
【すっぱいチェリーたち🍒】スピンオフ田中真人編#25
あんたも誰かの企画に乗っかって何か書くことってあるかい?
今回もこの企画に乗っかってみようかね。
企画ページ本体はこっち。
前回のはコレ。
責任と言う言葉を考える若者の物語。
で俺の持ちキャラはこいつ。
CV:大塚明夫を想像しながら読むと腹がよじれると評判w
今回も息子の真人視点の物語だ。
真人はCV:梶裕貴で読んでみてくれよな。
さいは投げられた
コレは勝手な思い込みだとは思うんだ。
でも俺にとってこの思い込みは大切なものなんじゃないかって思う。
修斗と浩二の二人。
名も知らぬ街の人々。
ホントになんのしがらみもないヒトたちが俺たちが幸せであってほしい。
そう願っていたと感じた。
思い込みかもしれない。
俺の独りよがりなのかもしれない。
でも俺はそう感じたんだ。
そんな事を考えながら家にたどり着いた。
「ただいま」
「おう、おかえり」
父さんが珍しく早く帰ってきていた。
なんか料理っぽいものを作ってる。
「今日の献立は?」
戯れに聞いてみる。
「肉じゃがっぽいなんかだ」
なんかなのか。
まあ、毒ってわけじゃないだろうし、食べられればなんでもいいか。
「じゃあ、俺は風呂作っとくよ」
「ああ、風呂も沸いてるから先に入っちまってくれ」
「ラジャー」
シャワーで体を洗い、湯船に浸かる。
ギプスを濡らさないようにビニール袋で包んでね。
なんかとんでもない日だったと思う。
覚えていないから、実感は無いんだけれど、俺はこの体験を2度しているんだよな。
うん?っていうか、前の時の話って父さんにしてるのか?俺は。
たぶん、言ってないな。
ってか、圭子のご両親への挨拶だってしてないんだろう。
こいつは不義理ってやつだ。
ただなぁ。ただの学生でしか無い俺が「娘さんをください」なんて言えるわけもないんだよな。
それに、圭子はまだ高校生だ。
いきなり「結婚」ってわけには行かない。
やっぱ、結婚を前提にお付き合いさせてもらっています。
このあたりなんだろうなぁ。
っていうか、圭子のご両親のこと、俺なんにも知らないぞ。
もっというと、うちが父子家庭だなんて話も圭子にしてないぞ。
やべぇな。俺は圭子のことだけを見て、圭子が抱えているものに目を向けてなかったし、俺の抱えていることを話もしないで結婚を申し込んだってことになるよな。
いかん。いかん。
ただでさえ記憶が一部すっ飛んでいるってやつが、すっとんでない現実について圭子とすら共有してない。
何が幸せにするだ。
キッチリ筋を通すことすら出来ていない。
俺は俺の弱さを憎んだ。
「俺は圭子との未来を掴み取る。そのためには強くならないとならない」
誰に言うでもなく俺は風呂場で自分に言い聞かせた。
でもその次の瞬間に俺は頭を抱える。
強いってなんだ?
父さん
風呂から上がると、食卓に肉じゃがらしいものが並んでいた。
いや、肉じゃがだと思うんだけれど、どこかに違和感がある。
父さんが食卓についたのを見て、俺も食卓に座る。
「いただきます」
いつも通り、命をいただくと言う思いを言葉にする。
ガキのころから、このことは父さんから口が酸っぱくなるくらいに言われ続けていたから、もう俺にとっては当たり前の言葉になっている。
で、ふと考える。
命。
圭子の命。
圭子の命を俺は「いただく」のか?
違うと思った。
じゃあ、圭子のご両親に「娘さんをください」は違う言葉だよな。
なので、何にも考えず父さんに聞いた。
「父さんはおじいちゃんとおばあちゃんに母さんと結婚させて欲しいって言うのにどんな事を話したの?」
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参考にした話
真人が覚悟を決めて、その覚悟故に誰もが納得する言葉を模索し始めた。
コレは、正解のある話じゃない。
コレに対して健一は父として答えるのか。
それとも男として答えるのか。
以下待て次号!