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【すっぱいチェリーたち🍒】スピンオフ田中真人編#3

あんたも誰かの企画に乗っかって何か書くことってあるかい?

今回もこの企画に乗っかってみようかね。

企画ページ本体はこっち。

前回のはコレ。
真人と圭子の出会いのシーンだ。

で俺の持ちキャラはこいつ。
CV:大塚明夫を想像しながら読むと腹がよじれると評判w


今回のは息子の真人視点の物語だ。
真人はCV:梶裕貴で読んでみてくれよな。


夜道2

「言葉で殴る?」
最初に言葉で殴ってきたのはあんただろうに。

俺に「あんたは言葉で殴るんだね」なんて言葉を一言かけた後、その女は目の前の泣きじゃくる少女に手をのべる。

「怖かったね。怖かったら逃げて良いんだよ。
 『助けて!』ってなりふり構わずに叫びながらね」

それはホントにそうだと思った。
よく都会の人間は冷たいとか言うけれど、ホンキで助けを求めるヒトをほっとけるヒトは少ないと俺は思う。

大学で煮詰まってるときも「よう、どうしたよ?真人」って誰かが必ず声をかけてくれた。

問題は俺たちヒトがヒトの状況を知らないって事だけなんだ。

女子高校生は感情が高ぶりすぎているせいか、ヒックヒックとまともに声も出せない状況だった。
俺は少し離れたところでしゃがみながら女子高校生に話しかけた。

「大丈夫だから。もう怖いヒトは行ってしまったよ。
 このお姉さんといっしょに大通りに戻ろう」

そう言って俺は女に目配せをした。
こういう時、男が女子高校生に触れるべきじゃない。
それは新たなトラウマを生んじまう。

「さあ、家まで送ってあげるよ。
 まあ、いつものバイクだからあんたは怖がるかもだけれどさ」

たしかにそうか。
でも俺が電車で送り届けるんじゃ、いかにもまずいわな。
下手すりゃ、職質うけるかもしれん。
まあ、そしたらありのままを言って保護してもらうってのも一つの手だとは思うけれど、それだと警察に扱われると言う新たな恐怖を生み出してしまう。
それは避けたい。

「ありがとう」
俺は女にそれだけ言った。
そして大通りに二人が出るまで、一定の距離を保ちながら周りを警戒していた。

そして、ようやく女と女子高校生が何かやり取りしていた。

「よし、なら少しそこのトッポイ兄ちゃんとここで待っててくれ。
 予備のメットを持ってくるから。5分で戻る」

そう言って、女は俺と女子高校生を置き去りにして轟音を鳴り響かせながら走り去る。

「あの……私、一人で帰れますから」
おずおずと話しかける女子高生。
まあ、俺と二人じゃあおっかねぇよな。

「大丈夫。もうすぐあの姉さんが戻ってきて、君を家まで送り届けてくれるさ」

俺にはなぜだかわからないけれど、それは確信していた。
まあ、あえて言うならわざわざバイクを止めて少女を取り囲む男3人に女一人でどうこうしようなんてやつに、悪人はいないだろ。
それに、あの取り囲んでいた奴らと結託してこの女子高校生をあの女がさらう合理的な意味がない。

あの女が悪人じゃないんだから、「待っていて」と言うのは俺とこの高校生少女との約束だって俺は思った。

きっかり5分後。
女は帰ってきた。

「おまちどう。はい、これメット」
そう言って女子高校生に投げてよこす。

「ほら、行きな」
手はポケットに入れたまま俺はそう言った。
今のこの女子高校生には男の「手」は恐怖の象徴だろうからな。

「あ、ありがとうございました!」
すごい勢いでお辞儀してヘルメットをかぶり、銀色のV-MAXにふらふらとまたがる。
おいおい、大丈夫か?

「安全運転でな」
俺は女に声を掛ける。
「……あんた、名前は?」
「聞いてどうするよ?」
「いいから」
一瞬考えてから答える。
「俺は田中真人。そのへんの大学生さ」

「ふうん……」
女はそう言ってからこう言った。

「あんた、田梨木高校の近くの公園って場所わかるかい?」
「ああ、なんか猫がちょいちょいいるあそこか?」
「そうそう。明日の20時。そこにおいでよ。この子の状況伝えるよ」
「わかった。行くよ」

コレが俺と圭子の出会いだった。

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さてはて、この二人の顛末、こっからどうしようw

参考にした話

#すっぱいチェリーたち
#歌えないオッサンのバラッド


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