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バックパッカー、料理人を経て。「旅をするように生きてきた」異色の植物屋の足跡

「Explore Your Life.」を掲げるDUNLOP REFINED。
公式noteでは、人生を旅するように自らの道を拓き、闊歩する人物を紹介していく。

今回登場するのは、塊根植物やアガベ、陶器鉢をメインとした植物ブランドaobouzuの栗岡慧伍。バックパッカーから飲食業、そして植物……さまざまな世界を渡り歩いた後に立ち上げたaobouzuでは、従来の「植物屋」の枠にとらわれることなく、さまざまなアーティストやブランド、ショップとのコラボレーションを展開し、アートやカルチャーの文脈でも注目を集める存在になっている。

そんな異色の植物屋・栗岡氏の足跡を辿った。

自分が欲しいものは、ほかの誰かも欲しいもの
2020年に活動をスタートしたaobouzu。愛好家も多い塊根植物の分野において、その名を知らない者は少ない。

「もともと塊根植物は、コレクターというほどではないけれど、趣味でいくつか買って家にディスプレイしていたんです。みんなが欲しいものを、同じように僕も欲しがっていました。でも、それがよかった。僕が欲しいものは、きっとほかの誰かもほしいものだから。奇を衒うことなく、当時の感覚に忠実に『僕が欲しいもの』を仕入れて販売しています」

栗岡氏の活動は、植物の世界に閉じることはない。ポップでカラフルな”1980年代テイストの現代の女の子”を描いたアートが人気を集めるアーティスト「Hime」、時代と共に変わる女性の心情や個性を描く現代アーティスト「itabamoe」、さらには全国的に人気を集める本屋やセレクトショップなど、さまざまなコラボレーションを展開。アイテムの開発やPOP UPイベントを開催し、各種メディアでも取り上げられるなど、カルチャーシーンでも名前が挙げられる。

Hime × aobouzuのアートワーク
itabamoeとのコラボレーション

「旅するように生きてきた」20代を経て

栗岡氏は、どのようにして異色の植物ブランドを運営するまでになったのか。自ら「20代は旅するように生きてきた」と語る、その道のりを尋ねた。

「関西で生まれ育ち、大阪にある大学に進学しました。でも、就職活動中、いろいろな企業を見ていても心が動かなくて。『本当にこれが自分のやりたいことなのか』と考えた先に、就職活動を中断。バックパッカーとしてまずは2週間海外に行くことにしました。そこで『世界にはこんなに楽しいことがあるのか』と衝撃を受けたんですね」

帰国後は、大学を休学し、アルバイトで資金を貯めては海外に旅に出かける日々を過ごすように。アジア、ヨーロッパ、中東、アフリカ……丸めたガイドブックを片手に、バックパックを背負いながら、十数ヶ国を渡った。
「とにかくひたすら街を歩いていましたね。そこで得られたものは言葉では言い表せません」と栗岡氏は話す。

バックパッカー生活を経て、次に栗岡氏が選んだのは料理人の道だった。
「バックパッカー仲間と一緒に京都でカフェ事業を立ち上げたのが、料理人のキャリアのスタート。その後、そのカフェを畳み、世界一周を経験した夫婦が開業したカフェ『Cafe&Bar Smile Earth』や全国から人の集まるゲストハウス『LAMP』で働きました」

いずれも根強いファンの多い人気店舗。飲食の世界で着実にキャリアを重ねていく中で、予期せぬ事態が起きた。

「独立して飲食店を開業しようと考えていたんです。その準備のために、1ヶ月半インドやタイ、台湾に旅に出て現地の食を体感しに行ったり、料理のクオリティが高いホテルで働いたりしていました。でも、その真っ只中でコロナ禍に突入したんです」

外出自粛が迫られる状況下で飲食店の開業は諦めざるを得ない状況に。しかも、当時奥様は妊娠中だった。

「僕は前職を退職していたし、妻も出産のために仕事を辞めていた。つまり、2人とも無職の状態。さすがに『これはヤバい』と思いましたね。そこで自分に残されたカードを見渡した、そこにあったのが趣味で集めていた塊根植物だったんです」

