ひかり
広島サミット開催中。朽木祥さんの『八月の光・あとかた』を読んだ時の感想を自分の過去ブログから……朽木さんは広島市生まれ。被爆二世だとは知りませんでした。
『雛の顔』は、その日勤労奉仕をさぼって命拾いをした女性と、それを責めた女性、それぞれの心の変化とその後の人生が描かれ、続く『石の記憶』では、広島平和記念資料館に展示され、原爆の悲惨さを伝える「白い石段の影」にまつわる物語になっています。『水の緘黙』では、苦しむ人を助けられずに一人逃げた少年の自責の念が救われるまでの物語。『銀杏のお重』では、戦争で女性だけとなった家族が、戦争を、原爆をどう生き抜いたかが、『三つ目の橋』は、原爆で父と弟を、そして原爆による放射能症によって母を失った姉妹の物語です。
『石の記憶』では銀行の階段に残った黒い、小さな影を少女が見つける場面があります。「母の影が、石段に腰かけている。」
『水の緘黙』ではK修道士が少年に書いた手紙が心に響きました。
《ヒロシマを物語るということ》というタイトルのあとがきは「二〇一一年にフクシマの原発事故が起こったとき真っ先に考えたのは、私たちがこれまで十分にヒロシマを伝えてこなかったのでこんなことが起きてしまったのだということでした。」という書き出しで始まります。
特別に難しい言葉を使っているわけでも悲惨な状況をこれでもか!と書いているわけではなくて……特に『石の記憶』は小学生の時に教科書で読みたかったな、と思いました。
『はだしのゲン』についてはいろんな意見がありますが、ロシア語にも訳されているそうです。
ロシア語でも訴える『はだしのゲン』
https://www3.nhk.or.jp/news/special/senseki/article_177.html
八月の光・あとかた (小学館文庫) >> https://bookmeter.com/books/9794495