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睡眠負債と事故の関係

 こんにちは。

 前に睡眠の大事さの記事を書いたところたくさんのいいねの反応がありました。ありがとうございます。たくさんのいいねがあると記事を書くモチベーションも上がり、より役に立つ記事をこれからも書き続けたいと思います。

 この記事では、睡眠負債について取り上げ記事にしたいと思います。

1、睡眠負債とは

 2017年に流行語大賞のトップ10に選ばれた睡眠負債という言葉。NHKスペシャルで2017年6月に取り上げた内容が大きな反響を呼んだものと思われます。私はこのテレビを見ていませんでしたが、非常に興味があるのでネットやDVDなどで視聴することができればぜひ見たい内容です。

 睡眠負債とは、読んで字の如く慢性的な睡眠不足を指す用語です。この睡眠不足が私たちの脳の機能を大きく低下させ、事故や作業能率の低下、病気などを引き起こしてしまいます。そして、この国民1人1人の負債の積み重ねが最終的にはGDP(国内総生産;一定期間内に国内で新たに生み出されたモノやサービスの付加価値)の社会的損失にもつながっているようです。その金額は、2017年度の合計金額で1,380億ドル(2018年1月の為替レートで15兆1,800億円)、GDP比2.92%にも及ぶようです。

 2015年の厚生労働省「国民健康・栄養調査」によると、1日の平均睡眠時間6時間未満の日本人の割合は20歳以上に限ると39.5%という驚愕の数字が出ています。

※白川修一郎著『命を縮める「睡眠負債」を解消する科学的に正しい最速の方法』祥伝社、2018年 より

 これを振り返ってみると、20代の頃の私も睡眠時間は6時間未満だった気がするので非常に納得する数字ですね。

 今は、24時間営業のコンビニ、外食チェーン、深夜営業の居酒屋チェーン(今は、緊急事態宣言下で時短命令が出ていますが)など、多数の深夜営業のお店があります。一方、交通機関では夜行バスも毎日のように運行され、夜に活動する需要が高まっているため、なかなかこの睡眠時間を確保することが容易ではないかもしれません。

 ただ、この睡眠負債、GDPの低下と聞くと自分の給料も変わってないどころか、コロナで逆に忙しくなっているし寝ている場合じゃないという人もいるでしょう。ただ、これは他人事じゃ済まされないです。これから紹介する睡眠負債が原因とする事故の例をみるといつ自分自身に事故が降りかかってもおかしくないことばかりです。

2、睡眠負債の事故の例

①チェルノブイリ原発事故

 1986年に起きた世界最大級の原発事故の一つであるこの事故、原因は責任者の睡眠不足による注意力低下が原因とされています。炉心融解(メルトダウン)ののち、原子炉が爆発、広範囲に有害な放射性物質が拡散し、周辺にはいまだに居住できていません。

 原子力事故が周辺地域にいかに大きな影響を及ぼすかは、東日本大震災での福島第1原発の事故のことを思い出すと明らかでしょう。

②関越自動車道高速バス事故、軽井沢スキーバス転落事故

 この2つの事故も記憶にある人もいるでしょう。

 2012年4月、金沢を夜出発し、東京ディズニーランド朝到着予定の高速ツアーバスが関越道の藤岡ジャンクション付近の防音壁に衝突、乗客7人が死亡しました。防音壁にバスが衝突した画像を見ると、非常に残酷なものです。この悲惨な事故が起きた原因の1つは運転士の睡眠不足だと言われています。運転士は、白山市のホテルに朝チェックインして、夕方チェックアウトしましたが、その間あまり眠ることができずに勤務についていたことが証言で判明しています。

