閃光のハサウェイと情報伝達
閃光のハサウェイ。あんたも楽しみにしているかい?
俺なんかは楽しみにしすぎていて、心配なくらいだ。
例えば、閃光のハサウェイの小説はあくまで、ベルトーチカ・チルドレンの続編であって、映画版の逆襲のシャアの続編ではないんだけれど、その辺の扱いがワリカシいいとこ取りしようとしているらしいとか、声優さんが逆襲のシャアのハサウェイとは違っているとか、色々と気になるところだ。
今回は、一人のガンオタオッサンが閃光のハサウェイについてアレヤコレヤと妄想する回だ。
まあ、あれだ。たまには良いだろう?こう言う趣味全開のやつもさ。
閃光のハサウェイの舞台となる地
閃光のハサウェイの中で出てくる都市がある。オーストラリアのアデレードだ。
コロニー落としがされて大きな湾が出来ているシドニーの真西にある都市だね。
このアデレードで特権階級の人々が地球の土地を私有化できる法案を強行採決しようとしているのをマフティー・ナビーユ・エリンことハサウェイ・ノアが武力で止めようってのが閃光のハサウェイの物語の骨子だ。
この場所。なんともガンダムの歴史を紐解いていくと皮肉な場所だと思うんだよね。
逆襲のシャアの頃の地球連邦政府機能はチベットのラサにあったんだけれど、そいつがシャアの隕石落とし(ルナツー)によって吹っ飛んじゃったってんで、このアデレードに政府機能を移したらしい。
でもよりによって、なんでアデレードなのか?
アデレードといえば、コロニー落としの被害地の代名詞とも言うべきシドニーの西に位置する都市だ。
まあ、ラサに首都機能を置くってのもどういうセンスなのか不明だけどさ。
マフティーの演説
この法案を止めるためにハサウェイはこんな演説をぶっていたりする。
詳しくは動画を見てみてもらいたいけれど、要するに地球は旧世紀の人口爆発によってダメージを食らっているのに、ヒトが地球に戻れる法案を作るってのはイクナイ。
だからそんなん決めようとしている偉いヒトは僕ちゃんがぬっ殺すってわけだ。
しかも演説の内容を信じると、こう言う連邦政府政府の偉いヒトに対する武力行使ってのは、民衆の支持を取り付けているらしい。
これって結構謎なんだよな。
何で、武力による粛清がまかり通るような治安が悪くなりまくっている状態を民衆は「良し」とするのか?
まあ、ガンダムの政治世界はあんまり掘り下げられていないので、実のところはよくわからないんだが、ちっとこのあたりを妄想してみよう。
徹底的に情報が流通しない世界
ガンダムの世界の民衆はびっくりするくらい世の中で起きていることを把握していない。
Zガンダムの物語の中でティターンズの横暴さを象徴する30バンチ事件というのがある。ざっくり言えば、コロニーに毒ガスを撒いたわけだ。
これによって、コロニー住人1,500万人の命が奪われた。
これってすげー規模だ。
Wikipedia先生が教えてくれる世界で起きた虐殺の歴史を見ても、最大で100万人。そのざっと15倍の規模だ。
なのにも関わらず、この事件について民間人であるカミーユ・ビダンにも軍属であるライラ・ミラ・ライラにもこの事件のことは完全に伝わっていない。
いやいや、どんだけの情報規制だ。
コロニー間で、ヒトの行き来がまったくないなんてことはありえないのに、それでもこの虐殺事件が全く伝わらないって状況はどうやればできるんだろう?
この事を考える前提として、ガンダムの世界にはなくて、現実の今の世界にあるものがあることを加味しなければいけない。
インターネットだ。
考えてみれば当たり前なんだけれど、ガンダムが作られた40年前。世の中にインターネットってものは世の中に認知されていなかった。
インターネットの前の姿であるARPANETですら、1969年にようやく形になっているくらいなんだから、当然っちゃ当然なわけだ。
なので、ガンダムの世界にはインターネットが無い。
一部でビデオ電話の様な表現があったりするけれど、それも民間で流通しているテクノロジーというよりは、一部の軍情報部や情報屋が使うような技術として描かれている。
立てて加えて携帯電話もない。
逆襲のシャアのときですら、クエス・パラヤはハサウェイに連絡をつけるために父親のブライト・ノアを電話で呼び出していたりする。
「デートの電話を父親に入れるなって言っておけ」
出典:逆襲のシャア
こう言うふうに、情報の伝達という意味で、ほとんど昭和か!ってくらいに手段が古いんだよね。
そう考えると、ガンダムの世界観って民意がほとんど大本営発表みたいなプロパガンダで出来上がっているのかもしれない。
そう思ってコレまでのガンダムを見直してみてもオモロイかもな。
さて、あんたはどう思う?
ガンダムの戦略が第二次世界大戦のころと大差ない理由はミノフスキー粒子だけじゃないみたいだぜ?