「プロとして」発言というシステムエラー
あんたもみずほ銀行のシステムトラブルでATMからキャッシュカードがでなくなったってニュースを見たかい?
システム屋の俺としては現場SEたちの痛切な思いを想像するにつけ、身につまされる感じを受けたんだよね。
当然だけれども、今回のトラブルは起きてはいけないものだったのは誰が見ても明らかだ。
それは現場のSEやみずほ銀行の担当者の皆さんについても全く同じだと思う。
それでもそのトラブルを予見することが出来なかった。
その前提で、ちょっと俺としては珍しくカチンときたニュースが飛び込んできた。
今回はそのニュースについて考えてみる回だ。
ちっと俺と一緒にヒトとは?組織とは?ってことについて考えてみようや。
原因ではなくヒトを非難する大臣
今回、俺の琴線に触れたニュースってのがこれだ。
ざっくりいうと、麻生財務大臣がみずほ銀行のシステムトラブルについて「プロとしていかがなものか」と言い放ったってニュースだ。
見た瞬間に、体中がざわつくほどの怒りを感じたんだよね。
なんでかって?
麻生財務大臣が現場のヒトたちの苦労だとか努力だとかを無視して完全に失敗したことだけをけなしているからだ。
本来、ヒトは失敗することを前提に世の中の仕組みでカバーするようにしなければいけないのに、その世の中の仕組みを国として回す責任者である大臣がこの発言をすることの意味を麻生財務大臣はどう考えていたんだろう?
まあ、このnoteで麻生財務大臣が悪い発言をしたって主張するだけだと、麻生財務大臣というヒトのミスをあげつらうだけになっちまうから、麻生財務大臣がなんでこう言う発言をしたのかってことを想像してみよう。
麻生財務大臣がヒトをけなした理由
俺が思うにシンプルに「プロとして……」発言をした理由で思いつくのが、ただただ「バカジャネーノ」って現場のヒトに対する感想を持ってそれを口にしたって可能性だ。
そう思ったのは良いとして、それを口にすることの意味を吟味して発言していないってことだよな。
だって、「プロとして」財務大臣として麻生財務大臣はミスをしていないって本気で思っているんだろうか?
デフレが続いて、更にニューノーマルな世界になって、日本の経済がガタガタなのは「プロとして」正解だっていい切れるのか?
そういうブーメランになっちまう発言だと思うんだけれども、そのことに思いを馳せたりしなかったんだろうか?
財務大臣として、政治家としてデフレ脱却できないのは「成功していない」からだとでも思っているんだろうか?
デフレ脱却できないのは政治の「失敗だ」と国民が思っていないとでも思っているんだろうか?
政治が本気でデフレ脱却を考えない理由
いや待てよ?
俺たち国民は本当にデフレ脱却できないのは政治の「失敗」だと思っているんだろうか?
そうだとすれば、なんで俺たち国民は一向に財政出動を大胆に拡大してこなかった政治家を選挙で選んでいるんだ?
何?あんたの選挙区には財政出動を掲げている政治家が立候補してないって?
俺の選挙区もそうなんだよな。
なので、俺は俺の選挙区から選出されている政治家の皆さんに質問を投げてみた。
「デフレ脱却に必要なのは大きな政府ですか?小さな政府ですか?」ってさ。
選挙区選出された一人の政治家からは全く回答がなかった。
比例区選出された一人の政治家からはスタッフさんから電話がかかってきて、「大きな政府だと思ってると思うんですけれどね~」となんとも歯切れの悪い回答が来た。
要するに二人ともデフレ脱却について本気では考えていないってのが俺の印象だった。
なんで本気でデフレ脱却を政治家が考えていないんだろう?
それはデフレ脱却って成果は票につながらないって政治家が思っているからだよな。
政治家は自分に票を入れてくれるヒトのために行動する。
そして、年代別の投票率はこんなのが実態らしい。
出典:総務省
20代という最もデフレの影響を受けているはずの世代が投票率33.85%。団塊ジュニアにあたる最も数が多いと思われる40代で53.52%。
半分以上の票がどぶに捨てられているって現状が見えるよな。
つまりデフレで苦しみまくっているヒトの半分以上は政治を変えようとしていないって現実が見える。
その結果として、麻生財務大臣の「プロとして」発言につながっているってわけだ。
なあ、あんたはどう思う?
俺たちは麻生財務大臣の「プロとして」発言というシステムエラーを是正できると思うかい?