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【すっぱいチェリーたち🍒】スピンオフ田中健一編#22

あんたも誰かの企画に乗っかって何か書くことってあるかい?

今回もこの企画に乗っかってみようかね。

企画ページ本体はこっち。

前回のはコレ。
ミスッタチェリヤネンの2曲目まで書いてみたよ。
しまったアンコール分もあるか。ということで今回はアンコールの部分を書いてみるかね。

で俺の持ちキャラはこいつ。
CV:大塚明夫を想像しながら読むと腹がよじれると評判w

今回の元ネタはこちら。



アンコール

よ~しこれで終わりか。
少年たちの目的が達成されたか(モテてるか)でも観察しに行くかね。
と、よろしくないオッサン思考で歩き出そうとしたその時。
「アンコール!アンコール!」
おおう、学祭でアンコールとか対応出来るんか?

って、少年たちまた出てきたぞ。
運営側はスケジュール調整がエグいのかもしらんな。

撤収のための時間とか、結構ギリギリで作ってたら学祭後ホームルームの後に居残り片付けになるんかね。
大変だなぁ。

とか、よくわからない心配を他所に、アンコールへ答えた曲が始まった。
宇利少年が言う。
「では聴いてください!『抱きしめたい』です!」

おおう、今度はミスチルの曲かい。
サザンからミスチルと桑田佳祐のコラボ曲、でミスチルで締めると。
さては狙ってたな?アンコール。
良き良き。策は練るもんだ。

そして曲は宇利少年のボーカルで進行する。
今度はサイドギターも兼任なんだな。

このバンドの場合、キーボードが無いからリードギターでそこをカバーしていくスタイルっぽい。
たしかにこの曲キーボード無しだと厳しいもんな。

おおう、ベースもきっちり仕事しているじゃんか。
そこに宇利少年のボーカルが乗っかる。

おおう、なんか魂的なものを声に混ぜてきたね。
よくわからんが、あの川辺の土手で落ち込んでいたのもキチンと糧になってんだな。

そして、この「文化祭」と言う状態だから出る声なんだろうな。
カラオケじゃこうはならん。
その場にいる少年少女の気持ちを吸い取りながら歌っている感じがしたんだよね。
それがMarshallのスピーカー越しに体育館に響き渡っている。

その響きをうけて、この場にいるすべてのヒトの感情を刺激する。
つまりはこの場にいる少年少女の気持ちの強さみたいなもの共鳴しているってことなんだろう。
もう何度目なんだろうな。
心のなかで呟く。
「青春だなぁ」
って。

この少年、さっきまでゴツい赤ずきんちゃんしてたんだぜ?
えらい変わり様だ。

演奏の終わり

盛り上がりは宇利少年だけじゃなくギター少年も活躍していた。
たぶん、このアンコールを想定してこの曲も必死に練習したんだろうなぁ。
それもキーボードパートをギターにアレンジして奏でるって相当めんどくさい作業だったろうに。

でもそれを心底楽しんでいるって表情が印象的だった。

そして、3曲通じてのMVPはドラム少年だな。
ホントに「地面」のように揺るがないリズム。
あの年齢であそこまで出来るもんなんだな。

たぶん、ジャズ系のバンドに混ぜてもらって武者修行したら結構なものになる気がする。

そんな事を考えているうちに、アンコール曲が終わる。

「すごかったよね」
「私ファンになっちゃいそう」

中には涙を流している少女もいた。
良かったな。少年たち。
少なくとも今この瞬間はモテてるぞ。

去っていく少年少女。
そして、撤収にかかる少年少女。

おっと、ここに突っ立てたら撤収の邪魔になっちまうな。

そう思って、俺は体育館を後にした。

立ち去る時

体育館を出ると、少年少女が思い思いの感想を口にしていた。
「なんか楽器俺もやろうかなぁ」
「でも楽器って高いんだろ?」
「そう言えば、見栄さんがブルースハープやってたじゃん」
「ブルースハープって?」
「なんつーか、ちっこいハーモニカ。
 午前の一発目で聞いたんだけれど、なんか、こう、すごかった
 ブルースハープ一本で他に誰もいない静寂のなかで響く音の渋さ!」
「マジで?!俺聞いてねぇ」
「おめぇはそういう肝心なところ逃すよな」

そうか、あのブルースハープの少年、朝一の出番だったのか。
何演ったんだろう?
っていうか俺も聞きそこねた。くそぅ。

あの川辺でのハーモニクスもちっと聞けたかもしれないわけか。

ぜってー少年少女の心を掴むと思うんだよな。
まあ、実際掴んでいるっぽい。

そんな事を考えながら、俺は校門に向かった。
ボロっちースニーカーに履き替えながら。

#すっぱいチェリーたち
#歌えないオッサンのバラッド

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※コレは宇利少年が演劇前に腹痛から立ち直った世界線です

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