 その4年後また悲惨な高速バス事故が起きてしまいました。こちらは、もっと記憶に新しいでしょう。2016年1月15日長野県軽井沢町の国道18号碓氷バイパスを走行中の大型観光バスがガードレールを薙ぎ倒して道路脇に転落。この事故で乗務員2人を含む15人が死亡しました。この事故を起こしたバス会社の管理は非常に杜撰なもので乗車前の酒気帯び確認や、入社前の適性検査を行なっていなかったことが判明しています。運転手の体調に異常はなかったと会社側は言っているが、事故を起こした運転手は1度も健康診断を受けていなかったことが判明しています(これも完全な法令違反)。この事故では、運転手の運転技術の不足などが指摘され、居眠り運転が明確な原因にはなっていませんが、夜中の運転ということで背景に居眠り運転があった点は否定できません。

 これらの事故を受け、高速バスの競争激化による安全面への配慮の問題点が指摘され、様々な点で法改正がなされました。ただ、長距離夜行バスが2人の交代勤務になったとしても根本的な睡眠負債の問題が解消されない限りはまたいつか大きな事故は起きそうな気がします。

 また、この2つの事例以外にも睡眠不足による不注意が原因で起きた事故は枚挙にいとまがありません

3、睡眠不足による自動車運転の危険性

 交通安全をアメリカの非営利団体AAA foundation Traffic Safetyの調査によると7時間異常睡眠を取った人が事故を起こす確率を1とすると4〜5時間の睡眠時間で事故確率は4.3倍、4時間未満だと11.5倍にまで跳ね上がるという報告がなされています

 これを考えると睡眠不足で注意力が散漫な状態でハンドルを握ることがいかに危険かがわかると思います。実際に事故の原因の多くが周囲の確認不足による不注意 で、この原因の奥には睡眠不足の積み重ね(睡眠負債)が潜んでいると思われます。

 こう考えるとけっして他人事ではありません。自分が歩いたり、自転車で移動している間で通り過ぎる車やバス、トラックの中にも睡眠不足を抱えて運転している人がいますから。特に子供は非常に注意が必要ですね。

4、睡眠負債を溜め込まないために

 今回の記事では、睡眠負債を溜め込み、運転することによる危険性を指摘しました。ある調査では、4時間未満の睡眠で車を運転することは飲酒運転よりも危ないことが指摘されています。

  居眠り運転の罰則は法律上定義はありませんが、もし事故を起こして過労運転とみなされてしまったら違反点数25点加算され、一発で免許取消しになります。さらに罰則として3年以下の懲役又は50万円以下の罰金が課されます。ここまで厳しい処分を受けると社会的な信用を大きく失ってしまいます。

 そうならないためにも、飲酒運転撲滅で「飲んだら乗るな乗るなら飲むな」というキャッチフレーズがありますが、居眠り運転防止のために「眠たきゃ乗るな乗るなら(しっかりと)眠れ」というキャッチフレーズを自分の中で作った方がいいかもしれません。

 とはいえ、深夜までやるタスクがあり睡眠時間を確保できないという人も多いでしょう。その時に必要なのは、本当にそのことやる必要あるのという時間を考えることです

 例えば、1時間惰性でテレビを見ている時間や深夜にメールをチェックする時間などです。このような時間を見直し、睡眠時間は6〜8時間取れるようになればいいと思います。

 私も今は、7時間以上の睡眠時間を確保していますが、以前は6時間未満の睡眠時間や寝る前に飲酒していたので中途覚醒する日も多く、良質な睡眠が取れている日は少なかったです。運転中も眠い目を擦りながらハンドルを握っていましたし、今思うとよく事故らなかったなと思います。

5、現代社会で睡眠時間を確保するために

 今の社会は24時間動いており、夜中も仕事している人も多いです。新型コロナウイルスの対応で、24時間対応を迫られているのも現状です。

 そんな中でも、睡眠と食事のという生きていく上での2つの大きな柱は大事です。睡眠というのは、人間の生きていく上での基本的な機能を保持する働きをしています(詳しくは後日また記事にします)。

 この睡眠を疎かにすると注意力散漫になりますから、運転以外でも仕事のミスは増えますし、ワーキングメモリの保持機能も落ちるので勉強の効率も悪くなります。

 日々のタスクに追われながらも、睡眠時間だけは優先して確保したいですね。

 今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただき本当にありがとうございます。

 

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