日々大変な買い物の負担を軽減させたい! 簡単・便利な注文体験「注文予測型レコメンド」
DX-CO・OPプロジェクトの取り組みを紹介するシリーズ。今回は、組合員さんが欲しい商品を簡単に注文できるサービスについて、DX-CO・OPプロジェクトかわむらさんにインタビューしました!
生協宅配を注文する際にユーザー(組合員)が感じること
「ああ、晩御飯のために買い物行かなきゃ」
「トイレットペーパーが切れてしまったから買わなきゃ」
そんな日常的な食材や日用品の買い物を『やらなければいけないタスク』と捉えている方は多いのではないでしょうか。
生協宅配は翌週届く商品を1週間前に注文する仕組みです。
注文方法は様々で、インターネット(ECサイト・アプリ)や注文用紙、電話、FAXなどがあります。(※内容はコープ・生協により異なりますのでご確認ください。)
注文締切直前に慌てて注文をして「とりあえず必要なものを買う」ユーザーが多くいることがわかり、『やらなければいけないタスク』をストレスなくこなせる機能を提供できないか?と考えました。
簡単・便利な注文体験を提供することで、組合員の生協に対する信頼度やファン度を高めたい、そんな想いで「注文予測型レコメンド」の取り組みが始まりました。
あっという間に注文!「Quick注文」「OCRレコメンド」サービスの誕生
「注文予測型レコメンド」の取り組みでは以下のことを目標としました。
そして、2022年1月コープ東北でWebサービス「Quick注文」がリリースされ、2022年3月には「OCR(注文用紙)レコメンド」サービスがリリースされました。
Quick注文とは、過去の注文データや組合員の特性と企画商品を紐づけてスコアリングし、過去に買ったことのある商品と過去に買ったことのない商品を1画面で提案するWebサービスです。組合員は注文ボタンを選択するだけで、最大20品~30品の注文が一度にできるサービスです。
「ワンクリックで注文完了」のコンセプトとして、過去買った商品、これから買いそうな商品が提示されます。
また、注文用紙ではAIがおすすめする商品を黄色に色付けするサービスをリリースしました。リリース直後はレコメンド商品を5品と設定し、2022年7月にレコメンド商品を10品に増加、8月にレコメンド精度カイゼンを実施して、さらに利用を増加させることができました。
もっと組合員さんに使ってほしい!カイゼンあれこれ
もっと組合員さんに使ってもらいやすいサービスとするために、リリース後もカイゼンを続けています。ここで、Quick注文のカイゼン例をご紹介します!
<Quick注文カイゼン例>
初期表示商品数の変更
どの組合員さんにもおすすめ商品20品を表示していましたが、組合員さん一人ひとりの平均購入額に応じて、商品点数を表示するよう変更
※ただし、どの組合員にも最低10品は表示
⇒【結果】利用人数・注文率アップ・組合員の注文時間削減
いつも複数点購入する商品は複数点数表示される
今まで、おすすめされた商品の数量は「1」で決め打ちでしたが、例えば、過去の購買履歴から「牛乳を3本買う」という傾向がある組合員さんには数量が「3」で表示されるように変更
⇒【結果】利用点数UP
🌟効果大🌟締め切り直前のメール案内
注文し忘れの組合員さんに対してメールを送信
⇒訪問人数・利用人数アップ
また、生協のお買い物で使えるポイントプレゼントキャンペーンを実施し、キャンペーン終了後も半数以上の組合員さんが再度Quick注文を利用していただいております。
Quick注文は、一度使うと便利さを実感できるサービスであると評価していると共に、組合員さんの注文に対する負担を軽減できていると考えると嬉しく思います。
他でもレコメンドデータ活用中!ECサイトのコーナーをカイゼン
2023年3月コープデリにて、レコメンドデータを用いたECサイトのコーナーがリリースされました。
元々、既存のロジックを用いたおすすめコーナーとして商品が表示されていましたが、今回、私たちが取り組む「注文予測型レコメンド」でのデータとの比較として、2022年8月にPoC(実証実験)でABテストを実施しました。
結果として、以下の効果がありました。
今までのロジックでは、「新商品」を多く表示していました。そのため、「普段の買い物」を目的に買い慣れた商品を購入する組合員はこのコーナーから購入する確率が低くなっていました。
今回の注文予測型レコメンドのデータを扱うようになってから、個人のほしいものが考慮されつつ、商品の出会いの場として、「新商品」は多めに表示されるようにしています。
その結果、「ほしいものが出やすくなった!」という声も出ています。
これからも「宅配の注文が楽になる」ことを目指します!
Quick注文は欲しい商品を1クリックで注文できることにより、ECでの買い物時間短縮ができています。Quick注文の約7割の組合員は2~3分の滞在時間で注文をしています。
自分自身、担当者としても、いち組合員としても、Quick注文に限らず、自分にあったおすすめが表示されることにより、「探すのが大変」「注文が楽になる!」というレコメンドの効果に期待しています。
そして、他の生協にもこの「注文予測型レコメンド」が導入され、多くの組合員さんに宅配の注文の便利さを実感してほしいです。
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今回、DX-CO・OPプロジェクトで取り組むプロダクト紹介第5弾でした。
日々の大変なタスクのひとつである買い物を、一人ひとりの組合員さんにあった商品をすぐに注文できるようにすることにより、暮らしのお役立ちに貢献できるのではないでしょうか。
この春、かわむらさんは東海コープに帰任となりましたが、今後も帰任先でDXを推進いただき、いつかまたお仕事ご一緒できる日を楽しみにしています〜! かわむらさん、ありがとうございました✨