64.9:20 「祖母姫」と我が祖母(やっぱり読書は面白い)
体重計に今日は乗れなかった。
恐ろしくて。
昨日食べ過ぎたのだ。
食事記録を始めて早3か月。
ここまでカロリーを摂取したのは、マクドナルドを食した時以来だ。
あの時の衝撃は忘れられない。
今回のカロリー強者は、「ドーナツ」です。
1個で300kcal超え。
侮るなかれ、小麦粉の揚げ物。
最近読んでいる本の中で、特に面白く読んでいるのが『祖母姫、ロンドンへ行く!』著・椹野道流だ。
面白いので、1章ずつしか読めない。
終わるのが勿体ないのだ。
そう感じるのは久しぶりである。
このエッセイの祖母姫こと、著者のおばあ様はとんでもなく自己肯定感が高く、且つ矍鑠とした素晴らしいご老人である。
祖母姫のエピソードを読んでいると、思い出すのだ。
我が祖母姫を。
既に他界している我が祖母は、祖母姫と同様に自己肯定感が高かった。
そして、とてもお洒落だった。
そこが祖母姫と似ているように思い、様々な思い出が蘇るのだ。
地方の片田舎に生まれた祖母は、若くして見合い結婚した。
その時代としてはよくあることだが、結婚式当日まで夫とは会ったことがなかった。
その時点で現代に生きる私たちからは想像もできない事である。
どんな人物かもわからない男性、そしてその家族のもとに「嫁ぐ」という時代があったことに改めて驚かされる。
結婚生活については多くを語らなかった祖母。
祖父は不慮の事故で50代の若さで亡くなっている。
私が生まれる前の出来事であったので、祖父の人となりが分からないが、あまり幸せな結婚生活ではなかったのではないかと思う。
また、祖母は存命だった曽祖父(祖父の父)の介護という苦労まで味わった。
そんな祖母であるが、いつも自信に満ちていた。
そしてなによりお洒落だった。
周りを見渡しても、同世代のご老人方と着ているものが全く違った。
そう、着道楽と言っていいほど、洋服が好きだったのだ。
ハイブランドのものが好きというより、オーダーメイドに凝っていたようだ。
祖母が亡くなった時、その遺品を片付けていた母が、服の多さに目を回したほどである。
晩年は寝たきりで、大好きな洋服に袖を通すことはなかった。
今でも覚えているのが、小学生の時のこと。
祖父母を招いてそれぞれが育てた菊を鑑賞する催しがあった。
祖母は、人目を引く華やかな洋服で堂々と登場した。
私は、どこか誇らしかった。
うちのおばあちゃんが一番素敵だ、と思ったのだ。
同じことを妹も言っていた。
それくらい、周りとは違う装いだった。
エッセイの祖母姫はハロッズでコートやステッキを新調している。
さすがに我が祖母はハロッズには行っていないが、そういうエピソードや祖母姫の言動がどこか懐かしく感じるのである。
全く別の人間である祖母姫に、我が祖母の面影をちらっと見つけられて、一気にこの本が好きになったのである。
まだまだ読了には時間をかけるつもりだ。
次にどんな祖母姫のエピソードが飛び出すのか、楽しみで仕方がない。
そして、そこにまた我が祖母の面影を見つけるのだろう。