政治家の「事実」
あんたもNHKの日曜討論で高市政調会長と茂木幹事長が二週にわたってエライ発言をしたことに対するネット上のわちゃくちゃを眺めているかい?
高市政調会長はこんなふうなことを言ったらしい。
茂木幹事長はこんな事を言ったらしい。
高市政調会長の発言はシンプルに事実と異なっているし、茂木幹事長の発言は間違っている上に国民に脅しをかける意味を含められていて、高圧的だという茂木幹事長の人格に対する違和感をもってわちゃくちゃされている。
今回はこのお二方の発言について調べてみる回だ。
マジで、どうなってるのか。ちっと調べてみようぜ。
高市政調会長の発言を調べる
まずは消費税がどう使われているのかってのを財務省に聞いてみよう。
ははーん。財務省は全額消費税は社会保障に使われてますぜって言っている。
2021年の政府の歳入と歳出はこんな感じだったらしい。
https://www.mhlw.go.jp/content/12600000/000871571.pdf
これを見ると、消費税の歳入より社会保障費の方が大きいでしょ。だから全額使ったって言ってんのよ。って見えるわけかな。
あり?ちとまてよ。
この地方交付税ってところ、利用使途が社会保障に限定されないよな?
これだけで、高市政調会長の発言が事実とは異なるって話になる気がするんだけれど、違うのかな?
でもお金に色はついていないから、そのことを立証する方法が無いような。
茂木幹事長の発言を調べる
次に茂木幹事長の「年金3割カット」の意味を調べてみる。
さっきのグラフによれば社会保障費の内訳はこうらしい。
年金:13.4兆円(41.6%)
医療:12.1兆円(37.6%)
介護:3.6兆円(11.2%)
子育て:3.1兆円(9.6%)
で、消費税の歳入が21.6兆円だから、年金に割り当てられる金額は21.6兆円×41.6%≒9兆円。
ってなると13.4兆円の67%くらいか。
うん?3割ってどっから作った数字なんだ?
3割どころか6割財源がなくなりますよって話ならまだわからなくもないんだけれど、ちょっと数字をどう作ったのかが想像を超えてるな。
もちろん、財源としては国債発行をして年金を維持しなきゃおかしいだろって話はあるとして、シンプルにロジックがわからない。
更に、消費税が10%に増税された後の年金の支給額を見てみる。
2020年4月〜781,700円
2021年4月〜780,900円
……減ってる。
99.9%くらいだけれどね。
え?消費税の歳入が減ってるんだっけ?
おお、なるほど。消費税の歳入が減ってるね。
2020年が21.7兆。
2021年が20.3兆。
93.4%くらいになってるんだね。
あれ?
消費税が93.4%まで減ったのに、年金は99.9%にしかなってない?
連動してないよね。
これを見ると、茂木幹事長の消費税が無くなったら年金が3割減るって根拠が更にわからなくなったな。
ほんと、どういう計算をしたんだろう?
俺個人としては、消費を増やすためには消費税が邪魔だねってのがシンプルな思いで、消費が増えれば企業の利益も増えるから法人税収も増えるし、そんなに急に法人税が上がらないにしても、国債発行で対応すればいいだけだと思っているんだよ。
でもそんなことを脇においておいて、さらには茂木幹事長の発言は高圧的だとか脅しを政治家がしていいのかとか言う倫理的な課題をも別問題として、どシンプルに説明能力が低すぎないか?
なあ、あんたはどう思う?
この二人の発言の「事実」はどうして作り上げられたんだと思う?