
【すっぱいチェリーたち🍒】スピンオフ田中真人編#34
あんたも誰かの企画に乗っかって何か書くことってあるかい?
今回もこの企画に乗っかってみようかね。
企画ページ本体はこっち。
前回のはコレ。
若者たちが覚悟を示す物語。
で俺の持ちキャラはこいつ。
CV:大塚明夫を想像しながら読むと腹がよじれると評判w
今回も息子の真人視点の物語だ。
真人はCV:梶裕貴で読んでみてくれよな。
夢への道程
その後、圭子と圭子のご両親を交えて昼食会ってなった。
これならお店でやったほうがご両親にとっては楽だったかもしれないと思ったけれど、いわゆるほんのりとした温かい料理で俺をもてなしてくれた。
「さあ、召し上がれ」
圭子のお母さんが勧める。
「いただきます」
俺にはわからないけれど「おふくろの味」ってやつなのかななんて想像した。
温かい。
ただそれだけしか思いつけなかった。
「……真人、大丈夫?」
圭子が何かを心配しているっぽい。
なんだろう?
そう思っているうちに俺の頬に涙がつたっていることに気がつく。
「あれ?なんだろ。なんにも悲しくないのに」
ああ、そうか。
俺は圭子と同時に「母さん」という家族を手に入れるのか。
「美味しいです。お母さん」
涙声になってた。
自分ではあふれる感情をどうすることも出来なかった。
今までいなかった母親という穴を改めて認識した。
それは途方もない大きな穴だった。
父さんはこれを埋めようとしてくれていたのか。
そりゃ、無茶だよ父さん。
「たんとお食べ」
圭子のお母さんは優しく俺に言ってくれた。
もうダメだった。
「はい」
そう答えることしか出来なかった。
ボロボロに泣きながら俺は味噌汁をすすった。
帰り道
昼食を終え、俺は圭子の家をおいとますることにした。
なんか感情がぐちゃぐちゃでこれ以上ここにいると醜態をさらにさらすことになりそうだったしね。
「私、駅までおくってくるね」
圭子がそう言って俺に付き添ってくれた。
最寄り駅までの道で圭子が聞いてくる。
「……なんで泣いたの?」
俺は素直に答える。
「嬉しくってさ」
「嬉しい?結婚を認めてもらったことが?」
「うん。もっと言えば、圭子のご両親に家族として迎えてもらった気がしたんだ。俺には母親がいないから、『お母さん』って呼べるヒトが出来たんだって思ったら、感情を抑えられなかった」
「そっか……」
圭子が腕を組んでくる。
「やっぱりお父さんの言う通り、私の目に間違いなかったってことかな」
満面の笑みで俺を見る。
幸せってこういうことだよなって思う。
ついこの間まで他人同士だった俺と圭子が、ただ一緒にいるってだけでこんなにあたたかい。
これが幸せじゃなくて何だってんだ。
今はただ、この幸せに酔いしれていた。
次
さてと、次は俺の父さんへの報告か。
父さんは平日はほとんど残業だから、土日かな。
「圭子は次の土曜の都合ってどう?」
「真人のお父さんへの挨拶?」
「まあ、しておかないと格好がつかないかなと思って」
「わかった、同じ感じで昼食会にする?」
「それがいいかな。圭子の母さんのような味は作れないけれど」
「え?真人が作るの?」
「まあ、父さんは夜遅く帰ってきて週末は昼間で寝てる感じだから」
そこではたと考える。
父さんは何でそんなに働くんだろう?
ワーカーホリックって感じじゃないと思う。
たまに仕事の愚痴を言ったりするけれど、基本は家に仕事の話を持ち込むタイプじゃない。
ああ、そうか。
俺か。
俺が生きていくためのお金を確保しようとしているんだ。
つくづく、俺はヒトに恵まれているってことだ。
何の神様かしらないけれど、俺に圭子や父さん、そして圭子のご両親と巡り合わせてくれたことを感謝した。
そして、写真でしか見たことのない母さんにも。
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参考にした話
さて次は田中家だな。
ぶっちゃけ盛り上がる気がしないw
でも書かないわけにもいかないもんなぁ。
以下待て次号!