シティーハンター天使の涙を見てきた
あんたも楽しみにしている映画ってあるかい?
俺はちょっと前からワリカシCMでの露出が多くなってきていたシティーハンターの劇場版「天使の涙」楽しみにしていたので、久しぶりに映画館に家族で足を運んだわけよ。
映画館でもらえる鑑賞特典でサイン入りイラスト色紙(印刷)を貰えるってんで喜び勇んでいったわけだ。
この映画特典にはご満悦な俺だけれども、映画の中身はと言うと正直もちっとなんとか出来たんじゃないか?って感覚があるんだよね。
今回はこの劇場版シティーハンター「天使の涙」についてネタバレあり、忖度なしで語ってみる回だ。
俺がシティーハンターと言う世界観に何を求めていたのか。
ちっと整理させてくれよ。
演出が冗長
ぶっちゃけ、前半部分の冴羽獠のおふざけシーンは尺が半分か1/4でも良かったんじゃないかと思った。
正直、眠気を誘われたことをここに白状しておく。
あれかなぁ。シティーハンター見たこと無いヒトにはこれくらいしつこく「三枚目」である冴羽獠と言う存在を意識付けさせる必要があったって判断なのかな?
三枚目演出をまるきり失くしちゃダメだけれどさ、ぶっちゃけ、映画の終わりに続編を匂わされた辺りで、「あの三枚目演出は続編を作るための尺稼ぎ」でしか無いように見えちゃったんだよな。
あれに尺を割くくらいなら、槇村のシーンの焼き直しでもいいから厚みをもたせたほうが、今回の映画単体としてのカタルシスにつなげることだって出来たと思うんだ。
感情が刺激されない
今回の天使の涙を見終わった率直な感想は「ああ、懐かしい感じだな」ってくらいかな。
中盤までの冴羽獠を始めとするメインキャラクターは俺たちの記憶にあるものと一致していたし、いわゆる偉大なるマンネリズムの空気感を醸し出していた。
まあ、それ故に眠気を誘うものであったってのも否めないんだけれどね。
たださあ、俺は映画予告を見て映画館に行ったわけよ。
海原が出るって知ったから行ったわけよ。
槇村のシーンが描かれると知ったから行ったわけよ。
でもね。
まるきり描かれんのよ。海原も槇村も。
海原がメイヨールとして抱えているであろう苦悩も。
槇村がどんな思いでシティーハンターになったのかも。
なんも説明されないし、作品として重要視されていないんじゃないか?って疑いたくなるくらい徹底して描かれない。
これさ。
シティーハンターをまるきり知らないヒトが見たらポカーンってなっちゃうやつだと思うんだよな。
続編を作るってんなら、その辺の悲劇的な要素を各々がどうやって乗り越えてきているのかっていう表現は必須だと思うんだ。
だって、どう考えたってユニオンテオーペとの対立を続編以降で描くんだろ?
原作では深くは描かれなかった冴羽獠のユニオンテオーペに対する思いの源泉みたいなものを補完するような作品こそが求められているんじゃないのかって思うんだよ。
なんだろ?今回のキャラクター描写は悪い意味でマンガ的になりすぎていて、人間の持つ感情みたいなものがまるで感じられなかった。
ここで香は「獠!」って叫ぶよな。
ここで海坊主はしたり顔で「それは奴もわかっているはずだ」って言うよな。
なんつーのか、まるきり予想通りのセリフが飛び出てくる。
これじゃあ観客の感情は動かね~よ。
俺たちは感動を体験するために映画館に足を運んでいるんだぜ?
アンジーの行動理由が腑に落ちない
今回の天使の涙のヒロインの位置であるキャラクターアンジー。
このアンジー序盤こそ自分の正体を隠しているが、直接的には冴羽獠を超えることを目的に行動している。
ところがなんで冴羽獠を超えたいのかってなると「かつての海原を取り戻す」と言う実に腑に落ちない理由だけ語るだけになっている。
この辺の背景描写ももっと丁寧に描くことが必要だったように思うんだよな。
つまり、今回の劇場版シティーハンター天使の涙の感想を一言で言うならば「キャラクターと演出が薄っぺらい」ってことになる気がする。
なあ、あんたはどうだい?
あんたもあの映画を見たとして、何を感じた?