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大愚

私は一時期、とある良寛の漢詩を新年の手帳に書き写すのが恒例であった。

生涯懶立身 騰騰任天真
嚢中三升米 爐邊一束薪
誰問迷悟跡 何知名利塵
夜雨艸庵裡 双脚等間伸

良寛

久しぶりに書物を整理していて、久しぶりに昔の手帳を見つけたとき、しばし時間旅行を楽しんだ。
人に馬鹿にされても、どうでもいい、そのような人たちはほっとけばいい、そういう思いをこの漢詩から私は学んだ。折にふれて、私が立ち返る漢詩である。

「医者になったのだから、いい生活ができるでしょ」と言ってくる人がいる。「周りを見てよ。あなたよりかわいそうな人がいるんだから」と言われることもある。一方で、医者の世界では「最下層で残念な人」として私を嘲笑う人たちもいる。彼らは、自分のランキングで「自分より下層」と思う人間を道具のように利用しようとする。

このような人たちと私は別の価値観で生きているんだよと強い気持ちで彼らに立ち向かう原動力を、私はこの漢詩から得ることができた。

うつ病とかパワハラとかあまり明るくないワードが含まれている文章がここ最近続いてしまった。反面、この細々noteに予想以上のアクセスがあり、驚いた。時期もあると思うが、悩んでいる人々が多いということを実感した。

私が悩んでいるとき、どうしたらうつ状態から逃れることが出来るのかというのが、大きなテーマだった。私はうつ状態から逃れたいと思い、24時間のうち16~18時間ほど寝続けた時期もあった。しかし、なんの解決にもならなかった。目を覚ましたら、いやな現実世界が待っているのだ。
一番効果があった私のうつ抜け方法は、たくさん寝て体の疲れを取る。そして、寝るのに飽きたときには、時間を忘れられるような好きなことをする。

最近、新しい資格試験の勉強を始めたおかげで、いつも使わない頭を使うことにより、少しずつ楽しくなり、元気が出てきた。すると、面倒だったことも、少しはやってみようかなという気になってきた。

周りの「こうしなきゃいけない」という価値観に振り回されずにいたい。少なくとも、うつ状態のときくらいは自分の思うままに生きていいと、自分に免罪符を与えています。

健やかな夢を今日もみれますように。