試しに近くのサボテン園で仕入れて、インターネットで販売。すると、次々と仕入れたアイテムが売れていった。
「手応えを掴めたところで、手元のお金をつぎ込んで、植物を仕入れて、販売しました。そして、手元の資金を増やし、また植物を仕入れ、販売していく……そんなサイクルを回しながら、徐々に事業を拡大させていったんです」

その後の活躍は冒頭に紹介した通り。今や多くの人に支持される唯一無二の植物ブランドとなっている。

まだ見ぬ景色を見るために

バックパッカー、料理人、そして植物。栗岡氏が歩んできた、それらの活動に通底するものは、あるのだろうか。

「気の合う人たちと楽しくやれるか。それはいつも念頭に置いていますね」

aobouzuの特徴のひとつが、コラボレーション。そこには「気の合う人たちと楽しくやる」栗岡氏のスタンスが現れている。

「陶器鉢作家、現代アーティスト、ショップスタッフ……好きな人たちとコラボレーションするときは絶対メシを食べたり、飲みに行ったりしている。遠方の人でも『この人と一緒に何かをしたい』と思えば、もちろん自分から会いに行きます」

さまざまな世界の表現者と一緒に活動する中で活動の幅を広げてきた足跡が、唯一無二のポジションをつくってきたと言っていいだろう。今や栗岡氏の活動は、植物の枠に留まらず、アートギャラリーの運営やイベントの企画など多岐に渡っている。

「きっとまだ見たことがない景色を見たいんだと思います。20代の頃は、航空券を買って物理的に身を置く場所を変えることで、見たい景色を手に入れていました。でも、今はわざわざ場所を変えなくても、気の合う人たちとのプロジェクトを通じて日常の中で見たい景色をつくることができる。『いい景色を見たい』という気持ちは、ずっと変わらないのかもしれません」

「昔の自分にとって楽しいことと言えば、お酒を飲むか、旅をするかくらい。そのためにお金を稼ぎ、使っていた。でも、今はaobouzuの活動そのものが楽しい。別に『ブランド品を身に纏いたい』とか『キャバクラで高いボトルを開けたい』みたいな思いはないけれど、気の合う人たちと何かをつくるためにお金を稼ぎ、使いたいんですよね。仕事でおもしろいことしようと思ったら、下手したら世界中を旅するよりもお金使いますから」

すべての人に理解されなくてもいい

最後に、栗岡氏にシューズに対するこだわり、そしてDUNLOP REFINEDのアイテムについて語ってもらった。

「シューズって、ある意味消耗品じゃないですか。めちゃくちゃ高価で上等な一足を買ってもなかなか履きにくかったりする。だから、気を遣わずガシガシ履けるものが欲しい。あと、僕は服が大好きだから、いろいろなスタイルを受け止めてくれるようなスタンダードなデザインも重要ですね」

そんな栗岡氏が選んだ一足が、DA7012。かかとを踏んでサンダルのように使うことができ、靴紐もドローコードになっていて結ぶ必要がない。

「ベーシックなデザインでシチュエーションを選ばないのがいいですよね。街歩きにもいいし、移動が多い旅にも良さそう。あと、靴紐を結ばなくていいのもラクでいい」

これまでの足跡を振り返り、栗岡氏は語る。
「今の時代、すべての人に理解されたり、好かれたりするのは無理なこと。僕のことをよく思う人もいれば、よく思わない人もいると思う。でも、いちいち考えていても仕方ないじゃないですか」
そんな言葉を語った栗岡氏は、これからも己の道を踏みしめていくだろう。


(Profile)
栗岡 慧伍 / Keigo Kurioka
aobouzu店主 
(株)CROSSBORDER代表取締役、1989年生まれの長野市在住、兵庫県明石市出身。 パックパッカーや料理人を経て青坊主を開業。 塊根植物やアガベ、陶器鉢を販売。
Webサイト:https://aobouzucaudex.com/

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