見出し画像

5Gネットワークと無線閉域網の話

携帯電話利用料金値下げの流れが現実味を帯びてきた。NTTドコモの「ahamo(アハモ)」の発表は特に衝撃的な話題だった。MNO(移動体通信事業者)が、MVNO(仮想移動体通信事業者)の料金レベルまで値下げしてしまうとMVNOは絶対に料金で勝てない。

それは、MNOはMVNOに基地局を貸し出している胴元だから、MVNOより有利な料金を提示できるからである。KDDI(au)とUQmobile、SoftbankとYmobileの関係が今後どうなるのか注目したい。

MVNOの生き残る道は?

これまで帯域制限をかけて割安料金を武器にサービスを広げてきたMVNOだが、ここにきてMNOがMVNOの顧客を食い始めるとMVNOは無力化してしまう。MNOとMVNOはこれまで利用料金ですみ分けしてきたが、そろそろMNOはMVNOのことなど気にかけていられない状況になってきたということだろうか。

では、MVNOは今後、どうやって生き残ってゆくのだろうか?

1つの有望なビジネスは、5G無線ネットワークのインフラ上に構築するソリューション・サービスだと言われている。ここ数年、普及が期待されているのは5G無線閉域網ネットワークである。

5GネットワークはLTE(4G)と比較して無線伝送スピードが速い。そのため、企業内無線ネットワーク(ex.Wifi)と比較しても十分なスピードが確保できるうえにカバーエリアが広いため、これを仮想的に企業内ネットワークのような無線閉域網サービスとして提供することが期待されている。

いみじくもコロナ禍でリモートワークが推奨されるトレンドの波が来ていることから、セキュアでかつ広帯域な無線高速通信環境をあたかも社内のWifiネットワークに接続するかのような環境で提供できれば、どこからでも高品位なネットワーク網を利用できるようになる。

そうなると実はWifiネットワークが不要になる。携帯電話のデータ通信なので、カバーエリアは広くとれるため、社内に居てもWifiネットワークのように使えるからだ。

問題はセキュリティ強度の確保

5G無線閉域網サービスは今後、リモートワークでの利活用が進むと思われる。問題はネットワークセキュリティをどのように確保するのかという点である。

これは、端末認証技術に加えて生体認証技術との組み合わせによって、特定端末上で利用を許可された人物の本人認証を生体認証技術でカバーする方法である。

これによって、どの場所からでも安全にネットワークセキュリティを確保しながら業務を行うことができるようになる。

無線閉域網環境はコストダウンがはかれる

以上のような環境を導入すると、これまでのネットワーク環境と比べて

・Wifi無線設備が不要になる

・ファイアウォールなどインターネットの出入り口がシンプルとなる

などによって従来以上のセキュリティ強度を確保しつつコストダウンがはかれる可能性がある。

そろそろ、MVNOの中でこのような新しいソリューションサービスを提供する事業者が出てくるので、リモートワーク環境を検討している事業者は注目しておきたいキーワードだ。

いいなと思ったら応援しよう!

Osamu Arakawa
よろしければサポートお願いします。いただいたサポートは映像制作の機材購入などにあてさせていただきます。