竹中平蔵さんが認めた「誤り」
最近あんたにとってのビッグニュースって言うと何になる?
昨日はマジで今年一番驚いたかもしれないニュースが俺の低めのアンテナに引っかかってきたんだよ。
今年と言う激変の年の中で起きたことの中でも、結構なレベルの驚きをそのニュースはもたらせてくれたんだ。
そのニュースがこれね。
曰く、あの竹中平蔵さんが「財政均衡主義は間違っていた」って主張をしたんだそうだ。
何?何がそんなに驚きなんだって?
だってあの竹中平蔵さんだぞ?
ミスタープライマリーバランスだぞ?
小泉内閣で緊縮財政をおっぱじめた張本人だぞ?
そんで、ここからが肝心なところだけれど、竹中平蔵さんは菅内閣において、少なくない発言力を持つ御仁だ。
今回は竹中平蔵さんの発言について考えてみる回だ。
これはチャンスなのか?
それとも何かの危機の始まりなのか?
ちっと一緒に考えてみようや。
財政均衡主義って何か?
まずは財政均衡主義ってのは何かからおさらいしておこう。
財政均衡主義はその名の通り均衡財政を実現しようって主義だ。
何?その均衡財政が分からねーってんだ?
そらそうだ。
調べてみると言葉としてはこういう意味らしい。
中央政府や地方政府の予算において、経常収入(租税、印紙収入など)が経常支出(最終消費支出、移転支出など)と、換言すれば政府貯蓄が政府投資と、相等しい状態をいう。
出展:コトバンク
要するに税金で集まったお金以上使っちゃダメよってことだね。
財政均衡主義は正しくないと竹中平蔵さんが言う背景
で、実際にこの緊縮財政が何をもたらしたのか?
ざっくり言えば景気が悪くなったわけだけれど、そのロジックはこうだ。
不景気だからみんなお金使えない。
景気ってのは誰かの需要が供給能力を上回ると良くなる。
皆の需要が下がっているんだから国が景気を下支えするための投資をしないといけないんだけれど、その国が需要を創出してこなかった。
この前提にたって、国が支出をするためには、その財源がいる。
その財源をこともあろうに増税で賄うって選択を日本政府はしてしまった。
そこにダブルパンチを新型コロナがたたきつけたってわけだ。
じゃあ、財源は何にすべきなのか?
世界の潮流は赤字国債の発行だ。
この記事によると、2020年は一連のパンデミックに対応するために世界中でGDPとおんなじくらいの政府債務が発生することになるらしい。
GDPとおんなじって何気にえぐい数字だよな。
働いて出来上がる価値と同額ぐらいの借金があるってことだ。
従来であれば、この勢いで政府債務を増やすとインフレが加速しちまうって懸念されていた。
ところが、実際はこうだ。
西側諸国のインフレ率はおおむね2%以下。
日本に至ってはマイナス。まさにデフレだ。
そうなんだよ。政府債務を増やしても経済はインフレに傾いていないんだよ。実際問題。
これは財政均衡主義は誤っていたという竹中平蔵さんの主張の切り替わりを決断させるに十分な事実だったってことなのかもしれない。
パンデミックに対応するためには政府の力が必要
当然だけれど、今年のような状況になってしまったら、民間企業や個人消費にできることはほとんどない。
なんつっても、国や地方自治体が「おまいら働くな」って言う状況では需要どころか供給能力すら維持できない。
今は、如何にして市場が失ってしまった需要を維持させるかってことを本気で考えないと洒落じゃなく国がもたない。
第三波がすでに到来しており、ワクチンの効能もまだわからない。
こんな時に感染拡大を抑止しつつ、経済を回すためには本当の意味で大胆な方法をとるしかないはずなんだ。
今までは政府に大きな影響力を持つ経済学者の皆さんが均衡財政の必要性を訴え続けていた。
ところが、さっきの数字に見る通り、均衡財政そのものはインフレとは全くと言っていいほど関係がないことが現象としてとらえられた。
こいつは紛れもない事実だ。
今すぐにでも、国が大胆な財政出動をしていく判断が必要な時に、その手段があるってことを俺たちは見とかないといけないよな。
その手段を俺たちのリーダーはとることが出来るのか?
出来ないとしたら、その理由は何なのか?
なあ、あんたはどう思う?
均衡財政の呪縛から逃れた先にあるものはどんな世界になると思う?