【すっぱいチェリーたち🍒】スピンオフ田中健一編#19
あんたも誰かの企画に乗っかって何か書くことってあるかい?
今回もこの企画に乗っかってみようかね。
企画ページ本体はこっち。
前回のはコレ。
演劇の描写マジでむずかった。
で俺の持ちキャラはこいつ。
CV:大塚明夫を想像しながら読むと腹がよじれると評判w
今回は引き続き文化祭の演劇鑑賞を終えた後の校内徘徊を書くぜ。
演劇の感想
なんか、感動的だとは思うんだけれど、毒リンゴで倒れた赤ずきんの少女(ゴリラ)は王子様のキスで目覚めるのが定番な気がしたなぁ。
でもまあ、ゴリラとキスするのはちと絵面的に厳しいか。
まあ、あのエンディングはプラトゥーンっぽくて良かったかもしれん。
「さてと、なんか食うか」
そんな独り言を漏らして体育館を一度出る。
バンドの演奏は14時って言ってたもんな。
飯を食う時間くらいはありそうだ。
そう思って校内をふらつき始めた。
校内の様子
校内をプラついているとガッキーの言う通りメイド喫茶やらお化け屋敷やら各クラス頑張っている感じなんだな。
低偏差値って噂だけど、動いている生徒たちの目は結構生気に満ち溢れている感じだ。
なんつーのか、やる気がない少年少女には見えない。
よくわかんねぇけど、ガッキーたち頑張ってんのかなって話なのかもな。
そういえばちゃぼさん見かけねぇな。
どの辺にいるんだろ?
見渡したけれど見つからない。
まあ、文化祭は学生たちのもんだしな。
教師が手を出すもんじゃないってことかもしらん。
で、プラついていると調理室の前を通りかかる。
「早く早く!」
「待ってよまだきつね色になってない」
そんな声が中から聞こえる。
またしても裏方の仕事だ。
良いねぇ。
早く大人になって俺たちを楽させてくれよ。
つってもここの少年少女が一人前になる頃には俺は定年だ。
いや、もしかしたら素直に定年なんて出来やしないのかもしらんけれど。
そうなると安月給でこき使われるわけなんだよな。とほほ。
もしかしたら、ここの少年少女に指示を受けて作業することになるのか。
まあ、それも悪くないか。
そこまで真っ当に生きていられたらだけどな。
そんな事を考えながら調理室を眺めていたら、一人の少年が調理されたものをスチールで出来たお盆に乗せて飛び出していった。
売り場の少年少女
その少年の後をなんとなく追ってみる。
まあ、あんだけ一生懸命調理したとは言え、少年少女が作ったもんだから、味だとかは期待してない。
とりあえず腹減ったから食いたいんだが、その食い物を売ってる場所がよくわからんから、あの少年を追ってけばなんとかなんだろ。
って、少年速いよ。
廊下は走っちゃダメって先生に教わらんのか!
なんとか少年を目で追っかけるとどうも二階の教室に行くみたいだ。
にゃろー、オッサンの観察眼を舐めるんじゃねぇぞ。
#意味のない対抗心
そんで、二階の教室を眺めていくと、あったあった。
う!ガッキーの言ってたメイド喫茶じゃん。
ひるむ俺。
「まあ、何をするわけでもないしな」と声に出して自分を説得する。
無意識に無精髭を撫でる。
意を決してその教室に足を踏み入れる。
「おかえりなさいませ。御主人様」
人生で経験したことのないような言葉で迎え入れられる。
なんだろう。
どう返答するのが正解なんだろう?
「ああ、おかまいなく」
バカか俺は。
この少女たちは全力でこの空間を作り上げてるんだぞ。
それを台無しにしてどうするよ。
そんな風に構いもせず畳み掛けられる。
「御主人様。お席はあちらになります」
促されるまま席に通される。
ダメだ。俺やっぱここにいるのが不自然すぎる。
そう思いながらも、さっきの少年の一生懸命さが目に残ってる。
「さっき、到着した料理ってなんだっけ?」
少女に問いかける。
「えっとなんだったろう?見てきますね」
そう言って駆け出す少女。
なんだろうな、この背徳感。
まあ、少年が運んだ料理を食べるんならそれはそれで良いじゃないか。
そう思ってメニューを眺めた。
「アメリカンドッグと卵とシーチキンのサンドウィッチでした」
さっきの少女が満面の笑みでそう伝えてくれた。
「じゃあ、そのサンドウィッチとコーヒーをお願いできるかな」
「かしこまりました御主人様」
またも満面の笑みでオーダーを伝える。
いやはや、あの歳でも演技ってのは成立するんだな。
で、そのオーダーを用意している間にメイドたちのヒソヒソ話が聞こえてくる。
おいおい、聞こえるようにヒソヒソ話しちゃダメだろうが。
もちっとヒソヒソしとけって。
とか言う謎の親心を発揮している自分に気づいて苦笑いを浮かべる。
「ねぇ爽。あのヒトだれのお父さんかしら」
「わかんないけれど、あの髭は怪しさを増している感じかもね」
あちゃぁ。やっぱ髭は剃ってこないとダメだったか。
「でもなんか優しい感じもするよ」
おおう、少女。
あんがとうなぁ。
そんなこんながありつつ料理が届く。
「おまたせしました。御主人様」
爽と呼ばれた少女が持ってきてくれた。
「ありがとう。いただくよ」
そう言って俺はサンドウィッチをコーヒーで流し込んだ。
サンドウィッチは想像した通り缶詰のシーチキンをマヨネーズで和えている想像通りの味。
気持ちマヨネーズが多めかな?
コーヒーはまあ、仕方ないんだけれど、インスタントコーヒーの味。
それよりも少年少女が頑張っている姿を見るためにここにいるんだよな。
そんな事ことを考えながら俺はそのメイド喫茶を後にした。