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地球連邦政府について考える

あんたもガンダム、好きかい?

俺はもぉ、ず~っとガンダムが好きで見ているわけだけれども、その中でず~っと描かれ続けていることがある。

「地球連邦政府は腐敗している」という表現だ。

その大前提のもと、俺たちは様々なヒトの思いを描かれた物語を見て取っている。

でもさ、ちっと考えてみて欲しい。
地球連邦政府の何が腐敗しているんだっけ?

今回は、このガンダムという作品の大前提となっている地球連邦政府の腐敗について考えてみる回だ。

改めて色眼鏡を外して考えてみようぜ。

1stガンダムにおける地球連邦政府

そもそも1stガンダムにおいて、あんたは地球連邦「政府」が登場していた記憶があるかい?

出てきているのはあくまで地球連邦「軍」であって「政府」じゃないんだよな。

有名なゴップとかの無能将校にしたって、あくまで軍属であって政府の政治家ではない。

どうも調べてみると、コロニー落としによって行われた大量虐殺によって、軍の発言権が巨大になって文民統制がまともに働かなくなっていたって事情もあるらしいんだよな。

そもそも地球連邦政府はガンダムUCで描かれているように発足当初から政治の無力さってのが目立っている。

初代大統領のリカルド・マーセナスだって、いきなり暗殺されちまうもんね。

その暗殺をきっかけに、地球連邦軍が組織の中心にならざるを得ないって背景があったわけだ。

要するにヒトという生き物は「仲間」と「敵」の両方が存在していないと団結できない生き物ってことになる。
なんだそのくそったれな結論。

人類が抱える「課題」

でもこの間も書いたように、ヒトという生き物は「敵」の代わりに「課題」を共有することで団結できる可能性ってのもあるはずだ。

では、地球連邦政府には一致団結出来るだけの課題ってものがなかったんだろうか?

そんなわけないよな。
地球が保たん時が来ていたわけだし。

地球全体の汚染という一大課題があったわけだ。
ではなぜ、その課題に向かって一致協力が出来なかったのか?

それはサスティナブルな行動で地球守るという意識の前に宇宙で暮らすことが出来るテクノロジーを確立してしまったことによる悲劇ってのがあるんだよな。

現実の世界に目を向けてみると、今の世界ではサスティナブルな世界を目指してSDGsなんて枠組みが出来上がっている。

前にもこんなnote書いてみたんで、詳しくはそっちも読んでみてくれよな。

今現在、俺たちヒトは宇宙で大規模な生活が出来る状況には至っていない。

なので、地球環境の保全ってのは避けて通れない課題なわけだ。
その課題に向けてヒトはこのSDGsって枠組みを作ったわけだ。

この枠組みのオモロイところが、経済活動と絶妙に組み合わされているところだと思うんだよね。
二酸化炭素の排出権が新たな需要を生み出したように、それをありとあらゆる課題に紐づけているんだ。

結構、これうまい仕組みだと思うなぁ。

連邦政府が機能不全する構造

で話を戻して連邦政府が構造的に文民統制が取りづらい状況を作り上げてしまったのは何なのか?

言い換えればリカルド・マーセナスはなぜ死ななければならなかったのか?

設定によれば、リカルド・マーセナスは30以上の国の血が混ざりあった、非常にグローバルな血筋ってことらしい。
多様性の象徴みたいな存在だったわけだ。

そして、その多様性の象徴を拒むヒトたち。
すなわち従来の国とか民族とかの存在そのものを存続したいヒトたち。

そんなヒトたちのテロによって、リカルド・マーセナスは命を奪われてしまう。

なんつー皮肉なんだろう。

だって、多様性を緩やかに束ねることで多様性を守ろうとしていた地球連邦という枠組みを多様性を今まで通り維持したいヒトが壊そうとしてたってことだもんな。

どちらも多様性を守りたかったはずなのに。

「連邦」と言うからには、多様性の破壊による同化を地球連邦って枠組みは目指してはいなかったはずだ。
だってリカルド・マーセナスはこう演説しているからね。

今日、ここには地球連邦政府を構成する百ヵ国あまりの代表が集い、吟味に吟味を重ねた宇宙世紀憲章にサインをしました。間もなく発表されるそれは、のちにラプラス憲章とよばれ、人と世界の新たな契約の箱として機能することになるでしょう。
出典:Wikipedia

みんなで決めた。
地球連邦は決して無能の集団ではなく、辛抱強く、調整に次ぐ調整を経て成立したものだったんだ。

それを「妥協」と捉えるヒトによってリカルド・マーセナスは逝ってしまった。

その事によって地球連邦は軍属の存在になりはて、結果として宇宙棄民という感覚をスペースノイドに植え付け、ジオン公国が成立した。

なあ、あんたはどう思う?

地球連邦政府はどのタイミングで何をすることで様々な悲劇を防ぐことが出来たんだろうか?

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