水中浮き輪(詩)
まだ愛や希望が僕の心にいたころ
川や雨や海の中泳いで回っていた
そしたら濁流にのまれた 怖かった
まだ草や炎が僕の心にいたころ
誰か打ち明けれる人を探してた
そしたら悪党に奪われた 哀しかった
穴の空いた浮き輪のように 心は萎んでいって
恥ずかしながら今では 水中を彷徨うゴミ
ああ昔の懐かしのノスタルジー的なの
後ろから肩を叩いてくるけれどさ
あんまり欲しくはないや 嫌いだな
どうしようもない過去なら 忘れて仕舞えばいい
どうせ誰も気にしてないな からっきし捨てよう
まだ神様の心が僕の身体だったころ
浮き輪のチカラを信じて進んでいた
でも今じゃ海底の吐瀉物 いらないなあ
穴の空いた浮き輪ならもう 俺にはいらんから
新しい何かの拍子で 宇宙を目指して進む
新しいわからん何かで 宇宙を目指して進む
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