですが、乗務員さんは子どもの集計を見ながら「どうして鹿児島県だけ諏訪神社が多いか分かる?」とナイスな逆質問をくださいました。
○県や鹿児島県で諏訪神社が人気な理由は、実際1つではなく、日本史をまだ勉強していない子どもには難しかったかもしれません。しかし、「パルティアンショットの先駆者」「弓馬の天才」「諏訪大社の大祝」という属性盛りすぎ金刺盛澄の前で伺うと子どもの食いつき…もとい説得力がすごい。乗務員さんによる「金刺盛澄が頼朝の無理難題に応えまくった」という逸話も刺さったようで、信仰の背景理解はもとより、もはや子ども本人が諏訪を信仰しそうです。
その後は聖地巡礼的な展開のはずが…
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その後、アニメ版で時行が生活する建物の参考にしたと思われる諏訪大社上社なども回ったのですが、結局子どもが一番興味を持ったのは、金刺盛澄と盛澄を支援した梶原平三景時(梶原塚)。旅のハイライトである十間廊や諏訪頼重の供養塔、特に供養塔にはファンさんが置いたイラストなどもあったのですが、今回の旅行では金刺盛澄が最高だったと。次点は晩飯のイナゴ/ざざむし/はちのこと、おんばしらだと。
聖地巡礼でキャッキャしたかったのはむしろ自分だろうと反省しかありませんが、調べ学習において子どもが自分の足でかせぐ面白さに気づいてくれたから目標達成でしょうか。調べ学習で苦労されている皆様はいかがですか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!